2018年12月27日木曜日

届かない手紙 4通目


  
 拝啓

 歌う不死蝶様、心地よい寒さになりウカレテいる今日この頃です。
 
 突然ですが、私の趣味の一つを紹介させていただきます。
 それは、歌の詩に込められた伝言を想像することです。
 これが伝言ゲームのようでとても楽しく、私の趣味の一つです。

 詩を書いた人、それを歌う人、それぞれにきっと違う心があり、その伝えたい気持ちは、視点によってほんの少し違うのではないか? と考えています。
 ご本人に聞けない限り、伝言の真意は知りえません。
 いえ、仮に聞けたとしても……真意の真意は永遠に知りえないのかもしれません。
 なぜなら、人の心は当の本人でさえ知らないことが多いですから。

 ただ、この伝言ゲームは、真実という真意を知りえない、とわかっていても、楽しくて辞められません。
 そして、ちょうど今、あなたが残した蝶々の詩を見ています。
 この歌は奥が深く、込められた伝言を探すのに少し苦戦しています。
 私なりにはっきりと解釈できた部分と、曖昧に霞んでいる部分、そんな中間色の詩と今向き合っています。
 
 ちょうど私の隣には、中間色の瞳と髪を持つ相方がいます。
 彼女のお蔭で、ミステリーに似た伝言という幻の影、幻影が見つかりそうです。
 その秘密の鍵を使い、この宝箱を開ける。その無限大な夢のあとには何が待っているのでしょうか?
 きっと、その瞬間を私と相方は共に見るでしょう。
 そして、留まっていたいその瞬間から、頼りなくてぎこちない翼で次のフロンティアへ旅立つ。そんな予感がします。

 永い間、わからなかった詩の中の伝言。
 ほんの少しだけ忘れていた、その謎々という宿題の物語。
 今、相方と共にそれと向き合っています。

 終わらない謎々。
 知りえない真実という真意。
 だけど、私達の真実を捉まえる解釈の風がある。
 そう信じる手と手を合わせて、今物語の時空を歩んでいます。

 きっと、いつか、知りえない真意も知ると思います。
 なぜなら、人の心はそれぞれ違うけど、誰もが同じ心を持っている。
 本当は、違うのと同時に違わない。
 そう信じている、その事実という信実の果実。
 それを運んできた解釈の風。
 蝶々の羽ばたきが起こした、その風はやがて竜巻に変わり、この信実の果実も私の真実に変わる。
 そんなバタフライ効果を私達は信じています。
 
 いつも素敵な歌をありがとうございます。
 私の中のバタフライ効果。歌う不死蝶様。

 

 それでは、また次のお手紙でお会いしましょう。



 敬具


 歌う不死蝶様と共に未来の夢を見る一人より

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グリフィン理論

  いつだって10月だし11月だし3月なんだ。  このグリフィンさんの教えは贈り物。  誰だってジェイソン・ボーンだしジェームズ・エドワーズ。  ロバート・アンジャーでローン・レンジャー。  そして、ネオでもある……忘れているだけで。