テツガクちゃん
最近、肯定さんはよく「世界の果てを探す」と言いますが、どうして果てを探したいんですか？
肯定
なぜって、『世界の果て』はないからだよ。
だって、地球は丸いんだよ？ 結局、どれだけ地球を旅しても果てなどなく、またスタート地点に戻ってしまう。
だからこそ、人は『世界の果て』を知りたいと思うんだよ。
これが僕なりの『なぜ生きるのか？』の答えだよ。
テツガクちゃん
えぇ……。そういうものですか？
私はあまり『世界の果て』に興味がないのですが……。
これが『なぜ生きるのか？』の答えですか？ イマイチ、想像していた答えと違う感じです……。
ですが、肯定さんが私と『世界の果て』を知りたいのなら、それに付き合うしかないですね。
肯定
恐れ入ります。
まあ、これは僕なりの答えだから。テツガクちゃんは自分の答えを探すといいよ。
あっ、そうだ。『諦めたらそこで試合終了。では……』の話で、僕は『人生は永遠に終わらないゲーム』と言ったよね？
その一つがこれなんだよ。
人生（少なくとも僕の人生）は『世界の果て』を探す旅なんだよ。
しかし、世界の果てなどない。だから旅は永遠に終わらない。終わらせることは出来るけど。
ポルノグラフィティの『アゲハ蝶』という曲の歌詞にもあるよね。
テツガクちゃん
それで、『人生は永遠に終わらない』と考えたわけですね。
もし、人生が『世界の果てを探す旅』なら、たしかに終わらない旅かもしれませんね。
なぜなら『地球は丸いから』ですよね？
ですが、『自分（寿命）の果て』が着てしまいますよ？
肯定
鋭いね。『自分（寿命）の果て』については、次の機会にしたいんだけどいいかな？
そうでないと長くなってしまうから。
テツガクちゃん
わかりました。
ですが、本当に『世界の果て』はないのですか？
『地球は丸いからない』というのはわかりますが……なにか違うよな？
肯定
では、もし地球という『世界の果て』を探すとしたらどうする？
あなたは『エンド・ライフ号』という船の船長です。
どこを探せば『世界（地球）の果て』があると思う？
テツガクちゃん
うーん……。そのまま航海しても、またスタート地点に戻ってしまいますよね。
…………。
……あっ、わかりました!! 上です。上を探します。
肯定
正解!! そう遥か上空。宇宙に出れば、地球という世界を出て、宇宙という『新たな世界』に出られる。
無事、『世界（地球）の果て』を見つけ、そこを越えたね。
さて、ここからが問題なんだよ。
次の『世界（宇宙）の果て』はどこにある？
テツガクちゃん
えぇ……次ですか？ やっぱり、上……？
でも、宇宙の上は、どこですかね？
肯定
僕も宇宙の上は分からないよ～。
だから、『宇宙の果て』はどこにあるのか？ それは僕にも見当がつかない。
でも、問題はそこじゃないんだよ。
仮に宇宙の果てがあって、その先にまた『新しい世界』がある。では、どこまでそれを繰り返すのか？
本当の意味での『マクロな世界の果て』はあるのか？ と訊かれたら、今の僕はない、と答える。
ミクロな世界の果てはあるけど、マクロな世界の果てはない。
不思議な話だけど、そうじゃないと世界は退屈なものになってしまう。わかるかな？
テツガクちゃん
それはわかります。
新しい世界がなくなってしまうと退屈ですからね。
あっ、こんな例えはどうですか？
ゲーム機には、『限界』というそのゲーム機の果てはある。
でも、『次世代機』という『新しい世界』がある。
その次世代機が出る可能性に果てはない。
肯定
それ素晴らしいね!!
あっ、冒頭で『地球は丸いから果てはない』と言ったけど、それ以外にも『新しい世界』がないと退屈になってしまうから、「世界に果てはない」と言ったんだよ。
でも、ミクロな世界の果てはある。それをたくさん探すことで、マクロな世界の果てを探すことが出来るかもしれない。
ミクロな世界の果てを探し続け、新しいマクロな世界をたくさん探し続ける。
それが人生で、その旅は永遠に終わらない。そうであって欲しい、と僕は思うよ。
テツガクちゃん
肯定さんが『なぜ生きるのか？』の答えに『世界の果て』を知りたいから、と答えた理由がわかりました。
私も『世界の果て』をたくさん知りたくなりました。
肯定
じゃあ、キャプテン・テツガクちゃん。『エンド・ライフ号』の舵取りをお願いできるかな？ 僕が雑用をこなすから。
だから、僕を『世界の果て』へ連れて行って。
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それでは、また次の機会にお会いしましょう。
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