2019年12月17日火曜日

Mr.ジョーンズの秘密


 聴こえない声を聴こうとする姿勢。
 それは、ステーキな『Mr.ジョーンズ』の秘密でしょう。
 演説台で説いてしまえば、消えてしまう秘密です。
 それはそのまま。
 例え、悲鳴のように聴こえたとしても。 







テツガクちゃん
 肯定さん、今日もトタン屋根はゴキゲンですよ!
 昨日よりも速く、ステーキを焼いています!

 『1000のバイオリン』を歌いながら。


肯定
 そうなの?
 ガクちゃんを見ていると、子供の頃を思い出すよ。
 
 聴こえないはずの声が聴こえていた。
 あの頃をね。  


テツガクちゃん
 …………肯定さん。
 一体それは、どういう了見ですか?

 つまり、私が子供っぽい、ということですか?
 肯定さんには、私のWAGAMAMAな
このバディーが見えない、というのですか?


肯定
 いえいえ、とんでもない!
 今日も我がまま過ぎる、レディーなバディーが見えています。
 とても眼福です。ありがとうございます。

 じゃなくて!
 僕が伝えたかった了見は……。
 
 今の僕には、聴こえない声もあるんだよ。
 昔はトタン屋根の声だって、聴こえたのかもしれない。

 だけど、今は聴こえない。
 聴こえない声を聴こうとする姿勢。
 それが大切だとわかっていても。
 やっぱり、今は聴こえない。

 例えば、地球の声とかさ。


テツガクちゃん
 そういうことですか!
 それでしたら、私にも地球の声は聴こえませんよ。

 地球が何を思っているのか、わからない。
 だけど、わからないことがわかっている。

 それはとてもステキで。
 それだけで十分なこと。
 そんな気がします。

 その気持ちのまま。
 やりたいことに向かって飛び出す。
 その方が、面白そうじゃないですか?


肯定
 たしかにね。
 その方が面白そうだね。

 そうやって、やりたい気持ちを頼りに。
 地球の様々な景色を旅する。

 そうすれば、聴こえる地球の何か。
 それが、あるのかもしれないね。
 今、この瞬間にしか聴こえない声とか。


テツガクちゃん
 そうですよ!

 無常な声を永遠に守ろうとすること。
 それは、とても大切です。
 ですが、その方法は一つとは限りません。

 博物館の展示物だけは、ほんの少し物足りないように。
 消えてしまう、その瞬間にしか出逢えない。
 そんな景色や声、風もステキです。

 それはステーキだからステキなのではなく。
 消えてしまうから、ステーキなんです。

 いつか、聴こえなくなってしまうこと。
 それが、とてもステキなんです。


 たまたま、今の私にはトタン屋根の声が聴こえましたが。
 明日の私にはわかりません。

 そして、今の肯定さんにしか聴こえない声だってあるはずです。
 私達は違うようで、違わないんですよ。


肯定
 そうだね。
 『存在と同時に存在しない』。

 聴こえたり、聴こえなくなったり。
 見えたり、見えなくなったり。
 できたり、できなくなったり。

 そういうのが『Mr.ジョーンズ』の秘密なのかもね。
 聴こえなくなっていくから。
 聴こえない声を聴こうとする姿勢を大切にする。

 そんな『Mr.ジョーンズ』になれる。 


テツガクちゃん
 きっと、そうですね。

 その秘密に出逢った瞬間の気持ち。
 それを次の誰かに。

 教えるというよりは、過未飛行機を飛ばしていく。
 過未の時空へ。 

 地球が歌いたいというのなら、好きに歌わせてあげる。
 地球が踊りたいというのなら、踊りたいようにさせてあげる。

 一度、子供という時空を歩いたあなたなら。
 好きにできる、その嬉しさ。
 きっと、わかりますよね?

 どうか、その嬉しさを忘れずに。

 聴こえない声を聴くためにも。
 秘密は秘密のまま、消えてしまう風。
 消えていくから、ステキなこともあります。

 あなたが聴いた、地球の声。
 それは、誰かに教えない方が、ステキな秘密かもしれません。
 例え、悲鳴のように聴こえたとしても。




 
 

それでは、また次の機会にお会いしましょう。








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グリフィン理論

  いつだって10月だし11月だし3月なんだ。  このグリフィンさんの教えは贈り物。  誰だってジェイソン・ボーンだしジェームズ・エドワーズ。  ロバート・アンジャーでローン・レンジャー。  そして、ネオでもある……忘れているだけで。