2019年10月29日火曜日

慈悲深い……


 慈悲深いのは、きっと悪魔でしょう。
 一方、無関心で無慈悲で無教養、無邪気なのが神様でしょう。
 その神様の居場所は、明かさない方がいい事件です。 







テツガクちゃん
 慈悲深いのは神様でしょうか?
 それとも――。


肯定
 きっと、悪魔だろうね。


テツガクちゃん
 悪魔ですか!


 ですが、どちらかと言うと……。
 慈悲からは遠く、無慈悲に近い印象のような気がします。


肯定
 そうかもしれないね。
 そういう印象もステキだよ。

 ただ、悪魔は支配者だからね。
 何かを支配するのが得意なんだよ。

 情けやあわれみ。
 それらも例外ではない。
 
 欲情で大罪すら操る。


テツガクちゃん
 欲情で大罪をも操るのですか!

 たしかに、欲する情けで欲情ですからね。
 情けを欲する、そのあわれみを知り尽くしているのかもしれません。


肯定
 知り尽くしているのか、それはわからない。
 だけど、悪魔にとって、それは当たり前なんだ。
 何かを支配するのはね。

 ほら、僕だってね。

 一方、神様や天は、よくも悪くも何もない。
 無関心で無慈悲で無教養、無邪気なんだろう。

 関心が欲を呼び込み。
 慈悲が情を呼び込む。
 教養がしがらみを作り。
 邪気に満ちていく。

 もう、そういうのにうんざりなんだろうね。
 だから、『ム』の世界へ行ったのさ。
 
 それが霧なのか、夢なのか、無なのか。
 その所在は明かさない方がいい事件。
 
 そんな気持ちの景色。
 ガクちゃんにも見えるかな?
 僕が支配した、幻の影が。


テツガクちゃん
 もちろんです!
 私にも見えました、その景色!

 明かせず、迷宮入りしてしまう事件。
 そういう事件も必要です。
 
 全てが明るく白い世界。
 それは、あまり面白くありませんから。
 迷宮という闇も必要ですね。
 全てを許せるような、慈悲深い闇も。

 私も怪物の女王様のように。
 慈悲深くありたいです。
 『ふふん』と言ってみたりして。

 あなたはどちらですか?
 慈悲深い、闇の世界の悪魔悪霊ですか?
 それとも、無慈悲な天の世界の聖人君子ですか?









それでは、また次の機会にお会いしましょう。






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無関心は希望

 好きの反対は無関心。  そんなたわ言、誰が言ったのか知らないが。   今の私からすれば無関心は希望。  今まで気づけなかった、その未知は。  愛しの故郷、待ちきれない今は夢の今。