2020年9月1日火曜日

かわいそう?


 かわいそうな人。
 そう呟くのは、高天原に住む誰か。
 しかし、上から低地原の星を眺めても。
 そこに通う秘密がわかるわけもなく。
 わからないのだから、かわいそうも何もなく。







テツガクちゃん
 誰かが呟きました。
 
 ああ、なんてかわいそうな人。

 そう呟いた誰かは。
 天高くにある、どこかの高天原に住む。
 その高さからでは、地上の星は見えても。
 
 その星の中で何が行われているのか。
 それは、わからない。
 だけど、その事実すらもわからない。
 玄人な『Mr.G』のような。

 そんな可能性に出会ってしまいました! 私!


肯定
 そうだね、『Mr.G』のように。
 同じ情を覗ける力。

 同情を棄てた、誰かだね。

 かわいそうだ、なんて。
 まるで、上から眺めるように呟いて。
 だけど、自分は相手と同じ大地には立たない。

 高天原から低地原は星のよう見えるのだろう。
 だけど、その大地に立てば、全く違う景色が待っている。

 全てが、真っ平らに見える秘密とかね。

 それは、その大きな地に立たないと。
 知ることができない、地の代償。

 高天原の『Mr.G』には払えない代償だね。
 血が通っていないだろうからね。


テツガクちゃん
 『Mr.G』には通う血液がないのですか!? 
 
 星の半分を染める、『夕暮れ』の夕焼け空。
 その赤よりも赤い血液が通っていないなんて。

 それでは、夜の低地原に響き伝わる。
 あの本心の本音。
 それも聞こえないのでしょうか?

 通う血液がなければ。
 響き伝わる歌謡もないような気がします。


肯定
 それは僕達。
 『Mr.ジョーンズ』にはわからないことだね。
 だけど、わからないことがわかっている。
 
 もし、高天原から低地原に遊びに来た人がいたら。
 訊ねてみようよ。

 かわいそうだなんて、上から眺めるように呟く人に。
 同じ何かを覗ける、情。
 血液と共に通う、歌謡的な情がありますか?

 響き伝わるような情が、ってさ。


テツガクちゃん
 そうですね。
 それから、もう一つ訊ねたいことがあります。

 上から見た地上の星。
 高天原から、その内側を通う秘密は見えましたか?

 『夕暮れ』よりも赤い赤とか。
 地上の星よりも青い青とか。
 夜の黒も明るく見えてしまう、どこかの深淵にある黒とか。

 その全てが、真っ平らに見える、三つの線とか。


肯定
 どんどん訊ねたいことは訊ねてしまおう。
 それが、同じ深淵を覗きたい情の性だよ。

 その日がくるまで。
 僕達はこのまま『ノーフューチャー』って答えよう。
 
 時代様に神のご加護を。


テツガクちゃん
 過去未来、過未の領域にも神のご加護を。

 『ノーフューチャー』です。  
 それは、お先真っ暗でなければ。
 かわいそうとも限りません。

 今、この瞬間さえあれば。
 『他には何も』。
 そう思えることほど、幸せなこと。
 今の私達は、それ以外のものは見えません。

 見えないのですから。
 知ることもできません。
 そんなことがわかっている、『Mr.ジョーンズ』のまま。 

 かわいそうと呟くことを忘れ。
 『ノーフューチャー』と答える。
 一緒に本音を歌えば、同じ何かが伝わるかもしれません。

 あなたが歌いたい本音。
 響かせ伝えたい本心。

 そこに、かわいそうも何もないじゃないですか?
 ただ、それだけがある。
 他には何も見えません。

 ある日、『突然バーン』です。








 

それでは、また次の機会にお会いしましょう。












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グリフィン理論

  いつだって10月だし11月だし3月なんだ。  このグリフィンさんの教えは贈り物。  誰だってジェイソン・ボーンだしジェームズ・エドワーズ。  ロバート・アンジャーでローン・レンジャー。  そして、ネオでもある……忘れているだけで。