変速のバタフライエフェクト

　まるで、ページをめくるように場面を変えてしまう。
　あの風、『バタフライエフェクト』。
　一瞬で、全てが変わらなくても。
　穏やかに緩やかに変わっていく。
　変速風が、今もどこかで、確かに吹いている。





テツガクちゃん
　肯定さんは、場面を変えてしまう風。
 『バタフライエフェクト』と出会ったことがありますか？

　映画『バタフライ・エフェクト』のような風です。
　まるで、ページをめくるように場面を変えてしまう、あの風です。

　私は毎日、一つの夢の中で。
　様々な風と出会います。
　気づけば、次のページへ飛んでいる。
　そんな毎日です。

　肯定さんが進んでいる。
　その毎日はどうですか？


肯定
　僕もあるよ。
　睡眠中の夢の中で、『これは夢だ』と気づけば。
　その夢の中で、次のページへ飛ぶように場面を変える風。

　もちろん、起きている時にもそれと出会うよ。

　そうだね、例えば。
　コーヒーを一口飲んだ瞬間。
　どこか遠い世界へ飛んだりさ。
　音楽を聴いて、過未の世界へ飛んだりね。

　ただ、ガクちゃんのように。
　全てが一瞬に変わる、というわけではないかも。

　僕達の世界の『バタフライエフェクト』という風は。
　少し緩やかな変速風なんだ。

　一瞬ではなく、少しずつ加速する。
　そんな風かもしれない。


テツガクちゃん
　緩やかに加速する風ですか！？
　それは、ステキな変速風ですね！
　私も出会ってみたいです！

　
肯定
　きっと、出会えるよ。
　この変速風は、待つことが大切なんだ。

　ページをめくるように場面を変える、あの瞬間の風。
　それが、いつ吹くか、それはわからない。
　その瞬間がいつか、それもわからない。
　
　わからないから、風と瞬間を待つ。
　その時間が、少しだけ必要なんだよね。

　でも、それが待てるのなら。
　きっと、出会えるよ。
　変速の『バタフライエフェクト』にね。


テツガクちゃん
　そうなんですか！？

　では、今この瞬間に。
　穏やかな変速風が。
　どこかで吹いている、ということですか？


肯定
　さすが、ガクちゃん。
　その通りだよ。
　もう既に、どこかで吹いているんだよ。

　いつか目にする、加速していく風がね。

　穏やかで緩やかに変わる。
　そんな風が、どこかでね。

　加速していく、その感覚は驚きを忘れるくらい速く。
　だけど、記憶の記念写心を取れるくらい緩やかで。

　そんな曖昧で面白い速度だから。
　あの風と出会う瞬間を楽しみにしてね。


テツガクちゃん
　わかりました！　とても楽しみに待っています！
　今という物語のページをめくりながら。

　あなたは、変速の『バタフライエフェクト』と出会いましたか？
　少しずつ加速して、歪み、よじれ、ねじれ、急旋回して、揺れて、乱れる。
　そんなステキな軌道のステーキな変速風です。

　きっと、今もどこかで。
　その風が吹いています。
　あなたを次のページへ連れて行くために。

　もちろん、その風に乗るか、乗らないか。
　それは、自分で決められます。
　
　これから、あなたはどんな軌道を描くのでしょうか？
　変速風が繋ぐ、その軌道と出会う、その瞬間。
　それは、とても楽しみです。

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それでは、また次の機会にお会いしましょう。