自分にとっての普通は、人にとっての特別です。
そして、その特別な力を魔法と呼ぶのなら、普通は魔法だと思います!
人は誰しも魔法使いです。ただ、その事実を隠そうとする、大きな魔力の魔法があるようです。
そうです。『重力の定め』という呪いに近い魔法です。
テツガクちゃん
肯定さん、『有限と同時に無限の物語』の魚座・相談編で、私が魔法を使ったと言いましたよね?
ですが、私から見ると、どうしても物語の中の肯定さんの方が、魔法使いだったのですが……。
私、何も特別なことしていませんよ?
肯定
テツガクちゃんにとって、魔法は特別な存在みたいだからね。
前もこういう話題があったね。
そう、『有限と同時に無限の物語』の13章蛇遣座・解説編でも言ったけど、普通がそもそも特別なんだよ。
普通ってね。全然、普通じゃないんだよ。
テツガクちゃん
そうですか!?
普通は普通だと思うんですけど……。
肯定
それなんだよ。
テツガクちゃんにとって、『どうしてだろう?』と考えるのは『普通』のことだよね。
でも、みんながみんな『どうしてだろう?』と考えるとは限らないんだよ。
だから、テツガクちゃんのそれは『特別』なんだよ。
もちろん、誰だって『どうしてだろう?』という思考は持っている。
でも、それをどこで使うかは人それぞれ。
みんな同じ思考を持っているけど、その使いどころはみんな違う。
『同じだけど違う』という形が、『普通だけど特別』という状態を生み出すんだよ。
テツガクちゃん
『同じだけど違う』というのは分かります!
みんな同じ思考を持っていても、使い道はそれぞれ違う。
そこから、普通が特別に変わるのは驚きです!
肯定
そうだなあ……。
みんなで旅行に出かけた後、その思い出を絵、歌、物語、とそれぞれ違う形で表現したとしてね。
きっと絵を描いた人には、歌や物語を創った人が特別に見えると思うんだよ。
だけど、他の人には絵を描いた人が特別に見える。
自分がしたことは当たり前の普通で、他人のしたことは特別に見えてしまう。
でも、それは相手も同じ。
お互いが、お互いの普通を特別に感じている、という感じだと思うんだよ。
テツガクちゃん
なるほど! そういうことですか!
それってなんかいいですね!
お互いが、お互いを特別、と思える関係って素敵です!
肯定
だよね。
僕もテツガクちゃんのことを凄く特別だと思っているよ。
テツガクちゃん
もちろん、私も肯定さんは特別ですよ!
自分にとって普通でも、相手には特別。
そういう意味では、普通は『存在と同時に存在しない』のかもしれませんね!
『普通と同時に特別である』という感じで。
肯定
そうだね。
そして、それが魔法を生み出す。
自分では魔法と気づけない、魔法を。
テツガクちゃん
そうですね。
自分では気づけない特別な力というのは、とても不思議な力です。
それはもう、魔法と呼んでいいのかもしれません!
誰もが持っている同じ思考をどうやって使うか。
それによって切り開かれる道はそれぞれ違う。
その無限の可能性はもう魔法ですよね!
肯定
その通り。
あっ、少し付け加えると、『魔法なんてないと思って、信じられないこと』。
それがもう魔法なんですよ。
なぜか、『自分が既に魔力を持っていて、魔法を使える事実を拒絶したくなる』という大きな魔力の魔法があるみたいです。
だって、あってもいいじゃないですか? 魔法。
イメージとは違う魔法がある、と認めてもいいじゃないですか?
でも、なぜか、そんなものはない、と言いたくなる。
それは、もはや大きな魔法。
目には見えないものを信じられないという魔法。
魔法は存在しない、という普通の考えは、凄く特別な考えで、それは魔法である。
なぜなら、既に持っている魔法の力を『存在しない』と信じさせるのだから。
それは、偉大な『重力の定め』という大きな魔法。
それでは、また次の機会にお会いしましょう。
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