2019年2月15日金曜日

面白いは幻


 人として、『面白い』ものを創りたくなる気持ちは大切です。
 しかし、残念なことに『面白さ』は幻です。
 そんな幻は創ったり、誰かに見せる時より、夢中で追いかけている時が一番輝いているようです。 








肯定
 テツガクちゃん、『面白い』って幻を知っているかな?


テツガクちゃん
 面が白い……たしかに、そんな顔の人を見てみたいとは思います。
 そういう幻ですか?


肯定
 いや、そういうのではないかも……。
 でも、面白い考えだね!
 
 面が白い、ね。


テツガクちゃん
 そうですか?
 面白い、面が白い、ということではないのですか!?


肯定
 いや、きっとそうだよ!
 僕がそれを忘れていたもので、それを思い出させてくれたから面白い、と思って。

 そう、これが面白い、という幻さ。


 ガクちゃんにとっては、当たり前の考えで面白くもないことかもしれない。
 でも、僕にとってそれは特別で、面白いものだった。


テツガクちゃん
 そういうことですか!
 たしかに、幻ですね!

 面白いということは、自分ではわからないことかもしれませんね。


肯定
 そうなんだよ!
 自分が面白い、と思っていることと、他人の面白いは全く違う。
 人それぞれ違う面白いがあるから、面白くて。

 オンリーワンでナンバーワンの面白さ。

 オンリーワンだから、他人に理解されなくてもいい。
 ナンバーワンだから、それを誇り、大切にする。

 そんな『存在と同時に存在しない』幻が、面白さだと思うんだよ。


テツガクちゃん
 では、私もオンリーワンでナンバーワンですか!?


肯定
 もちろんだよ。
 辞書に書く必要がないくらい、当たり前のことだよ。

 物語を描いたり、何かを創ったり、誰かに知って欲しい、という気持ちは誰にも止められない。


 だから、『面白い』という余計な荷物は棄てていく。
 その方が、遠くへ行けそうな気がするから。


テツガクちゃん
 そうですね。

 自分にだけ見える『面白さ』。
 それを無我夢中で追いかける。無霧の中。
 誰からも賞賛されない、誰からも共感されない、誰からも関心が向けられない。
 そんな無の霧の中で、自分にだけ見える『面白さ』という幻、それを追う。

 とてもステーキな物語ですよね!

 あっ、ステキな物語です。 


肯定
 そうそう、そんなステーキな物語を大切にね!
 
 他人には見えない何かを必死で追う。
 そんな主人公の姿が、他人にとっては面白かったり。
 
 面白さ、ってそんな幻で。
 面白いものは、それを創ろうとして出来るものではないのかもしれません。
 もし、あるのなら是非教えていただきたいです!

 それから、『面白さ』を共感してもらおうと広げることは、『正義』と似ている気がします。


 正義は自分が正義だと思って行うと、正義の形を失っていきます。
 他人が勝手に正義と思うものだと思います。
 
 そんな幻です。

 幻を見て創るより、夢中で創ったものに幻が宿るのかもしれません。
 当たり前という普通の中にある特別のように。


 
 
  

それでは、また次の機会にお会いしましょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿

無関心は希望

 好きの反対は無関心。  そんなたわ言、誰が言ったのか知らないが。   今の私からすれば無関心は希望。  今まで気づけなかった、その未知は。  愛しの故郷、待ちきれない今は夢の今。