見えたものしか

　見えたものしか、描けないし、語れない。
　そんな我がままな愚か者が、流行に乗れないこと。
　それは、当たり前に然る当然で。
　だけど、本心と本音に乗る、 その飛び方は浪漫飛行。
　本当のことは、本当じゃないと……。






肯定
　僕は見えたものしか。
　描けないし、語れない。

　それは、目に見えたものだけではなくて。
　目には見えない感覚とか。

　何かを見たり、聴いたりして。
　思う気持ち。

　流れる音楽を聴いて。
　『いい』と思える。

　輝くイラストを見て。
　『いい』と思える。

　そういう気持ち。
　それが見えないと、何も表せない。


テツガクちゃん
　見えないと何も始まりませんね。
　描くにせよ、語るにせよ。

　そういう気持ちが見えること。
　それは、とても大切ですね。


肯定
　大切だね。
　一応、僕にもそういう感覚はあるつもり。
　何かを『いい』と思ったりする感覚がね。

　ただ、流行のものを『いい』と思えるとは限らない。
　時には、流行のものを『いい』と思えないこともある。

　そんな僕が何かを描いたり、語ったりすれば。
　流行に乗れず、流行らないのは当然で。
　
　当たり前に然ること。


テツガクちゃん
　ステーキなことですね！

　流行ではなく、本音に乗る。
　誰かよりも自分に乗る。

　そんな我がままな当然は、最高に大切なことです。
　トタン屋根の上の才能よりも。


肯定
　そうだね。
　才能という幻より大切かもね。

　流行に乗らない、乗れない僕。
　そんな僕は、才能という幻のことなんか知らない。
　
　ただ、見えた本心と聴こえた本音。
　それしか、描けないし語れない。

　我がままなやつ。
　だけど、誰もがそうなんじゃないだろうか？
　と思いながらも、それもトタン屋根の上。


テツガクちゃん
　投げてしまいましょう。
　
　別に誰もがそうじゃなくてもいい。
　ただ、自分だけはそうでありたい。

　本当に見えたものと、聴こえたものだけ。
　私達は、それらを探す最高の愚か者です。
　

肯定
　そうだね、我がままで最高の愚か者だよ。

　才能を得意気に語り。
　そのくーだらねぇ幻を手にして。
　神様気取りで振り分けるような。
　賢い者、賢者にはなれない。

　そんなの。
　知らねぇ、意味ねぇ、興味ねぇ。
　SIK。

　僕達は慈悲深い悪魔を探す。
　我がままで最高の愚か者。
　本当のことは、本当じゃないと……。
　『突然バーン』ってね。

　あなたはどうでしょうか？
　賢者でしょうか？　愚か者でしょうか？
　あるいは、新しい誰かでしょうか？



　
　

それでは、また次の機会にお会いしましょう。

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