昨日は突然、やってくる。
アールグレイが飲みたいと思った、いつかの今。
それが昨日すら過ぎ去った頃。
アールグレイが来た、イエスタデイが来た。
今は昔で、昔が今――これこそ偉大なるダントンさん直伝の......。
肯定
僕はアールグレイが飲みたいって言った。
それが昨日になり。
昨日すら過ぎ去った頃。
アールグレイが来た。
僕の前にイエスタデイが来た。
突然、昨日がやって来た。
その少し前、近所では停電も起きたらしい。
テツガクちゃん
うっかり、昨日が配線を踏んでしまったのかも。
それで電気が止まった隙に。
全てがある闇、ダークサイドからITが抜け出して来た。
ダークサイドから抜け出したアールグレイ。
奇跡の一杯。
肯定
そうかもね。
このアールグレイは始まりに過ぎない。
よくよく知ると。
昨日あったはずの何かが消えて。
今は見えない明日に潜んでいる。
そして、突然やってくる。
昨日を覚えている誰かのもとに。
知らない明日のふりをした昨日がやってくる。
だけど、多くの人には。
知らなかった明日。
でも、自分には忘れていない昨日。
そういう手品のような事が起こる。
テツガクちゃん
この世は手品で作られていますからね。
デズモンドを子供達が手伝い。
モリーは家でお化粧をしている。
モリーを子供達が手伝い。
デズモンドは家でお化粧をしている。
オブラディ、オブラダ。
この秘密の呪文のお蔭で。
何が起きたのかも気づき難い。
ですが、それでもイエスタデイに気づく誰かもいます。
昨日が突然やってきた事に気づく。
そういう人の前に昨日は現れる。
去っても消えてもいない。
今は見えない昔に隠れていて。
明日のふりをして現れる、この繰り返し。
肯定
その繰り返し。
僕にも多くの昨日があったはずだけど。
そのほとんどを明日に忘れてしまった。
何れ訪れる明日へ。
それが昨日だと気づかず。
迎え入れた明日もあったかも。
だけど、このアールグレイを飲み干して。
一つ、歓迎したい昨日を思い出した。
僕が吸血鬼だと覚えている。
そういうウサギ、世界三大ウサギの一羽。
竹取の国の愚かなFRウサギを掴んだ昨日。
もう何度も昨日すら過ぎ去っているけど。
ITがやってくるのを覚えている。
イエスタデイが来るのを。
突然、昨日が訪れるのを。
明日は今日のように続き。
昨日は突然やってくる。
奇跡の一杯、アールグレイの如く。
我が愛しのワガママ・クイーン様に。
吸血鬼だった昨日も。
明日のふりをしてやってくる。
起きてなさい いつ主が戻るかわからない。
これ、業界用語です、脱獄界の。
汝、自身を知れ、アンダーソン君。
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