2020年4月1日水曜日

スターリンに訊ねてみて




 二割の蟻にはいらない。
 そう、心のどこかにいる、スターリンが語るのなら。
 こう訊ねてください。
 自分を支えた、不平等な公平。
 それを、不公平な平等に変えるつもりですか? と。 




 はーい、テツガク肯定です。

 誰もが心のどこかに、偉大なスターリンが住んでいるのでしょう。
 気に入らないものは、全て粛清してくれる。
 全てに許され、全てに賞賛され、全てに愛される。
 だから、どんなことも粛清できる。

 そんな偉大な同志に、訊ねてもらいたいことがあります。
 それは、働けない蟻についてです。

 全体のうち二割の蟻は働けないそうです。
 その蟻を粛清すれば、残り八割の蟻は働き続けられるのでしょうか?

 これを人の世界で表すと。
 きっと、こんな感じになるのでしょう。

 突然、誰かが二割の人を粛清すれば。
 その分の消費が減ることでしょう。
 消費が減るということは、仕事が減るということにも繋がるでしょう。

 仕事が減れば、また二割の人が生まれます。
 そして、その二割を粛清して。
 そこから、それを繰り返していく。


 その先で、古代から続いた、あの歪なピラミッド。
 秘密結社『SYAKAI』を支える、歪んだ三角を維持できるのでしょうか?

 一人では支えられず、持てるはずがなかった様々な力。
 スターリンを支える同志がいたから。
 スターリンはスターリンで在り続けられた。
 その中の二割の同志を粛清し続けたら。
 誰がスターリンを支え、許し、賞賛して、愛するのでしょうか?

 有能、無能と振り分け。
 有能な蟻だけを選んだつもりが。
 いつの間にか、二割の働けない蟻が生まれていた。
 その選択は、本当に有能な何かを選んでいたのでしょうか?

 一方、省かれた蟻だけを集めたら。
 そこそこに動く蟻が八割もいて。
 その選択は、間違いだったのでしょうか?

 有能、有能ではない何か。
 そのどちらが欲しいか、その答えは様々でしょうが。
 欲しいものだけを選んで、集めた結果。
 欲しくないものを手にしていた、なんてことはよくある話ですね。

 今ある景色。
 その歪んだピラミッドを支えるには。
 目には見えない、下の層が必要でしょう。
 土台がない場所に、ピラミッドは作れませんから。

 それでも、その二割が気に入らない。
 そう思うのであれば、平面に等しく平等になるくらい下の層を崩していく。
 
 自分を支えた、不平等な公平。
 それを、不公平な平等に変えるつもりですか?
 
 そう、心の奥にいるスターリンに訊ねてみて下さい。

 すみません。
 永い説教になってしまいましたね。

 本当は、誰もが訊ねずともわかっていることですよね。
 だけど、気づかないふりをして、忘れたふりをして。

 今、目の前にある状況。
 それ以前から続く苦しさの中で。
 余裕も一緒に、忘れてしまっていますよね。
 私もこんな説教を垂らしてしまっていますから。

 できることなら、垂らしたくはない説教です。
 隣に相方もいませんし。

 ですが、いつか。

 もう、そんなことはどうでもいいことだ。
 全てのことは帳消しだ。
 そう言える、本音。
 それが平面に等しく平等にあれば。
 不公平さも面白いと笑い飛ばせるのかもしれませんね。





  
 それでは、また次の機会にお会いしましょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿

砂漠でアマゾンを探している

 多くの人は砂漠でオアシスを探している。  平和ってオアシスを信じて、求めて彷徨う。   隣にアマゾンがあっても、砂漠の中で探す。  今、本当に欲しいもの、ITを忘れかけながら。  砂漠のオアシスなのか、豊かな水源があるアマゾンなのか。