2020年10月21日水曜日

青い空の下、僕達はめくらになる。


 平面に等しく平等に。
 私達は、眩しいほどの青い空の真下で。
 めくらになる、『青空』のように。
 だからこそ、どんな時でも、誰が何と言っても。
 言ってやりましょう。
 今日はきっと 青空だって
 お前の今は きっと青空だって
 『青空』と『青空』から教わった合言葉を。



 
 

肯定
 平面に等しく平等に。
 僕達は、眩しいほどの青い空の真下で。
 めくらになる、『青空』のように。 

 底に、公平公正などない。
 それらは、ただの影の幻で。
 それを映す影写機と、暗闇の洞窟の銀幕がないと。
 見えない、ナイトの幻。

 そう、夜にならないとね。 
 だから、青い空の真下では……。
 
 公平だから、自分だけは大丈夫とか。
 公正だから、自分だけは大丈夫とか。

 それらの呪文は、役立たずな形容詞。
 『動詞になれない形容詞』のまま。


テツガクちゃん
 夜にならないと、ナイトになれない。
 たしかに、役立たずな形容詞のままですね。
 何も変わらない、ただの印象です。
 平面に等しく平等に。

 どこかの誰かが言いました。
 「地球は青くて丸いんだ」
 本当は、それもただの形容詞です。
 動詞になれない形容詞。

 ですが。
 眩しいほどに青い空の真下で。
 天を見上げてしまった、私達は。
 平面に等しく平等に。
 力を棄てて、めくらになりました。

 誰かの印象を表した、ただの形容詞。
 それが、全てを照らす、何かに変わってしまいました。


肯定
 めくらになってしまったね。
 
 目の前に広がる。
 果てしない三つの線。
 地平線、水平線、天平線。

 今も、それらが見えているのだろうけど。
 その先に描かれた世界を捉える力。
 それは、棄ててしまった気がする。

 だから、もう。
 真っ平らな世界は見えない。

 今、暗闇の洞窟。
 その銀幕に映るのは、同じ暗闇に浮かぶ。
 青く丸く、惑わす星。

 眠っている誰かが見た。
 暗い闇の中にあった、夢の灯。
 それに、この瞬間も照らされている。


テツガクちゃん
 そんな私達を。
 眩しいほどの青い空が照らします。
 ですが、その光が描いた光景に気づけません。

 例え、真っ平らな線が見えても。
 めくらな私達は、その光景よりも。
 知らない誰かが見た、夢の灯の光景。
 それを信じてしまうのですから。

 だから、めくらなのでしょう。
 見えているのに、見えなくなったふり。


肯定
 そうすれば、楽だからね。
 ラクダに乗れるし。

 平等なんてない。
 公平公正だけがある。
 
 そう誰かが、印象を形容詞に込めれば。
 それが、一秒ずつ確実に。
 隣の同士の動詞に変わるのさ。

 同じめくら同士、似た者同士。
 地球ですら、めくらなのかもしれない。
 何かを惑わしながら、自分も惑わされている。

 責任を背負わず。
 誰かに押し付ければ。
 ラクダも楽だから。

 ちょっぴり、ずるく。
 たちが悪い、めくらだよ。


テツガクちゃん
 楽ですからね。

 ですが、そんな私達の足掻きも虚しく。
 今、この瞬間も。
 眩しいほどの青い空が。
 平面に等しく平等に照らします。

 公平公正さを訴え。
 そこに責任を押し付けても。

 その隣で、一秒ずつ、確実に。
 何かは変わっていきます。
 平面に等しく平等に。

 それに気づいた、あなたなら。
 棄てた気がした、あの力で。
 もう一度、青い空の真下にある、あの光景に。
 出逢えることでしょう。

 その時は……。
 もう、惑わされてはなりませんよ。
 どんな時でも、誰が何と言っても、言ってやりましょう。
 
 今日はきっと 青空だって
 お前の今は きっと青空だって

 『青空』と『青空』から教わった。
 秘密の合言葉で。
 自分の目が捉えた、それを。
 形容詞に込めましょう。
 
 大丈夫です。
 それは動詞になれない、ただの形容詞ですから。 

 だからこそ。
 誰かの形容詞に惑わされ、めくらになる、その前に。
 眩しいほどの青い空の真下。
 そこで、自分が出会ったものを。
 正直に、明かしましょう。

 そうですね……。
 例えば、今の私なら。
 やっぱり、この世界は真っ平らな幻だった、と。



 

それでは、また次の機会にお会いしましょう。













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無関心は希望

 好きの反対は無関心。  そんなたわ言、誰が言ったのか知らないが。   今の私からすれば無関心は希望。  今まで気づけなかった、その未知は。  愛しの故郷、待ちきれない今は夢の今。