肯定
テツガクちゃん、「見たこと、聞いたことの半分は信じるな」ということわざを知っているかな?
テツガクちゃん
いえ、今初めて知りました。
突然、どうしたのですか?
肯定
最近、キャプテン・ジャック・スパロウの名言を探すために『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズを観たんだよ。
僕が探していた言葉は4つ。
「自分自身と仲良くすれば、決して孤独にならない」
「遅れても、何もしないよりはまし」
「未来を怖れることは、すなわち現在の浪費である」
「早ね早起きは人を健康で金持ちに、そして賢くする」
『ジャック・スパロウ 名言』とネットで検索して、この4つが気になって、必死で1~4作の中を探したんだよ。
テツガクちゃん
それで見つかりましたか?
肯定
いや、それが……。
たぶんだけど、この4つの台詞はおそらくないと思う。
もしかしたら、字幕でそういう台詞があったかもしれないし、小説とか映画以外のコンテンツであったのかもしれない。
でも、映画の吹き替えで、この4つの台詞はおそらくない。
あっ、これは確かな台詞だよ。
「どこへでも気の向くまま、舵の向くまま。船ってもんは船体と甲板と帆だけじゃない。船が象徴するもの……ブラックパールが象徴するものは――“自由”だ」(呪われた海賊から無人島でエリザベスとの会話)
「人間はその存在のすべてで命の謎を感じ取る。それに俺の名は永遠だ。“生命の泉の発見者”寿命は天に任せ、俺は一生海賊暮らしだ。お分かり?」(生命の泉のラストでギブスとの会話)
テツガクちゃん
あっ、それで「見たこと、聞いたことの半分は信じるな」ということですね。
ネットで知った4つの言葉が、実はキャプテン・ジャック・スパロウの台詞ではないのかもしれない、と気づいた。
でも、なぜ違うと気づいたのですか?
ただの見落としかもしれませんし、5作目の『最後の海賊』の台詞かもしれませんよ?
肯定
実は、この4つの言葉はことわざらしいんだよ。
それをそのまま台詞にするとは、ちょっと考えにくい、と思う。
ただ、上手いことに作品と、そのことわざがあっているんだよね。
一つ目の「自分自身と仲良くすれば、決して孤独にならない」ということわざは、『ワールド・エンド』で、デイヴィ・ジョーンズの墓場の中にいたキャプテン・スパロウの心境にぴったり。
二つ目の「遅れても、何もしないよりはまし」は、『デッドマンズ・チェスト』で一度逃げた彼が船に戻った時に言いそう。
三つ目の「未来を怖れることは、すなわち現在の浪費である」はウィルや黒髭に言いそうなんだよね……。
そんな感じで、どれもキャプテン・ジャック・スパロウが言いそうな台詞だったから、本当に言っていたかもしれない、と思ったんだよ。
ただ、何度調べても、それを言いそうなシーンでそれはなかったし、全体でもなかったと思う……僕が確認した限りは。
テツガクちゃん
それはそれは、お疲れ様です。
でも、よかったじゃないですか。
肯定さんの中では、4つの名言は彼の台詞ではない、とわかったのですから。
たしかに、ことわざをそのまま台詞にするとは考えにくいですし、それを言いそうなシーンでもなかったのなら、きっとないんですよ。
肯定
そうだね。ありがとう。
でもさ、僕達のこれ自体が「見たこと聞いたことの半分は信じるな」というやつなんだよね。
もしかしたら、僕のただの見落としで、本当はその台詞があったかもしれないし、小説や他のコンテンツではあるかもしれない。
ただ今回の件で、自分で確認するまでは、見たことや聞いたことは確定させない方がいい、ということを学んだよ。
そして、『最も遠い道のりが、一番の近道である』というのも実感できたかな。
徹底的に1~4作目を見るという遠回りをしたお蔭で、僕の中では『あの4つの台詞はない』という答えを得られた。
もし、近道をしようとして気になるシーンだけを観たら、他のシーンはどうだろう、とモヤモヤしただろうからね。
そう考えれば、『最も遠い道のりが、一番の近道である』という言葉の意味が少しわかる。
本当にいい経験だったよ。
テツガクちゃん
疲れたと思いますが、よかったですね。
今回の件で様々なモノを得ましたね。
まず、4つの言葉はことわざで映画には出ていない、という自分の中の答え。
それと『最も遠い道のりが、一番の近道である』ということを実感できる経験。
それから、私も面白いことわざを勉強できました。
「行動なしには何も得られない」
「最初の一歩はいつでも最も大変なものだ」
「結婚前には両目を開いてよく見よ、結婚後は片目を閉じよ」
「友は得難く失いやすし」
「何も賭けなければ何も得られない」
「誰もが、自分自身の運命の建設者」
「井戸が枯れるまで、水の大切さに気付かない」
「道に迷うよりも、道を尋ねる方が良い」
などなど、いい経験をありがとうございます。
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それでは、また次の機会にお会いしましょう。
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