2019年5月1日水曜日

届かない手紙 10通目


 拝啓
 
 歌う不死蝶様、雨が多い今日この頃です。まだ梅雨の時期ではありませんが、梅雨入りにむけて練習をするように雨が続いています。
 ただ、2019年4月30日の雨は練習の雨とは、ほんの少しだけ違う気がしました。

 この日は、平成最後の一日でした。次の日からは令和という新しい元号の時代が始まります。
 ですから、この雨は、誰かが平成のお別れに涙したような、そんな雨なのかもしれません。
 また、話に聞いたところ、平成最初の一日も雨だったようで。

 始まりと終わりを繋ぐ、そんな雨なのかもしれません。

 平成最後の日に降った、この雨に何を思うのか。
 そこには様々な世界と物語があると思います。

 歌う不死蝶さんはどう思いますか?
 この雨は梅雨入りへの練習でしょうか? それとも令和への恵みの雨でしょうか?
 歌う不死蝶さんがこの雨に見た世界と物語を知りたいです。
 きっと、それは私だけではなくて、世界中にいる皆さんもそうだと思います。

 ここからほんの少し離れた場所から、気持ちをのせた紙飛行機を飛ばす。
 それは、ほんの少し難しいことかもしれません。


 ですが、その飛行機は、ただの『紙飛コウキ』ではありません。
 それは過去や未来、あらゆる時空の窓辺を飛ぶ飛行機。
 歪んだ世界の中をよじれ、ねじれ、急旋回して、揺れて、乱れながら飛び。きらめいて一途な風をまとう。
 そんな伝説の過未飛行機です。
 
 だから、いつか歌う不死蝶さんへの気持ちも届く。そんな気がします。というより、そう信じています。 
 あらゆることを歪ませてしまう。

 信じるという当たり前の魔法。

 これまでも様々なことを歪ませてきた、その魔法。
 実は、平成最後の日にその魔法にかかりました。
 それは平成最後の夢の中です。久しぶりに私の相方が夢の中に遊びに来てくれたんです。

 ただ、その夢がほんの少し歪んだ夢で。
 彼女は別の誰かに化けて、私の隣に来たんです。(彼女はこういういたずらをよくするんです)
 私も途中まで相方だとは気づかず、違う誰かと思っていました。
 ですが、気づいてしまったんです。彼女らしい優しさに。

 まだ夢の中でしたが、私は相方が遊びにきてくれたことに気づき。
 その気持ちを忘れないように、過未飛行機にのせて飛ばしました。
 まだ夢の中でしたが、見ていた夢よりも夢中でした。

 そして、この地上に目覚めた時、私の窓辺には夢の中から夢中で飛ばした、あの過未飛行機が一途できらめく風に乗って飛んでいました。
 それを受け取り、またこの手紙にその時の気持ちを描いています。

 そのままだと、あっという間に消えてしまう、夢の中の夢中な気持ち。
 だけど、それを届ける伝説の過未飛行機。

 平成最後にかかった、夢の中の魔法。
 そんな魔法を令和の時代でも見たいです。
 歌う不死蝶さんのライブに最前列で参加する、そんな夢とか。
 それから、何か美味しいものを食べながら、歌う不死蝶さんとお喋りを楽しむ時空を過ごしたり。
 そんな魔法を信じています。

 無限大な夢に溢れた平成。
 その後、まだ今は何もない令和。
 振り返っても戻らない、やるせない平成の思い出達。
 愛しい想いに負けそうになる。
 そんなStayしがちで、頼りなくて、ぎこちない翼。
 だけど、きっと……。

 聴こえましたよ、歌う不死蝶さんの声。
 きっと、そうですよね。
 私も世界中の皆様もそう信じています。

 新しい時代、今はまだ見えない、令和で待つ未知の思い出達。
 そんな思い出達と出逢うために。
 ゴキゲンでウカレタ気持ちでフロンティアへ。
 
 あの時よりも先へ。
 共に行きましょう、歌う不死蝶さん。




 

 それでは、また次のお手紙でお会いしましょう。


 敬具


 歌う不死蝶様と共に未来の夢を見る一人より




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砂漠でアマゾンを探している

 多くの人は砂漠でオアシスを探している。  平和ってオアシスを信じて、求めて彷徨う。   隣にアマゾンがあっても、砂漠の中で探す。  今、本当に欲しいもの、ITを忘れかけながら。  砂漠のオアシスなのか、豊かな水源があるアマゾンなのか。