2020年12月9日水曜日

朝靄が稲穂色に染まった


 10不可思議年に1度の台風。
 そこに、相方が疑問符を覗けば。
 私は、その日の朝、眩しく輝く朝靄に。
 全てが、稲穂色に染まった、今を覗き。
 どこかの国を黄金色に染めた。
 秘密の染料を知った。





テツガクちゃん
 10不可思議年に1度の台風。
 それは、随分と不可思議な表現だと。
 
 私が気づいてしまった時。
 肯定さんは、何に気づきましたか?


肯定
 僕はね……。
 黄金の今を見たよ。

 10不可思議年に1度の台風。
 それがやってくる、その日の朝に。

 その瞬間は、5時30分頃。
 眠れず、窓際で作業をしていた僕。
 そしたら、カーテンも貫く光に。
 時間を忘れた、眩しさを感じて。
 
 思わず、窓の外を確認したら。
 朝靄が稲穂色に染まっていた。

 その眩しさは。
 夕焼けよりも眩しく。
 とても朝だとは思えなかった。
 
 その輝きを見た僕は。
 唐よりも昔、どこかにあったらしい。
 黄金の国の秘密を見た気がしたよ。

 眩しい稲穂色の輝き。
 たしかに、これなら黄金の景色だな、と。


テツガクちゃん
 それは、とてもステーキですね!
 その時の写真などはありますか!?


肯定
 残念、写真には収めなかったんだよ。
 とてもカメラに収まるような色じゃなかったし。

 それに、僕の錯覚かもしれない。
 夜通し作業していたから。
 本当は、そんな光。
 なかったのかもしれない。
 
 朝靄(あさもや) 黄金
 
 そう検索した、画像。
 それを夢の中で、見ただけなのかもしれない。
 
 その真偽は、わからないけど。
 それでも、忘れないほどに。
 眩しく輝いていた、窓一面の稲穂色。

 それが、思い出させてくれた。
 幻の黄金の国、その伝わりし話、伝説を。

 そして、その輝きにも勝ってしまう。
 今、目の前にいる、我が愛しの相方。
 WAGAMAMAバディー。

 きっと、忘れないよ。
 稲穂色を見た、今日のこと。


テツガクちゃん
 かっこよく決めていますが。
 本当は、ただ、うっかり忘れていたり?

 ……なーんて。
 私は私のステキな相方を信じます!
 
 素直に秘密を明かしていただいたので。
 私も気づいてしまった、疑問符。
 それを明かしましょうか?

 もし、よろしければ。


肯定
 是非ともお願いします。

 朝靄を稲穂色に染めた。
 10不可思議年に1度の台風。
 その表現に隠れていた、疑問符。

 ガクちゃんがとり憑かれた。 
 その疑問符を。

 稲穂色のように明かしてよ。


テツガクちゃん
 わかりました!

 朝靄を稲穂色に染めた台風も。
 無口な侍のような台風も。
 忍びのように消えた台風も。

 全て、二度と訪れない。
 一度きりの来訪者です。
 
 強い弱いなどの形容詞。
 台風を強調するはずが。
 なんとも面白く歪んだ。
 何年に一度の台風。

 その表現を覗いた、私は。
 疑問符にとり憑かれ。
 ですが、肯定さんが明かしてくださった。
 その秘密で、同じ稲穂色に染まった可能性。

 それに、気づいてしまいました! 私!
 
 眩しく輝く稲穂色、それは。
 台風の日の朝靄やどこかの黄金郷。
 そういう場所にあるのではなく。

 二度と会えない。
 突き抜けたきり。
 もう、それきりな。
 今、この瞬間だけにあり。

 きっと、あなたも。
 稲穂色に染まった。
 それを見ることでしょう。

 そして、その時。
 どこかの国を黄金色に染めた。
 その秘密の染料を知ることでしょう。
 



それでは、また次の機会にお会いしましょう。








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砂漠でアマゾンを探している

 多くの人は砂漠でオアシスを探している。  平和ってオアシスを信じて、求めて彷徨う。   隣にアマゾンがあっても、砂漠の中で探す。  今、本当に欲しいもの、ITを忘れかけながら。  砂漠のオアシスなのか、豊かな水源があるアマゾンなのか。