今年も残り一ヶ月ほど。
目の前に残された、その一ヶ月。
そこで何を見るか、それは一つとは限らないようです。
テツガクちゃん
気づいてしまいました! 私!
一ヶ月、同じ一ヶ月でも。
そこには、一つとは限らない一ヶ月があることに。
肯定
そうなの?
一ヶ月は一ヶ月じゃない?
テツガクちゃん
それでは、今年の二月の肯定さんの一言を振り返ってみましょう。
まだ一ヶ月か……。
今年は、あれもこれもそれもやってみよう。
そして、こちらが十一月の肯定さんで――。
肯定
よーく、わかりました!
た、たしかに、同じ一ヶ月でも違う一ヶ月があるようだね。
初めの一ヶ月、残りの一ヶ月。
同じ一ヶ月なのに、その印象がほんの少し違う。
まだ一ヶ月、もう一ヶ月。
今の僕には、『もう一ヶ月』しかない。
あの余裕は、どこへ消えてしまったのか。
テツガクちゃん
肯定さん、とても面白い景色を見ていますね!
肯定
笑い事じゃないよ、ガクちゃん。
これは難事件だよ。
あの二月の頃にあった、余裕。
それを誰が盗み去ったのか?
その謎を解き明かそうよ!
霧の都の名探偵に似た、中間色の表幻者でしょ?
テツガクちゃん
そうですね。
それでは、この難事件の謎を覗きましょうか。
きっと、この事件は幻です。
その覗き方が景色を決めるんですよ。
まだ余裕があるという気持ち。
もう余裕がないという気持ち。
これも一ヶ月と同じ。
一つだけど、一つとは限らないものだったんですよ。
肯定
そうなのかな?
どうしても、今の僕には余裕がない。
そんな気持ちしか見えないんだけど。
テツガクちゃん
それは肯定さんが、一年という窓を覗いているからですよ。
本当は、どれも同じ一ヶ月。
どれも同じ一日。
どれも同じ今。
ですが、その受け止め方が違う。
その違いは、一年という窓が見せる、ステーキで面白い蜃気楼です。
私達はその幻の中を旅しています。
肯定
なるほどね。
窓の外には、変わらない今が溢れている。
そして、僕達は窓が見せる幻の中を歩く。
だから、幻を見てしまうのか。
余裕があるという幻だったり、余裕がないという幻だったり。
テツガクちゃん
きっと、そうですよ。
この幻は、解かない方がいい幻です。
幻が解けてしまえば、面白さという幻も消えてしまいます。
何も変わらず、いつもと同じように、ただ歩いていく。
それは、ほんの少し退屈かもしれません。
変わらない日々が常にある、ということを忘れずに。
変わっていく何かもある、ということを信じていく。
どちらが幻想で、どちらが真実なのか。
それがわからないメビウスの輪。
いえ、わかってしまったら、退屈な幻です。
ということで。
まだ余裕があるという気持ち。
もう余裕がないという気持ち。
これからも、その大切な二つの気持ちと共に歩いていきましょう!
いつでも外へ出られる窓。
だからこそ、もう少しだけ、その窓が見せる幻を楽しむ。
為し遂げたいことが成せた時。
難事件は無事解決ですよ。
その日までは、謎は謎のまま。
その方が面白いじゃないですか?
今、あなたの目の前には、どんな一ヶ月がありますか?
それでは、また次の機会にお会いしましょう。
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