人生は『パンくず』を拾う旅に似ています。
様々な人が落したパンくずの中から、自分が気になるパンくずを拾い進む。
その先に何があるのか、旅の終着点はどうなっているのか。それはちょっとしたミステリーです。このミステリーが終わらないことを含めて。
肯定
テツガクちゃん、気づいてしまいました!
人生は『パンくずを拾いながら進む旅』に似ていることに。
テツガクちゃん
肯定さん、それは私の挨拶の台詞です!
ですが、使っていただけるのは嬉しいので、とがめませんが……。
ただ、もう一度、それは私の『挨拶の台詞』ですから。
その役目は譲りませんよ。
それで、パンくずを拾いながら進む旅ですか?
ヘンゼルとグレーテルのお話みたいですね。
その旅の終着点はお菓子の家ですか?
肯定
お菓子の家だったらいいよね~。
ただ、どこに辿り着くかはわからない。
だって、そのパンくずの落し主は一人じゃないから。
様々な人が落したパンくずの中から、光り輝くやつを拾いながら進む感じ。
どこへ辿り着くかわからない。
落した主の元へさえ、行けないかもしれない。
テツガクちゃん
予想ができない旅ですね!
そもそも、人生そのものが全く予想がつかない物語ですからね。
人生予報士さんの予報は全く当たりません。
そんな物語の中で、たしかなモノの一つは、誰かが落した『パンくず』かもしれませんね。
ところで、どうして『パンくず』を拾う旅、と思ったのですか?
羅針盤を頼りにする旅でもいいじゃないですか?
肯定
もちろん、羅針盤も使うよ。
ただ最近、物語を創ったり絵を描いたりしながら、無意識に誰かの影響を受けていることに気づいてね。
ブルーハーツ、パイレーツ・オブ・カリビアン、銀河鉄道999などなど、数えきれないくらい。
それに自覚していない作品もあると思う。
自分では頭を悩ませ、考えぬいて創った物語のはずが、振り返ると誰かの影響を凄く受けていることが多くてね。
その姿が、『パンくず』を拾いながら旅をする旅人のように思えたんだよ。
テツガクちゃん
なるほど!
たしかに、『この人の影響を受けて創る!』という感じではなく、いろんな人の影響を受けながら何かを創りあげる姿は、様々な人が落した『パンくず』を拾いながら進む、というのがピッタリですね!
それなら、その先に何が待っているのかわかりません。
ちょっとしたミステリーですね。
先に何が待っているのか。そう考えると凄くワクワクしませんか?
肯定
そうだね!
お菓子の家か、ステーキハウスか、ドブネズミのレストランか。
どこに行き着くか、凄く楽しみだね!
そういう意味では、『パンくずを拾いながら進む旅』というのもいいな、と思っているんだよね。
それにさ、僕達の歩みの痕跡が、いつか誰かに拾われる『パンくず』になるかもしれないじゃない?
誰かが落したパンくずを拾っている僕達。
その僕達が落したパンくずが誰かに拾われるかもしれない。
そういうのを繰り返していく旅ってなんかいいな、と思ったり。
テツガクちゃん
そうですね! そんな旅もいいですね!
誰かの痕跡を辿る人がいて、その人の痕跡を辿る人もいて、そうやって旅が続いてく。
落し物を拾いながら、自分も何かを落していく。
『捨てる神あれば、拾う神あり』といいますよね。
この場合、『拾うものあれば、勝手に落ちていくものあり』という感じですが。
肯定
面白いことを言いますね。
そんなテツガクちゃんに影響を受け、挨拶を真似した僕がいて、その僕に影響されるテツガクちゃんがいて、きっとそんな感じだよね。
人は無意識に誰かの痕跡を追っていて、それが新しい痕跡として残り、それが続いていく。
その旅の終着点で何を見るのか。
唯一の手がかりは、残された無数の『パンくず』という痕跡だけ。
きっと、どの痕跡を選んでも、終着点へ辿り着ける。
そんな痕跡という記憶の断片が、永遠に守られるといいよね。
だから、あなたも誰かの痕跡を探し、あなたの痕跡を残しましょう! 未来の旅人のために!
それでは、また次の機会にお会いしましょう。
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