ほんの少しだけ遠い距離感。
それは、物語の登場人物との距離感と似ている。
会うことができないから、忘れることができない距離。
肯定
ほんの少しだけ遠くにいる人って、物語の登場人物に似ている。
会うことができないから、忘れることができない輝きを放つ。
その光を見て、僕は言葉を忘れて。
ただただ、敵わないな、と思うだけで。
そんな距離感を感じる。
『ほんの少しだけ遠い人』って、なんかいいなって最近思ってさ。
テツガクちゃん
ステキな距離感に気づいてしまったんですね!
ですが、なぜ、『ほんの少しだけ遠い』のですか?
お隣という距離感ではないですよね?
肯定
そうだね。お隣ではないね。
『ほんの少しだけ遠い』のさ。
ほら、物語に登場する三代目の大泥棒。
僕は彼のことが大好きだし、憧れの存在だよ。
でも、彼は物語の人物。
傍から見れば、彼は『遥か遠い境界線の先』の人さ。
だけど、彼に憧れてしまった僕には、もうその境界線は見えないのさ。
僕達の世界と、物語の世界を分ける境界線が見えない。
代わりに見えたのが、『ほんの少しだけ遠い』という距離感。
って、この気持ちの景色、伝わるかな?
テツガクちゃん
わかるような、わからないような……。
はっ、今、この瞬間。
私が『Mr.ジョーンズ』になっていること。
それはわかります!
つまりですね……。
見えない世界の人との距離感が、『ほんの少しだけ遠い』ということですか?
肯定
そうそう、そんな感じだよ。
ただ、見えない世界だけとは限らない、という面白さにも最近気づいてね。
ちゃんと同じ世界に住んでいても。
『ほんの少しだけ遠い』と感じることがある。
例えば、あるバンド。
その距離は、会いに行こうと思えば、会いに行けるかもしれない距離。
だけど、僕はライブにすら行けないかもしれない。
なぜなら、僕はこの距離感の虜だから。
会えるかもしれないのに、会わない距離感。
それを保てば、彼らは伝説の物語の人物達と同じ距離になる。
僕にとって、三代目の大泥棒も虹の稲妻を放ったバンドも同じなんだよ。
『ほんの少しだけ遠い』、そんな伝説なんだ。
テツガクちゃん
そういうことですか。
ほんの少しですが、私にも肯定さんが虜になっている景色が見えた気がします。
きっと、その距離感は『トム・ゴードン効果』にも似ていますよね?
肯定
似てる似てる! それだよ!
想像の中の英雄は、遥か遠い彼方にいるようで。
実は、隣にいる実際の何かよりも遥かに近い此方。
そんな魔法の距離感が。
『ほんの少しだけ遠い』という距離かもしれない。
テツガクちゃん
たしかに、魔法の距離感ですね!
『トム・ゴードン効果』に似た現象。
今は会えないのだけど、会えないからこそ、近づく距離。
近い此方にある現実よりも、遠い彼方の空想の方が近い。
そういう不思議な距離感。
あなたは、どんな『ほんの少しだけ遠い』という、ステキな距離感を持っていますか?
それはとても大切な距離です。
憧れは憧れのまま。
永遠に変わらない距離のように。
それでは、また次の機会にお会いしましょう。
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