2020年8月31日月曜日

同情を棄てて


 流行の風が流行の言葉を運ぶ。
 知らない、意味ない、興味ない。
 SIK、SIK、SIK。
 それは、どこか危なっかしい。
 誰もが持つ、人の情を棄ててしまうなんて。
 情を棄てて、Mr.Gになるおつもりですか? 






テツガクちゃん
 流行の風が流行の言葉を運びます。
 
 知らない、意味ない、興味ない。
 SIK、SIK、SIK。

 誰かに同情して、なんの『トク』があるの?
 自己責任、自業自得。


 同情する情なんて、持ち合わせていない。


 そんなヤマト人は徳が深く。
 何でも知っている、全知全能な玄人の『Mr.G』。
 そう、演説台で説くのが流行のようですが。

 その温度では、アイスクリームも溶けませんし。
 なぜ溶けないのか、その謎も解けず。

 ただ、流行に乗って。
 流行を説いていく。
 そこにあるのは、どんな『トク』なんでしょうか?


肯定
 どんな『トク』だろうね。 
 でも、僕はいいかな。
 潰れて見える、そんなもの。
 別にさわりたくもないし。

 流行のSIKと流行の『Mr.G』の真似事はいらないや。

 ただ、それじゃ。

 ガクちゃんは、満足できないんだよね。
 この流行の果て。
 そこで何に出会うのか。

 それを、ほんの少し覗いてみたいんだよね?


テツガクちゃん
 さすが、肯定さん。
 そのとおりです!

 ほんの少しでいいので。
 それを覗いてみたいです!
 そのためには、肯定さんの視点が必要です。

 ですから、是非。
 私に力を貸してください!


肯定
 貸すも何も。
 僕の視点から見える、この景色のことなら。

 何でも好きにしてよ。
 それが、相方という関係でしょ?
 
 相方のものは相方のもの。
 相方のものも相方のもの。
 そう、どこかの少年が言っていたよ。

 さて、同情を棄てていく、その後ろ姿。
 それは、ほんの少し、かっこよさそうだけど。
 ポイ捨て禁止の看板が隣にあれば、格好がつかず。

 そんな看板がなくても。
 どこか危なっかしい気もするね。


テツガクちゃん
 危ない香りがしますか?


肯定
 するよ。
 だって、誰もが持つ同じ人の情。
 その同情を棄てた、違う情。
 それは、もう人じゃないってことじゃない。

 同情しなくても、全てを知っている。
 誰かの責任を自己責任と追及できるし、業も得も全て知っている。
 それが許されるのは、全知全能な存在だけ。
 
 そして、今の流行。
 それは、全知全能な『Mr.G』気取りの風を吹かす。

 そんな流行は。
 やっぱり、危ない香りがするよ。


テツガクちゃん
 そう言われると……。
 そんな気がします!

 今、この瞬間が。
 同情のような共感のような。
 曖昧な時空ですね!


肯定
 見事な形の曖昧さだね。
 『存在と同時に存在しない』ような。

 今、この瞬間みたいに。

 人が人と同じ情を覗いて。
 共に何かを感じることができる。
 そんな凄い魔法のような力を棄てて。

 全ての『トク』を知り尽くしても。
 それを説く相手がいないのだから。
 何も溶けないし、それも解けなし、その様子も説けない。

 『Mr.G』の言葉は、人間にはわからないからね。
 どんなにわかりやすい真っ直ぐでも。
 人の情にはわからない。

 流行に乗った、誰かは。
 どこで何をしたかったのだろうか?
 流行の果てで、何に出会うのか。
 
 僕が持っている、今の情は。
 やっぱり、危なっかしい。
 そう答えるよ。

 ガクちゃんの情はどうかな?


テツガクちゃん
 私も同じようです。

 肯定さんの情を覗いたら。
 肯定さんの情に覗かれて。
 そのまま、同じ何かを感じた私の情。
 その答えも、同じ今を掴みました。

 余計な情を覗いて。
 その情に覗かれて。
 同じ何かを感じたり、感じなかったり。

 人が持つ同情という魔法。
 その魔力は、とても大きな力ですね。

 この力さえあれば、何が『トク』なのか。
 その全てがわからなくてもいい。
 そんな気がして、本音がそう呟きます。

 わからないこと。
 それが、いつか、どこかで、誰かと共に解けて。
 また、新しいわからないことに出会って。
 その繰り返し。

 そんなロックン・ロール。
 それが今の私にとって一番の流行です。

 あなたはどうですか?
 この不可思議な情。
 それが、まだ見えますか?








それでは、また次の機会にお会いしましょう。
















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無関心は希望

 好きの反対は無関心。  そんなたわ言、誰が言ったのか知らないが。   今の私からすれば無関心は希望。  今まで気づけなかった、その未知は。  愛しの故郷、待ちきれない今は夢の今。