青春朱夏白秋玄冬。
私は玄い冬が好き。
青い春が出会いと別れの季節なら。
玄い冬は再会の季節だから。
澄み切った透明が、他の季節が隠した何かと。
もう一度、出会わせてくれる。
止まった時間の中で。
テツガクちゃん
春は青く、夏は朱い。
秋は白く、冬は玄い。
四季には、それぞれの色があるそうです。
青春朱夏白秋玄冬。
私、青い春だけだと思っていました。
肯定
実は、僕も。
最近まで、そう思っていました。
まあ、人生は永遠に未完成だから。
それも、詮無きことかな。
朱夏とか白秋とか。
全く想像できないもん。
テツガクちゃん
なぜ、想像できないのですか?
肯定
あっ、そうか……。
いや、それぞれの色があるように。
それぞれのイメージが、僕にはあってね。
青い春が、何かに向かって進みだしたのなら。
朱い夏は、その速度が最高潮を超えて時間が止まる。
白い秋が、徐々に減速しながら何かを得る。
玄い冬は、止まった時間の中で、何をしようかと考える。
そんな感じ。
僕の場合、青い春の次は玄い冬だよ。
朱い夏や白い秋はないんだ。
だから、全く想像できない。
テツガクちゃん
それはそれで。
不可思議で面白いですね。
途中にあったはずの。
朱い夏と白い秋を飛ばした、快速列車。
肯定さんの場合。
青い春に進みだした、その何かは。
どうなってしまうのですか?
肯定
青い春の速度で進んで。
最高潮になる前に止まって。
止まった時間の中で、何かを考える。
それから、また進みだす。
青い春の速度で。
その繰り返しかな。
朱い夏と白い秋。
それらを飛ばして進むけど。
そんな進み方も、今ではいいかなって。
僕は玄い冬が好きだから。
テツガクちゃん
玄い冬、『シャロン』さんにも出会えそうな。
そんな気分の季節ですからね。
止まった時間の中で。
シアン色の思案旅行。
そう考えを巡らす。
その瞬間こそが。
どんな今よりも最高潮の時で。
玄い冬、その季節に多く止まれる。
快速列車の進み方は、少し贅沢かもしれません。
肯定
さすが、ガクちゃん。
全く以て、そのとおり。
青い春。
進みだした、その瞬間から。
何かは幽かに消え始める。
朱い夏。
速度が最高潮を超えて、時間が止まった時。
何かは綺麗に消失した。
白い秋。
徐々に減速する速度の中で。
消失したはずの何かが見えてくる。
玄い冬。
時間が止まった世界で。
もう一度、確かな姿の何と再会する。
春が出会いと別れの季節なら。
冬は再会の季節。
だから、好きなんだ。
冬の空は面白いから。
昼は夏が隠した探し物。
それが見つかりそうなほど。
限りなく澄み切った透明が。
青い星の色を映し出して。
夜は他のどの季節よりも。
深く濃い黒が広がる、果てしない空を。
何もごまかせない透明が。
今まで霞んでいた光まで描いて。
昼と夜では対照的。
だけど、同じ澄み切った透明が。
今まで、見えなかったもの。
それを見せてくれる、玄い季節。
それと再会して、何をしようかと。
止まった時間の中で、あれこれ計画している。
この瞬間に勝る、速度を僕は知らない。
青春朱夏白秋玄冬。
あなたは、どの色の季節が好きですか?
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