2020年12月16日水曜日

蒼色の川

 
 川の色は青くないと。
 限りなく緑な蒼ではなく。
 紛れもない、正真正銘の青でないと。
 そう思った、遠い昔の生意気さは薄くなり。
 深く濃い蒼が綺麗に思えた。
 その理由はわからないけど。

 



肯定
 近所の逆さまに流れる、蒼い川。
 遠い昔の僕には、その色が汚く見えた。

 流れる川は青色じゃないと。
 綺麗じゃない。

 できれば、明るく透き通る。
 そんな感じの色じゃないと。

 そう、透き通っていれば。
 翠がかった碧もいい。

 深く濃い蒼は青じゃない。
 名は『あおい』けど、限りなく『みどり』だ。
 そう思っていた。


テツガクちゃん
 たしかに、水は青くないと。
 限りなく緑な蒼では、満足できませんね。

 そんなごまかしなら。
 限りなく黄色の方が、浪漫があります。
 お皿など必要がないほどに、輝く稲穂色です!
 
 それなら、喜んで。
 その川に『DIVE IN!』します!
 そうですよね? 肯定さん。


肯定
 そりゃ、もちろんだよ。
 
 そんな川があったら。
 誰かさんにみたいに。
 一晩で不夜城を築いて。
 そのまま、それを稲穂色に染めて。
 金閣寺に変えてしまうよ。

 そう考えてみれば。
 川の色は、青色じゃなくてもいいわけで。
 赤色でもいい、木苺ジュースが流れたら。
 それは、それでいいじゃないか。

 そう思える、今、この瞬間。
 遠い昔にあった、あの生意気さは薄くなり。
 昔はわからなかった、あの蒼。
 それが綺麗に思えた。

 限りなく緑だけど。
 底も見えないほどに、深く濃い蒼だけど。

 やっぱり、それが綺麗に見えた。
 その理由はわからないけど。


テツガクちゃん
 その理由は明かさない方がいい。
 確かな浪漫が眠る、秘密かもしれない。
 そんな可能性に気づいてしまいました! 私!

 近所の逆さまな川。
 流れる蒼色の水と青葉の並木。
 それは、とてもステキなコンビだと。
 
 ほんの少し離れてみれば。
 気づくこともありにけり。

 川だけを覗けば。
 青くないと、綺麗ではないのかもしれませんが。
 周りの木々とあわせて見れば。
 暗い蒼と明るい緑は名コンビ。
 霧の都の探偵と助手のように。

 そう思えた、心の表情。
 その心情は霧の都の中に。

 今、あなたには。
 限りなく緑な蒼色の川。
それでは、また次の機会にお会いしましょう。











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砂漠でアマゾンを探している

 多くの人は砂漠でオアシスを探している。  平和ってオアシスを信じて、求めて彷徨う。   隣にアマゾンがあっても、砂漠の中で探す。  今、本当に欲しいもの、ITを忘れかけながら。  砂漠のオアシスなのか、豊かな水源があるアマゾンなのか。