2017年10月20日金曜日
お勧め映画 第31回目『バーティカル・リミット』
個人的お勧め映画。
今回は『バーティカル・リミット』です。
映画の簡単な内容です。
ギャレット一家はロッククライミングを楽しんでいたが、転落事故に巻き込まれてしまう。
命綱一本で三人を支えるが、それも限界だった。
そこで父ロイスは息子ピーターにロープを自分とこで切るよう指示する。
ピーターは「それはできない」と反論し、妹アニーも反対した。
しかし、ロイスはこのままではアニーも死んでしまう。だから自分の所で切るように諭す。
そして、ロープは切られた……。ピーターにとっては苦渋の決断だった。
それから時が経ち、アニーは立派な登山家になり、エリオット・ヴォーンという大富豪が企画するK2登山チームのメンバーになった。
ピーターも自然写真家としての仕事でK2に来た。
そこで、久しぶりの兄妹の再開を果たした。
その後、チームは登頂へ向かうが、悪天候に巻き込まれチームはバラバラ。アニーとヴォーン、トムの三人はクレパスに落下。
アニー達はなんとかベースキャンプと連絡を取り状況伝え、ベースキャンプのピーター達は救助の準備を始める。
高地のため、高山病による高地肺水腫で死んでしまう前に探し出さないといけない。救助までの猶予は36時間しかない。
人間のバーティカル・リミット(限界高度)で救助チームとそれを支える人達、そして救助を待つ人達の物語。
という感じの内容です。
個人的お勧めポイント
1、辛い過去を持つピーターに重なる災難
2、恐れ知らずで癖のある救助チームのメンバー
3、クレパスで救助を待つ人達
1、辛い過去を持つピーターに重なる災難
冒頭のシーンでもピーターはロイスとアニーの間に挟まれ、ロープを切るという決断を下しました。
本当はロープを切りたくはなかったと思いますが、ロイスの「このままだとアニーも死ぬぞ」の言葉に諭され切りました。
そのアニーが今度はK2で遭難……ピーターはアニーの無事を信じ行動しますが、山を知り尽くしているウィックからは「山では死にかけているという言葉はない。死んだ、だ」と言われます。
ですが、その言葉で諦めるわけもなく、捜索チームとして現場へ向かいます。
当然と言えば当然かもしれませんが、ピーターからは他の人にはない、何かに取り付かれたかのような必死さを感じます。
それを原動力に過酷なK2での捜索活動に向かいます。
2、恐れ知らずで癖のある救助チームのメンバー
ピーターだけでは捜索はできません。他に6人のメンバーが救助に参加してくれます。
救助チームは氷を砕くためにニトロを背負って山を登ることになります。このニトロはちょっとした衝撃で大爆発してしまいます。
そんな危険な仕事を受けてくれるメンバーは、ただ者ではありません。
山を知り尽くしたウィック、危ない感じがするベンチ兄弟、仲間の無事を信じるカリーム、登山経験がないモニク。
特にウィックの存在感は他のメンバーとは全く違います。
彼は救助を待つヴォーンと因縁があるようで、彼には救助とは別の目的があるようです。
軽口を叩いてばかりのベンチ兄弟は、誰も参加したがらない救助に自ら参加してくれる恐れ知らずで、粋な兄弟です。
カリームは連絡が取れない他の仲間の無事を信じ参加します。
そして、モニカは唯一他のメンバーと違い登山経験がない女性です。少しミステリアスですね。
メンバーの参加理由はいろいろですが、みんな同じ目的を目指しK2へ向かいます。そこが魅力です。
3、クレパスで救助を待つ人達
捜索メンバーとは別で、捜索を待つ人間模様がこの映画の魅力の一つです。
トニーは怪我をしていて体が弱っています。
そして、標高が高いところでは、水を飲まないと肺に水が溜まり肺水腫になってしまう。
水は雪を解かして作りますが、溶かせる燃料も限りがあり、その後は薬で炎症を抑える。その薬にも限りがあります。
燃料と薬の残りから自分達が生きられるのは36時間程だ、とヴォーンを考えます。
でも、トニーに薬を与えなければ……とヴォーンは考えます。もちろんアニーはそれに猛反対します。
この流れを見るとヴォーンが最低に思えますが、一概に彼が悪いとも言えません。
ヴォーンは状況を把握し、自分達が生きれる時間を計算し薬を使うタイミングも計算しました。
しかし、トニーは怪我のため、ヴォーンのスケジュールより早く薬を使わないといけません。
アニーは迷わず使おうとしますが、これはとても危険な行為と言えるでしょう。
トムに薬を使うことを止められたアニーは、トムに生き残る可能性が低い事を直接言うようヴォーンを煽ります。
そして、ヴォーンがそれをトムに伝えようとすると、アニーはそれを辞めさせようとしますが、ヴォーンは「彼には知る権利がある」と言い、トムに状況を説明します。
仮に薬を使って、救助チームが来ても、怪我の状態から山を降りることは不可能だ、ということを伝えます。
こうなるとアニーの言い分もヴォーンの言い分も理解できます。
ヴォーンは生き残る可能性を限りなく高めることを考え、アニーは3人で助かる方法を考えています。
どちらが正しいとは一概に言えない、と思わせてくれます。
……ただ、ベースキャンプから嵐が来てるから、早く下山するように忠告を受けたのに無視したのはヴォーンなのですが……。
最後に
ピーターのアニーを絶対に助けると言う強い意志と、救助に参加してくれたクセが強く勇敢なメンバー達の勇姿。
その中でもヴォーンに個人的な因縁があり、山で何かを探しているウィックの動向。
そして、クレパスで救助を待つ3人の人間模様。
助かる可能性を上げるか、それとも3人で助かるか? という葛藤などが見所です。
この映画で標高が高いところでは肺水腫に気をつけないといけない、ということを知りました。
山の恐ろしさがわかる映画で、ウィックの台詞にあるように山では『死にかけているなどなく、あるのは死んだという結果だけ』という部分が現れています。
登山する時は、万全の準備と天候に気をつけた方がいいですね。
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