夕焼けに、メロン色の若い空を見た

　団地から飛んだ『紙飛行機』。
　それが突き抜けた、メロン色の若い空。
　それを、夕焼けに見ました。
　赤と青の中間に、確かなメロン色を。






テツガクちゃん
　メロン色の若い空。
　それに出会ってしまいました！　私！

　クロマニヨンズさんの『紙飛行機』。
　あの歌の詩にある。

　メロン色　若い空を
　突き抜けてゆけ

　団地の窓から飛んだ紙飛行機が突き抜けた、空。
　それを夕焼けに見ました！


肯定
　ガクちゃんも夕焼けに、メロン色の若い空を見たんだね。
　僕もそれを探していたんだよ。
　なかなか見つからず、一生懸命そう見える空を探した。

　そしたら、夕焼けに見たよ。
　夕張メロン色の若い空を。

　それに気づいて。
　これだ！　とビビッときたね。
　稲妻が突き抜けるように。
　3不可思議ほどのビビッとビットがね。


テツガクちゃん
　夕張メロン色の若い空ですか！
　それはステーキですね！

　私と同じ夕焼けに、肯定さんも同じメロン色の若い空を見る。
　それは『唯一無二』の最高な奇跡です。
　その形は唯一のようで、確かな無二もあります。

　私は夕焼けに夕張メロン色ではなく。
　夕焼けの赤と青、その中間にメロン色を見ました。


肯定
　赤と青、それなら紫じゃない？


テツガクちゃん
　きっと、基本的にはそうだと思います。
　ですが、あの夕焼けを、肯定さんの窓で覗いてみてください。

　私達の窓は幻を捉えます。
　ですから、赤と青、その中間の色。
　そこに、メロン色を感じてしまうかもしれません。


肯定
　んー…………。
　あっ、確かに見えたかも！
　メロン色の若い空が。

　写真で見るよりも、自分の窓で覗けば、余計にそう見える気がする。
　ガクちゃん凄いね！


テツガクちゃん
　肯定さんの夕張メロンも凄いですよ！

　夕張メロンか、ただのメロンか。
　赤と青の中間色。
　それが紫か、メロン色か。

　どちらが正しいのか、何が正しくないのか。
　きっと、それらはあまり重要ではなく。
　どうでもいいことです。　　　
　トタン屋根に放り投げてしまいましょう。


肯定
　全くそのとおりだね、放り投げてしまえ。

　団地から飛んだ紙飛行機。
　それが突き抜けた、メロン色の若い空。
　
　気づくのに凄く時間がかかったけど。
　それでも、変わらずに確かに在り続けた。
　様々な形の可能性でね。

　その驚きは、『唯一無二』の最高な奇跡だね。


テツガクちゃん
　奇跡ですね。

　赤と青。
　それが紫とは限りません。

　メロン色にだって、幽かに見えるんだぜ。
　錯覚かもしれないけどさ。

　そう誰が詩にすれば。
　気づくことでしょう。

　きっと、他にも。
　今まで私達が気づけなかった色。
　それが、今もどこかで、確かに在り続けているのでしょう。
　変わらずに永遠に、逃げも隠れもせずに待っている。

　それに出会う、今、この瞬間。
　それは、あなたが持っているのかもしれません。

　気づいていない、というよりは。
　忘れて、思い出せないふりをした当たり前。
　それに気づけるのは、あなたの今かもしれません。

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それでは、また次の機会にお会いしましょう。