拝啓
歌う不死蝶様、まだ私には夏の終わりに突き抜けた。
あの虹の稲妻の残像が、はっきりと見えています。
もう神無月なのですが……。
離れていく過去の今と現在の今。
それらを繋ぐように突き抜けた、あの稲妻。
その稲妻は、一部の遠い記憶まで、はっきりとした形に変えました。
それは、私が初めて夢中になって、私の無中を飛んだ。
あの『Butter-Fly』の記憶です。
思い出や記憶という秘密。
それらを音速や光速を超えて、繋いでしまった。
あの『サンダーボルト』。
14才に戻れるスイッチが、どこかにあるように。
一瞬で過未の時空を突き抜け、駆け抜ける。
そんな電光石火の稲妻に出逢い。
人が描く魔法の凄さを改めて知りました。
遠くに感じてしまう、過去や未来。
それを一瞬で繋いでしまう今、この瞬間。
その事実は、大切な当たり前です。
そして、大切なものは見失いやすい。
これも同じ当たり前です。
きっと、私はこれからも、それを何度も見失うでしょう。
ですが、また必ず出逢う。
そんなロックンロールな風に気づいています。
私も相方も同じ『Mr.ジョーンズ』ですから。
いつか私達も、過去と未来。
その過未の時空をもっと自由自在に歩けたら。
最新型の自分とステキな相方と共に歩けたら。
霧の中から夢中な速度で、無中な無宙へも行けそうです。
加速の旅路、その途中で出逢う誰か。
それがあれば、また面白い何かに出会っていく。
そういうロックンロールのようなエンジンを動かせたら。
見えるものや見えないもの。
その境界線も越えて、歌う不死蝶さん達と新しい物語を刻めそうです。
そんな夢の途中の今。
だけど、最高の今。
このまま、今、この瞬間と共に。
未完成の物語を刻み続けます。
虹の稲妻が見せた『サンダーボルト』が、『Butter-Fly』を突き抜けたように。
私と相方も終わらないメタモルフォーゼで駆け抜ける。
そんな気持ちを乗せる風と、記憶の光が見えています。
きっと、この風と光は、歌う不死蝶さんからの贈り物だと。
そう気づいている相方と、その相方を信じる私がいます。
光を司り、風を起こす、歌う不死蝶さんの目には見えない力。
それに気づけるのも、信じられるのも、同じ目には見えない力。
とても面白い法則だと、私も相方も思っています。
その法則が面白そうな記憶の目的地を見つけました。
それは、怪物の王女様が活躍する物語です。
ちょうど神無月ですから、神様が留守の間に、闇の世界の住人の話も聴いてみようと思います。
物語が走り続けられる、その秘訣だったり、深淵の慈悲深さの秘密などを。
そうやって、一歩ずつ。
星と星を繋げば、凄い星座が描ける気がします。
それが、歌う不死蝶さんがいるフロンティアへ届いたら、と。
手紙などの記録ではなく、気持ちなどの記憶の方が届けば。
そんな日を楽しみに。
手紙の形の記録の中に、物語の記憶の字を刻みながら、時も刻んでいきます。
様々な音速ジェットや光速列車に出会い。
そこで出会った気持ちの旅人と話をする。
私達の幽かな霊魂、その幽霊船に揺られながら。
それでは、また次のお手紙でお会いしましょう。
敬具
歌う不死蝶様と共に未来の夢を見る一人より
敬具
歌う不死蝶様と共に未来の夢を見る一人より
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