旅立つ、帰る

　今、寿命を迎える。

　その一つの出来事に、様々な捉え方をする。

　そこに不思議さを見た私は。

　その出来事を帰るとあらわす。

　ココから旅立つんじゃない。

　帰るべき場所へ帰るんだ。

 
テツガクちゃん
　今が寿命を迎える。
　そのことを旅立つとあらわす事があります。

　一つの出来事に。
　二つの捉え方をするのが。
　少し不思議です。

　迎えるのに、旅立つ？

　迎えるや閉じる、という終わりの捉え方。
　そして、旅立つ、という始まりの捉え方。

　私は、この『旅立つ』という捉え方。
　それが、凄く好きです。

　様々な捉え方で、出来事を見る。
　これは、とても大切なことですね。


肯定
　たしかに、様々な視点で見ることは大切だね。

　僕も『旅立つ』という捉え方が好きだよ。
　だけど、最近。
　それとは、違う捉え方が見えてきて。

　旅立つより帰る、という気持ちの影がね。


テツガクちゃん
　帰る、ですか？
　肯定さんは、どこに帰るんですか？


肯定
　さあ、どこだろうか？
　ガクちゃんが住んでいる無限の世界か。
　それとも、全く知らない世界か。

　でも、時々。
　ココは、僕の居場所じゃない気がするよ。
　嫌とかじゃなくて。

　単純に、この有限の世界は。
　僕の故郷じゃない、という感じかな。
　
　本当に、借り物の今の中にある。
　借り物の時空という感じがする。
　時々ね。

　だから、無性にどこかに帰りたくなるんだ。
　それが、寿命の果てにあるのかも、って。
　最近、思うようになってね。


テツガクちゃん
　寿命の果ての世界ですか……。
　面白そうな香りがしますね！
　そこに帰っても、私を忘れないでくださいね。
　
　是非、その面白そうな世界で。
　また冒険に出かけましょう！
　そんな時空を共感する物語。
　それを一緒に描きましょう。


肯定
　もちろん。
　僕が帰るべき場所は、ガクちゃんがいる場所だから。
　やっぱり、無限の世界のような気がするけど。
　その答えは、この借り物の寿命を過ごしてからね。
　
　寿命の終焉を迎え、遂げて、閉じる。
　そんな気持ち。
　そして、新しい始まりへ旅立ちの気持ち。
　それとは、別の帰るべき場所に帰る気持ち。

　一つの出来事。
　それを捉える気持ち次第で、全てが変わる。
　そんな魔法を誰もが持っていると思います。
　
　その視点を変える、覗き方を大切に。
　あなたは、目の前の一つの出来事に。
　どんな世界を見るのでしょうか？



　

関連の話題
『死という錯覚』
『帰るための切符』
『『あさくらさんしょ』に出会った』
『心があらわれる』
『メビウスの輪を描く人生』
『天使と悪魔』
『二つの煮詰める』
『地動説から天動説へ』
『唯一無二』
『客観的という幻想』
『今というタイムマシン』
『時間という幻』
『テツガクちゃんと肯定一覧』

それでは、また次の機会にお会いしましょう。