届かない手紙 22通目

　拝啓


　歌う不死蝶様、ご無沙汰しております。
　私の方は、決めた合言葉どおり。
　何も決めずに、やりたいように進んでいます。

　そのお蔭か、ほんの少し調子もいいような気がします。
　相変わらず、一番進めたい計画は止まったままですが。
　それでも、このままでいいと根拠なき自信が背中を押します。

　そんな日々の中、気づいたことがあります。
　遠い昔、私達は随分贅沢な音楽に見守られていた、ということです。

　それは、日曜日の朝9時の物語です。
　大好きな『Butter-Fly』、それが贅沢な音楽だったのは。
　当時の私も気づいていました。

　それから、『brave heart』です。
　今も聴くと、自分も変われそうな気がして。
　まだまだ、進めると思える、不思議な歌です。

　そして、あまりにも透明過ぎたから。
　あの頃の私は、気づけなかった、『I wish』と『keep on』。
　どこまでも限りなく、響く透明な歌声。

　やっと最近、それに気づけました。
　きっと、私もそれなりにいろいろあって。
　汚れてきたから、気づけた透明さだと思います。

　本当に凄く贅沢な音楽達。
　それらに見守られた、時代でした。

　最高の物語と最高の音楽。
　それらのお蔭で、ここまでこれた私達は。
　かなり、幸せ者だと。
　相方と同じ答えを掴んでいました。

　『Sevenn』、七人もいませんが。
　少し変わった世界に住む、相方がいれば。
　信じた手と手をつなげる。

　きっと、これは特別じゃない強さのような。
　そんな気がします。

　あの日曜日の朝9時のように。
　限りなく、身近な距離。
　隣に随分贅沢な誰かがいる。
　
　今度は、見守ってもらうんじゃなくて。
　一緒に進んで行ける。
　そう願っている私はこのまま。
　我がままにDIVE IN！

　そうやって、ここまで進んでこれたのは。
　あの贅沢過ぎた時代のお蔭です。

　テレビから『Butter-Fly』が流れれば最高潮。
　途中、『brave heart』で進化した気がして。　
　ラストの『I wish』と『keep on』は。
　あの当時には、わからなくても。
　いつかは気づいてしまう、透明な強さ。

　本当に贅沢な時代。
　ステキな音楽をありがとうございます。
　まだまだ、これからも何度でも聴きたいです。
　きっと、世界中の友達も。
　同じ気持ちのような気がします。

　そして、今も。
　歌う不死蝶さんは歌っている。
　そう私も相方も気づいてしまっています！

それでは、また次のお手紙でお会いしましょう。


敬具　


歌う不死蝶様と共に未来の夢を見る一人より