2019年11月5日火曜日

励ますクツワムシもいないけど


 励ますクツワムシもいない路上の道。
 底が抜けたアメリカの夢に、走るカラッポのバケモノ。
 『情熱の薔薇』もビックリな道、その上を二人、歩きたい。



 




肯定
 路上の道には、励ますクツワムシがいるらしい。


 だけど、まだ僕はそれに出会ったことがない。
 それでも、このまま路上の道を歩き続ける。
 そこで時々、こんな台詞を聞くことがある。 

 お客さんは一人だった。
 でも、精一杯頑張った。
 一人でも嬉しかったから。


 それはそうだろう。
 僕なら舞い上がってしまう。
 
 そんなことを思いながら。
 旅の途中、その道の景色を見るのさ。


テツガクちゃん
 肯定さんは、どんな道の景色を見ているのですか?

 まだ64,928には時が遠いです。
 是非、私にも教えてください。
 その路上の景色を。


肯定
 え、いいの?
 あまりステキな景色ではないけど……。

 僕に見えているのは、零の道だよ。

 メキシコの夜はすりきれて。
 アメリカの夢も底が抜けた。
 
 ジェット世代の放浪児は、遂に音速を超えた。
 真空には年代物のアナキズムが注がれている。
 カラッポのバケモノも走ってる。

 それらは、もう変わることがない。
 教室の隅っこも、東京ドームでも変わらない。
 永遠の零なんだ。
 零が行進しているのさ。

 
テツガクちゃん
 ステキな景色じゃないですか! 

 いつまで経っても変わらない。
 それが、本当にあったなんて。
 『情熱の薔薇』も驚きですよ!


肯定
 なるほど。
 たしかに、驚きはあるのかもね。

 僕も驚いたよ。
 本当に、ここまで零が行進するなんて。
 それが永遠に続くなんて。

 『キャサディ』を歌いながら、励ますクツワムシがいないこともね。
 
 だけど、この道を歩いていくのさ。
 いつもと変わらない歩幅でね。

 空がすっかり壊れたとしても。
 この道、その路上を旅したいのさ。

 だからガクちゃん。
 どこかで、僕が舞い上がってしまったら教えてくれる?

 僕が歩きたかったのは、励ますクツワムシもいない。
 変わることがない零の道。

 そこをガクちゃんと二人。
 歩きたいんだ。
 生まれたての気持ちと最新型の時空でね。
 
 最初からいなかった誰かは、永遠に存在せず。
 歌い励ますクツワムシもいない。
 ずっと、変わらずに存在していたのは零。

 零だけど、零とは限らない。
 とてもステキな『唯一無二』の零。

 変わっていく幻の数字も大切。
 それと同じように、とても大切な零。

 夜や夢、空が誰かに変わっても、変わることがない零。
 それがあれば、どこまでも歩いていけます。
  
 あなたはどんな零でしょうか?





 
 
それでは、また次の機会にお会いしましょう。












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グリフィン理論

  いつだって10月だし11月だし3月なんだ。  このグリフィンさんの教えは贈り物。  誰だってジェイソン・ボーンだしジェームズ・エドワーズ。  ロバート・アンジャーでローン・レンジャー。  そして、ネオでもある……忘れているだけで。