2021年1月10日日曜日

届かない手紙 21通目






 拝啓 


 歌う不死蝶様、無事、新年を迎える事ができました。
 今年もこうして、風にこの便りを乗せられる事が、とても嬉しいです。

 相変わらず、計画は一歩も進んでいませんが。
 それでも、やっぱり嬉しいです。
 そう素直に思える、今が、一つずつ増えた先に。
 不思議と堅物侍が様になるような。
 何かがあるような気がします。

 ちょうど、相方と今年の目標。
 掲げる旗の合言葉を決めました。
 私と相方が選んだのは……何も決めない。
 そんな決行の合言葉です。

 昨日までの一年は。
 これができたら、こうする。
 まだできていないから、これはしない。

 そんな柵の一年でした。
 その中で、私が学んだ事は。
 思うように進まない事が。
 いっぱい、あるという事でした。

 それならば、私達も何かを決めずに。
 やりたいように進んでしまおう。
 そう思えた瞬間、重たく感じた、何かが。
 凄く軽く感じる、錯覚の中にいました。
 
 きっと、最初は。
 こんな感じだったんだと。
 最近、やっと思い出しました。

 あまり、やり遂げようともせず。
 だけど、ちょっぴり。
 形になりそうな何かを探していて。
 
 いろんなものを探しながら。
 何度もダメだと思う、その奥の方で。
 不可思議な根拠なき自信が。
 終焉に辿り着く、瞬間を覗いていて。

 えっと、つまり……。
 成し遂げようと焦るより。
 成し遂げられるだろうか? と。
 疑問符にとり憑かれるくらいが、ちょうどいい。

 そんな事に気づいた、私と相方がいました。
 
 今年はそんな感じで。
 何かを決めて進もうとせず。
 やりたいままに、やりたいように進んでいけるように。
 何も決めない、という決行の合言葉と共に。

 歌う不死蝶さんへの気持ちを過未飛行機に変えたり。
 相方と過ごす、『中間色の事件簿便り』や『中間色の想い出は青い春の帰り道』。
 ちょっとした空想旅行に、いつもの『テツガクちゃんと肯定』。

 その時、一番やりたい事を。
 やりたいようにやります。

 もちろん、この便りも。
 風に乗せたい時に乗せられるように。
 変なプライドで、遠慮なんかしません。
 無様でも乗せたい時は乗せます。

 明かしたい事が山のようにありますから。
 次回こそは、私が出逢っていた。
 随分と贅沢な物語と音楽を明かせたら、と。
 楽しみにしています。

 今年もどうかよろしくお願いします。
 私達には、歌う不死蝶さんの歌が必要ですから。




それでは、また次のお手紙でお会いしましょう。


 敬具 


 歌う不死蝶様と共に未来の夢を見る一人より

 





 


 


 



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砂漠でアマゾンを探している

 多くの人は砂漠でオアシスを探している。  平和ってオアシスを信じて、求めて彷徨う。   隣にアマゾンがあっても、砂漠の中で探す。  今、本当に欲しいもの、ITを忘れかけながら。  砂漠のオアシスなのか、豊かな水源があるアマゾンなのか。