拝啓
歌う不死蝶様、うぐいすが鳴く春になりました。私の場合、鳴くまで待とう、というより、鳴くまで忘れた、うぐいす、という感じです。
忘れていた春、そんな新しいスタートの時期になりました。
プロ野球より先にメジャーリーグが開幕を迎え、マリナーズとアスレチックスの開幕戦が日本の東京で行われました。
今、マリナーズにはイチロー選手、菊池選手が所属しています。
私もこの開幕戦を楽しみにしていました。
菊池選手が先発し、イチロー選手がライトにいる。
その光景は夢のようでした。
そして、この開幕戦の後、イチロー選手の引退の発表を聞き驚きました。
歌う不死蝶さんも野球がお好きと、風の噂で聞いていたので、この衝撃的なニュースを伝えたい、と思い、今手紙を描いています。
「最低、50歳までやる」というイチロー選手の言葉を本気で信じていた私が、このニュースに盗まれた気持ちはとても大きかったです。
歌う不死蝶さんはどうでしょうか?
このニュースを当たり前のことだと、受け取ることができますか?
私にはできませんでした。
引退せず続けていく。それがイチロー選手の当たり前だと思っていたので、気持ちが盗まれました。
そんな詐欺に騙されたような私ですが、今の気分は最高です。
イチロー選手になら騙されてもいい、と心から信じることができて、それを疑わずに終えられたこと。
この気持ちを最高と言わず、何を最高と言うのでしょうか。
私が見た、年齢など関係なく続ける背中。
その夢の影が崩れることなく、最後まで見続けることができたこと。それは本当に幸せでした。
そして、盗まれた気持ちの変わりにあったもの。
それが夢だと思っています。
本当に60過ぎても現役で、三冠王から八冠王までを制覇するような活躍をする。
そんな夢をこの瞬間まで見れたことは、唯一無二の最高の夢です。
偉大な記録を作ったり、記憶に残る場面での活躍、たくさんの夢を見せていただきましたが、この瞬間に見た夢の形は最高の輝きでした。
できそうにないことを本当にやり遂げそうな雰囲気。
そんな夢を見せることは、とても難しいことだと思います。
それを当たり前のようにやってみせる、イチロー選手はやっぱり伝説だな……と改めて思っています。
たくさんの夢や様々な気持ちを本当にありがとうございます。
そして、私達には知りえない苦しさの中、イチローという人物を守り続ける日々。本当にお連れ様でした。
野球でもゴールデングラブ賞を何度も獲得する名手でしたが、イチローという人物を守る最高の人です。それを支える皆様も最高で、最高の一つのチームでした。
ただ、詐欺師という部分では、いつか私達の方が勝ると思います。
ですから、ご注意ください。
騙し欺き視点を支配し、時間と気持ちを盗む影に。
感謝の気持ちと、お疲れ様でしたという気持ち。
そして、これから何をするのか、と気になってしまう気持ち。
歌う不死蝶さんはどうでしょうか? イチロー選手の引退というニュースに、私と似た気持ちを見ているのでしょうか?
忘れていた、春のような景色を。
いつか、その答えやイチロー選手、野球の話など、境界線がない話を歌う不死蝶さんとできたら、と思っています。
私にほんの少し遠い夢を見せてくれる、歌う不死蝶さんも私の特別な伝説です。
たくさんの特別な伝説を見てきた私は凄く幸せ者です。
これからも、その伝説達をなるべくたくさん集めていく予定です。
何か衝撃的なニュースがあれば、またこの手紙に描きます。
それから、私達で飛ばす物語も創っていきます。
歌う不死蝶さんが届ける風に乗れる物語を。
私、私達の大切な特別な伝説の皆様に。
改めて、感謝の気持ちとお疲れ様の気持ち。
そして、これからもよろしくお願いします、という気持ちを込めます。
歌う不死蝶さん、これからもよろしくお願いします。
それでは、また次のお手紙でお会いしましょう。
敬具
歌う不死蝶様と共に未来の夢を見る一人より
敬具
歌う不死蝶様と共に未来の夢を見る一人より
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