2021年5月23日日曜日

僕らマジにわかりあおうとしてた


 『KIKI The Pixy』を知っている彼女は。
 僕の『TOO MUCH PAIN』も知っている。
 そんな僕らは、騎士道物語が愛読書の彼と同じ似た者同士。
 ただ、読んでいる愛読書が違っただけ。
 たった、それだけの違いで……。
 
 




 担任の川俣先生の口癖は「ちりも積もればチョモランマ」。そんな感じで進んでいく、川俣先生の現代文の授業。僕らはいろんな物語を教わり、出会った物語が山のように積み重なっていく。
 『ドン・キホーテ』物語、現代文の授業でそれと出会ってしまったのか、それは定かではない。だけど、どこで出会ったのか、そんなことはあまり重要ではない。彼女の口癖を借りれば、そんなことは「トタン屋根の上」のこと。
 最近の僕は、出会いを忘れてしまったこの物語に、ハッキリとした親近感を感じるほどに近づいた、そんな心境にいた。
 騎士道物語が愛読書の彼と、この世界の僕は同じ似た者同士。
 いや、本当は世界中の誰もが同じ似た者同士だろうけど。それに気づかない限り、自分はまともな一般人。見えない境界線を理由に態度を変えるなんて随分滑稽だが、それが人の性。スゲー、ムカつくし、嫌になるが。仕方がない、その一言が万能な免罪符。
 好き嫌いと二つに分類して、態度を変える。そのくだらない流行が許されるのなら。赤、青、黄、白、黒と五色米に分類して、態度を変える。そんな伝統も許されるのだろう。
 きっと、それは、差別じゃなくて。一般的な好き嫌いの問題。好きなやつは賞賛して、嫌いなやつは黙殺する。
 そんなこの世界を自分なりに二つに分類すると、この世界には二種類の塵しかない。
 原爆が落とされるほど罪深い少数派の島国のゴミと、あの国には罪深いゴミしかいないから原爆を落としても許されると思う大多数の世界中のクズ。
 その心情を広島や長崎でも言えるか? なんて問えば、そう問う君のために言うのもやぶさかではない。しかし、その光景を覗いてみたいと思う、君もなかなかの趣味。そんな自分の姿は忘れて、自分はまともだと信じて、いろんなボタンを押している日々。
 どの道に進んでも、ゴミとクズしかない、この世界は廃棄城。
 その城に山のようにゴミとクズが棄てられ積み重なっていく。その高さにはチョモランマも驚きだ。
 まるで、何も変わりやしない。一人の寂しがり屋のために、関東平野にピラミッドをつくっていた頃と寸分の違いもない。悠久の向こう側も、時代の最先端の今、この瞬間も、同じ退屈でつまんない化石。
 そう思ってしまうのも流行だから、仕方がない、と言えば全てが許される万能な免罪符。
 されど、そんなわけでもなく。それを使う相手が誰かによる。
 東のヒデキの末裔ではそれは許されず、北のターリンの末裔なら許される。そして、悪態にとり憑かれた僕は東のヒデキの末裔。万年敗北続き、向かうとこ勝利なし、彷徨えるヤマト人は誰にも見えない幽霊船。
 黙って潜って深海を進む、幽霊船の船長の本心は箱に閉まってある。
 その秘密を知っている、一人が僕のもとへやってきた。短いホームルームの後に。
「六時間目の現代文は眠くなってしまいますね。第二交感神経が眠ってんじゃねーのか!? なんて台詞が離れていく意識の中で聞こえました」
 さきほどまで、とり憑いた悪態を振り回し、張り巡らされた忌まわしい思案の上を走っていた、玄い気分の第二本心は彼女の台詞で眠り始め、眠っていた、第一本心が回り始める。
「黒板に二行も並べば、意識から消してやるぜ! なんて台詞も聞こえなかった?」
 笑いながら返す僕と同じように彼女は笑う。
「聞こえました! その先は慣性ドリフトではなく。私の感性ドリフトで意識の外へ抜け出してしまいました。10分……いえ、15分ほど」
「仕方ない、というわけにはいかなくても。眠いものは眠いもんね。僕もかなり眠かったけど、今日はなんとかなったよ」
「そのようですね、何か考え事をしていたような表情ですから。是非、その秘密を私にも明かしていただけませんか?」
「えっ……」
「ダメでしょうか?」
 ダメというよりは、軽蔑され黙殺されるのではないだろうか? そんな臆病な狡猾さが勢いよく飛び出し、秘密を隠そうとするが。終わりだ、そんなことをしても、どうにもならない。
 彼女のワガママに貼りつかれた。初心者マークよりもピッタリと。おそらく、1秒もすれば追い越され、二度と彼女の隣には並べない。眠ったはずの第二本心の悪あがき。しかし、それよりも強く回る第一本心が抜き返し答えた。
「あんまり楽しい話じゃないけどさ。それでもいいのなら」
「楽しいか、楽しくないか。そんなことはトタン屋根の上です。私は肯定さんの話が聴きたいんです。それは、当たり前に然り、当然な心情じゃないですか?」
 そう問われ、なんて返していいのか、その答えが見つからなかった。
 この世界、廃棄城でそんな心情は通用しない。
 何事も好き嫌い、0と1で出来ている。そう信じてたけど。今の自分が信じられない何か。それを当たり前に持っているのかもしれない誰かは、想像予想の遥か外からやって来た異世界人。そんな錯覚の印象を感じさせる人が、今、この瞬間にいても不思議ではない、と思えるだけの余裕と空白は、まだ僕の中にも確かな重さと共にあった。
 なぜならば、僕はまだ何も知らないからだ。
 得意気に廃棄城と呼んでいる、この世界のことも何も知らないって気づいている。
 目の前で何かが起こっていることはわかっている。だけど、それが何なのかはわからない『Mr.ジョーンズ』は。わからないことが、ココにはあるんだとわかっているから『Mr.ジョーンズ』なのだろう。
 最近、流行の『Mr.G』とは違う。何でも感でも、知り尽くした全知全能なGには。新しい世界が入る空間がない、狭い狭いワンダーランドだ。
 きっと、最新式の狭いワンダーランドは最高なんだろうが。僕は時代遅れの旧式、隙間だらけのワンダーランド、そこへの切符しかない。
 だから、答えが見つからない、彼女の提案に突っ込むことにした。
「それじゃ、帰りながら話すよ」
「よろしくお願いします」
 僕らはそのまま駅へ向かった。
 一階の下駄箱、昇降口発、帰り道線、下り。
 それに履き替えた、二束の靴が静かに加速しながら二速で正門を抜けて行った。
 
 
 いつもの土手道を歩きながら、唐突に始めた。まるで、物語のように。風車に突っ込むように。
「『ドン・キホーテ』物語って知っている?」
「あの騎士道物語が愛読書のアロンソさんの話ですか?」
「そう、風車に突っ込んだ、アロンソさんの話。最近、思うんだ。きっと、僕らは読む愛読書が違っただけで、アロンソさんと何も違いはないんだって。突っ込むのが巨人か、ゲンジツなのか。それは違うけど、同じ幻想に突っ込んでいる」
 そんなことをこの世界で言えば、好きか嫌いかの裁判にかけられる。
 一瞬の話し合いの演技後、下される判決は。異常者、犯罪者予備軍、嫌われ者の舌を切り落として、永遠に黙らせろ。そういう結末だろう。
 しかし、彼女は速い。二速でも一般的な八速以上の速さだ。
 あっという間に鏡から消え、隣に並んでいた。
「そうかもしれませんね。実は、私も最近、思うんです。きっと、今、この瞬間も。世界のどこかで、あの三代目の大泥棒が活躍しているって」
「活躍しているのだろうね。だって、目に見えるし、声も聞こえるし。でも、そんな話をすれば――」
「それは、違うって、笑われてしまいますね」
 幽かな苦味を隠すように彼女は笑っていた。
 何が違うのか、ろくに明かせもしないくせに。
 自分の無力さを、お前がおかしいから、と判決を下すことで、ごまかしている。その姿はまるで……。
「私、そう拒絶される度に、疑問符にとり憑かれるんです。だって、目に見えないものは信じないと言うから。目に見えるものなら信じると思っていたのですが。それも違うって。ですが、誰一人として、どう違うのか。私が納得できる答えを持っていませんでした」
「僕も見たことないや。僕が納得できる、その答え。ゲンジツと物語は違う。そんなこともわからないの? そう得意気な全知全能の神様は、この世界の全てを知っているから、ゲンジツと物語は違うって言えるのだろうけど。その境界線がどこにあるのか。それは教えられないんだって」
「教えてしまったら、境界線の向こう側へ行くことができるからでしょうか? 待ってください! もし、境界線があるとしたら。向こう側の世界が、確かにあるということじゃないですか?」
「おっと、ガクちゃん王手だね。もし、境界線があるとしたら。向こう側はどこかに確かにあって。もし、境界線がないとしたら。違いなんて最初からなかった。そう、そういうことなんだよ」
「そういうことですね。違うようで、違わない。肯定さんの口癖をお借りすれば、違いは『存在と同時に存在しない』、そんな曖昧なやつですね」
「見事な解釈、ありがとう。そう思うよ。違いなんて、本当はさ、ないんだよ。人種の違いだって、きっとね」
「ありませんよ、最初からそんなもの。だって、そうじゃないですか? 肌が白ければ、白人になれるわけでもなく。英語が喋れるから、イギリス人になれるわけでもなく。アメリカに生まれたから、アメリカ人になれるわけでもなく。けっきょく、そういう違いの問題ではないのでしょうね」
「限りなく、そういう問題じゃないんだろうね。英語が第一言語のアメリカ生まれアメリカ育ち、足が長く彫が深い白人のジョニーさん。だけど、育ての親が中国のリャンリャンさんで、中国文化に染まっていたら。きっと、あいつはチャイナ。されど、中国でもあいつはアメリカン。もう、どこにも居場所はないんだぜ」
「ココでも同じですね。ちょっと誰かと違うことを言えば外国人。いえ、まだ国があればいいです。誰かの気分次第では宇宙人、異世界人です。そんな判決結果は何かの違いではなく。好きか嫌いか。つまり、気に入らない。その心情を表す方法と力加減が。ほんの少し違ったのでしょうね、世界中で」
 合図もなく、揃えて立ち止まった二束。
 そのまま、どこか遠くの夕焼けを眺めていた僕ら。
「見てください、あの若いメロン色の空を。『紙飛行機』が揺れて乱れて、よじれ、ねじれ、急旋回して急降下する、あの空を。きっと、陽が沈む場所なら、どこにだってあるはずです」
 美しく綺麗な指でその在り処を示しながら、反対の手で遠くが見える、目には見えない双眼鏡をつくり、それを覗く彼女。
 その姿は、夕陽に敬礼する何かにも見え、若いメロン色の空、その在り処を教える羅針盤にも見える。同じ彼女でも、どの手を意識するのかで変わってしまう意味はあまりにも儚い。
「あるのだろうね。アメリカの空はココとは違うんだって、ずっと信じていたけど。それは映画のアメリカの空。おそらく、僕の窓で覗けば、ココと同じ色の空。最近、気づいたこと。だけど、きっと、それは本当だと思う」
「限りなく、本当ですよ。だって、1号が気づいてしまったのですよね? 肯定さんの第一本心が」
 そう気づいてしまう、彼女の第一本心はめちゃ速だ。どこまでもついてくる。
「そうそう1号がね。今でも映画のアメリカの空の色はココとは違うけど。僕がアメリカに行って覗く空の色はココと同じはず。それなら、ココの空もアメリカ式映画で撮れば、アメリカの空になるのかも」
「なるのかもしれませんね。撮影の仕方で、変わっていく空。その色は儚いですね」
 儚い、どんなに鮮やかな色でも。その表し方で全く違う印象に変わっていく。どうしようもない事実に歪められる、僕らのゲンジツはあまりにも頼りない。
 その頼りなく儚い色の中、再び二束は歩き始めた。何の合図もなく。
「覗き方で変わる儚いものは、絶対的とは程遠くても、絶対的だと信じる限りは輝き続ける、硝子細工のダイヤモンドのようですね。みんなに愛される、ゲンジツも。きっと」
 羨ましそうに硝子細工のゲンジツを語る彼女。その隣で、僕は誰からも愛されるゲンジツに対して、隠せない確かな苛立ちを込めて続いた。
「脆い硝子細工のダイヤモンドだね。あの三代目の大泥棒の存在。それを認めてしまったら、粉々に砕け散ってしまう幻想。誰もが信じるゲンジツってやつは、余裕がないから異物を排除しようと拒絶するしかない」
「つまんないですね。全く退屈です。気が知れません、余裕のない幻想を信じ続けられる、その忍耐力。ですが、得体の知れない、偉く大きな誰かが玉音放送で三代目の大泥棒とはお友達、と言えば。簡単にそれを信じていく、脆く儚いゲンジツです」
 人の不可思議さに気づいている彼女は愉快に笑っている。
 そんな彼女ならなんと答えてくれるのか。気になってしまう心情は趣旨不明。訳のわからない質問に変えて明かした。
「ガクちゃんならどうする? もし、歴史の上に織田信長が本当にいたとしたら」
「もし、いたとしたら?」
「あっ、いや、なんかいろいろ変だね……忘れて」
 しばらく、何かをごまかす僕の心情を覗き込みながら。質問の空白にありそうな何かを見つけた彼女は答え始めた。
「そうですね、私なら……。同じうつけ者同士、耐え難きを耐え、忍び難きを忍び……なんて足が痺れるようなつまんないことは、できないのですから。目の前の壁に突っ込んでしまいましょう。GOです、業! 気に入らないやつは燃やしてしまえ、延暦寺。そんなことを伝えるのかもしれません」
 かなりの加速だった。
 たぶん、この世界、廃棄城の一般的、まともな模範市民の聖人君子では追いつけない速度。しかし、僕は犯罪者予備軍の永遠永久エース。調子のいい1号は、第一、第二本心を全開にして抜き去りにかかる。
「しょせん、原爆を落としてもいいとされたゴミの山だからね。延暦寺くらいなんてことない。彼の有名な西のアドルフも言ったらしい。一人の死は悲劇でも、集団の死は統計の上の数字。そんなクズとゴミしかいないのさ、ココには」
 完全に抜き去った、もう二度と鏡には映らない。彼女と並んで帰るのはこれが最後。
 臆病な狡猾さが隠したかった本性は。今、この瞬間、白昼夢の速度、その中で明らかになってしまった。もう、どうにもならない。
 しかし、僕の遥か前。そこを譲ることなく、圧倒的な速さで居座る幽かな霊魂。その幽霊の主が、彼女だと気づくには、ほんの少し時間が必要だった。
「アメリカが落としたという原爆。されど、その計画に賛成したエゲレスにキャナダ。おそらく、落せと条件を出したのは北のターリンで。マンハッタンでの内緒話に反対した国なんて一つも無いのに。世界中がそれでいいと、GOサインを出したのに。アメリカだけにその責任と業を擦りつける。きっと、信長さんも西のヒトラーさんもそうなのでしょう。本当にどうしようもないですね、私たちは」
 速過ぎた、ちっとも近づけない。このままだと僕が鏡から消されてしまう。
 焦り慌てて、眠っていた第三から第八までを叩き起こした。
 そのまま、続ける彼女を追いかける。
「知らない、意味ない、興味ない、SIKを崇拝する流行の最先端は。遠いどこから、あんな流行なんかSIKって何かのボタンを押されても。何の文句も言えない、イーブンな関係です。そうです、お互い様です。落とされた側も落とした側も、同じゴミとクズ。塵も積もれば同じ似た者同士。そうですよね? 肯定さんが明かすのをためらった、その秘密は」
 さすがだった、僕の本心を隠した箱。それを預けたワガママ・クイーンは、臆病な狡猾さの不安と心配にはおさまらない。遥か遠くの外にいた。
 そして、見えない気持ちの速度は、徐々に減速して僕の隣に並ぶ。
「きっと、変わりませんよ。違いなんてありません。けっきょくは、ただの好き嫌い。気に入らない、その心情を表す方法と手段が、ほんの少しだけ違っただけです。ですが、それでも……いいえ、だからこそ、単純にムカつきますね。ホント、嫌になりますよ。すました表でいい人を寡黙に演じないと存在できない立場なんて。見えすいた演技で貼られた、お手軽な上物極上絶品上品の薄く安いラベルなんて。向かう出荷先には同じゴミとクズが待っているのですから」
 同じ静かな怒りに燃えていた僕と彼女。
 性別や考え方に抱えた秘密、いろんなことが違う、得体の知れない僕に突っ込んでも。あっけなく捌いてしまう、彼女の崩れず揺るぎようのない余裕と空白の広さは。玄い場所よりも限りなく果てしない気がした。
 真実の全貌なんて見たこともないから知らないが。それでも、そう気づいてしまうほど、わかりきった速度は。光速を超えた、目には見えない心情が見えてしまう、気持ちの速度。
 同じ二速で走った者同士なら嫌でも気づく、彼女の圧倒的な速さ。
 それだけ速い彼女なら、最初から知っていたのかもしれない。この深い痛みと強い憎悪。それが静かに剥がれ落ちた。
「犯罪者予備軍の近い冬の伝説が。廃棄城で腐っていく。中間色の今をただ黙って駆け抜けて。君のもとへ帰れたらなあ」
 歌うわけではなく、力なく呟くように吐き棄てた僕に続くのは、同じ痛みと憎悪を知っている同じ似た者同士な隣の1号。
「忘れられた、日陰に隠れた。人気のない白昼夢で。それぞれの痛みを抱いたまま。私たちマジにわかりあおうとしてた。いびきをかきながら」
 不謹慎にも笑う彼女に続いて、笑ってしまったのは同じ似た者同士の隣の1号。
 同じ1号として気になった、僕ら式の『TOO MUCH PAIN』を知っていた隣の1号は、どこからはみ出し、飛び出してしまったのか。
「ガクちゃんも知っていたんだ、その歌」
「もちろんです、私のステキなR'N'Rボーイのお蔭で、出会えました」
 特別、紹介した覚えはないけど。僕が知らないところで、積み重ねてくれた山なのかもしれない。それか、僕が紹介した覚えを忘れていただけなのかもしれない。『ドン・キホーテ』物語との出会いを忘れてしまったように。
 忘れっぽい僕の前で、彼女は秘密を明かし始めた。
「赤い太陽は実は、誰かの幻想で出来てて。うっすらと感じる、黒い太陽に照らされている。思い込んでる、私、A4B。大きな声で叫んだ」
 相変わらず、彼女の歌い方は愛おしい。
 何度でも繰り返せるように、何かに閉じ込めておきたいが。そんなことは無理だってわかっている。だって、彼女はワガママだから。何かにおさまるわけがない。そんな事実が続いた。
「私、本当は、哲学書に住んでいたのって。でもなんか違うってずっと、気づいてただから飛び出した」
 彼女式の『KIKI The Pixy』を聴いて、改めて気づかされた。
 限りなく、何かの間の違いもなく、僕とアロンソさんは同じ似た者同士。
 アロンソさんの隣にもいたのだろう。どこからか、はみ出し抜け出し飛び出した、信じられる確かな存在が。特別、誰かに認めてもらう必要性の欠片すらない、ホンモノの我がままな1号が。
「マジになれるって、最高ですね。凄く生きているって感じがします」
「最高だね、凄くよかったよ。さっきの『KIKI The Pixy』、ありがとう」
「肯定さんが隠していた『TOO MUCH PAIN』も最高でしたよ、ありがとうございます」
「ガクちゃんの言うとおりだよ。いつだって、マジになれるって最高だね。久しぶりに第八まで起こしたから。フラフラだけど、凄く生きているって感じがする」
「本当は、まだ余力がありますよね? 眠っている力は不可思議ですから」
「そうかもしれないね。だけど、これが今の精一杯。もしかして、不満かな?」
「いえ、満足ですよ。私はワガママ・クイーンです。不満があれば、置き去りですよ」
「それなら、安心だよ。でも……ありがとう」
「何がですか?」
「僕にマジになってくれて」
「何を言っているんですか。それが当たり前に然り、当然な生き方じゃないですか? SIK、SIK、SIKと連呼するだけなら、壊れた泥人形で間に合いますよ」
「……そうなのかな?」
「そうですよ」
 そう彼女は言うが、僕の前に広がる、この世界は反対の進み方をしていた。
 だけど、その大多数が正解とは限らない。そんなことは小学生でも気づいている。本当は善と悪、正義正解なんて微塵の欠片もないことにも。ただ、気に入らないやつに。一方的に罪と罰を擦りつけ背負わせているだけ。
 流行の自己責任は暴走暴君。既に言葉の意味の外側へ飛び出して『他己焼き』だ。
 親切な自業自得は他人のことはわかっていても、自分の業得は欠片もわからない。
 そんな腐った廃棄城なこの世界。しかし、隣に彼女がいてくれたら。また、マジになれる気がした。
「私、ぶくぶく太った流行の好奇心が気に入らないんです。いいですよね、自分が好きなものだけを綺麗に並べるだけが旺盛な好奇心なら」
 そう言う彼女の表情は、裏側から静かに燃えるマジな怒りが涙のように滲み出ていた。
「私にとっての好奇心、その真価が問われるのは。好きでもなく、興味もなく、得体の知れない、わからないこと。そこへ突っ込む、その瞬間にあらわれるんです。前を走る誰かについていけるように。研ぎ澄ました鋭い好奇心こそが、ホンモノだと信じていますから」
「好き嫌いだけで捌く、鈍い好奇心ではヘアピンに突っ込んでも抜け出せないね。洞窟の壁か底に同化してしまうだろうから」
「そうです、好きなものだけを並べる寂しがり屋さんは。偉く大きな贅沢しか知らない、ただの無関心です。私はそれを好奇心とは思いません。無関心を決め込むことが許された、偉く大きな北のターリンの末裔です。きっと、機銃掃射で同志を粛清しても許されるのでしょう。お互い、ゴミとクズですから」
 そうハッキリと言い切った彼女は、全く頼りならないゲンジツよりも、よっぽど頼りになる確かな重さを感じさせた。いや、ゲンジツなんかと比べたら失礼だ。もし、気づかれてしまったら、彼女に怒られてしまうほどに頼りになる重さだった。
「ですが、私は東のヒデキの末裔、ヤマト生まれヤマト育ちです。そんなことを言っても誰も認めないのでしょうが。その事実こそ、東のヒデキの末裔という証です」
「そうか、僕らは認め許されないから、東のヒデキの末裔、ヤマト人だったのか。なんか妙に納得しちゃうよ」
「きっと、そうですよ。それでこそ、ヤマト人です! 無視され落とされ消されていく、あの日のように」
 二人揃って不謹慎に笑う。諦めのような、うんざりのような。だけど、ほんの少し愉快だ。ココでは有り触れ溢れた心情だから。
「肯定さん、あの二つに分かれた道が見えますか? 勝利と敗北。それを分ける未知です」
 目には見えないとんでもない未知を示す彼女。それでも、それは容易に想像できる未知だった。退屈でつまんない、のろまな速度にへばりつく幻だ。
 その幻がへばりつくことも叶わない、我がままな速度は神話を語り始めた。
「何事も許される北のターリンの末裔の手には決めていた勝利。何事も許されない東のヒデキの末裔の手には思い込みの敗北。そんな分かれ道が気に入らない私、ワガママ・クイーン」
 静かに僕は頷く。まさにそのとおり、彼女にとって勝ち負け。そんなものは何の意味も持たない。なぜなら――。
「WAGAMAMA、四つ揃ったAは、不戦神話のAです。我がままのど真ん中を貫けば。勝利も敗北も追いつけません。つまんない幻も置き去りです。そんな私のAについてこれますかな? 肯定さん」
「僕を誰だと思っているの? 犯罪者予備軍の永遠永久エース、同じAだよ。四つもないし、ガクちゃんは驚くほど速いけど。僕もマジになって、使えるものは全て使って、全速全開で追いかけるよ」
 条件反射で突っ込んだ。少しでも迷えば、置き去りにされそうだったから。
 そんな僕の情を覗き込む、彼女の表は穏やかに微笑んでいた。そのあたたかさが徐々に伝わり、僕の表も緩んでいく。
「マジになれるって本当にステキですね、肯定さん。やっぱり、最高です。一緒に帰る、帰り道の速度は」
「最高だね、勝ち負けとかつまんない幻は遥か遠く、どっかの外側だ。一緒に帰る、この速度が最も幸せ、最幸だよ。ありがとう、僕をマジにさせてくれて」
「いいえ、肯定さんが私をマジにさせてしまうんですよ。もう一般的とは言えない、同じ似た者同士の1号の間には。好きとか嫌いとか、そんな『動詞になれない形容詞』は必要ありません。マジになれる速度があれば、全てはトタン屋根の上ですね」
「そうだね、様々な形容詞で表す意味すら消えてしまうほど。マジな速度の前では儚く過ぎ去ってしまうね、全てが」
 いつだって、我がままを貫く1号は速い、速過ぎる、十万石まんじゅう。
 ココで十年以上お世話になっているけど。まだ食べたことがない十万石まんじゅうは日本一。きっと、限りなく、間の違いもなく。
 そう気づいてしまうくらい、中間色の我がままは速い。
 情け容赦なんて微塵の欠片もない。あっという間だ。終わって欲しくない、そう祈る本心の前で。何も残らないほど、無残に過ぎ去っていた。その事実を知らせる、玉手箱は橋の形をして待っていた。
 僕らの分かれ道、分岐点のいつもの橋が許可もなく視界に飛び込んできた。
 惨さが忍んでいる、惨忍な終わり。ずっと、そう思っていた。
 ただ、僕はいろんなことを忘れてしまう。彼女の速度が想像予想の遥か外からやってくること。それも忘れていた。
「あっ、そうでした、肝心なことを忘れていました! 肯定さん、あの三代目の大泥棒が、今度はイタリアで大活躍するそうですよ。たしか……今夜、遅くから。いえ、正確には明日になった深夜でしょうか? とにかく、今度はイタリアです! 私、それが見たいので。深夜の1時頃にメールしていただけますか?」
「えっ……」
「えっ、というのは……ダメということですか? そうですよね、眠っている時間ですよね」
「いや、違う違う。いろいろと驚きで。本当に、今夜なの? それとイタリアなの? それから、そんな時間にメールしてもいいの?」
「もう、そんなに私が胡散臭いですか? まあ、たしかに、そうでしょうけど。残念ながら事実です。今度はイタリアで、おそらく今夜の1時頃。チャンネルも明かした方がいいですか?」
「いやいや、十分だよ! ありがとう! 知らなかったよ。嬉しいな、また活躍が見れるなんて。僕も見るから、メールするよ」
「頼みましたよ、私の頼りになる相方さん」
 まさか、あの三代目の大泥棒の4度目の活躍が見れるなんて。それもイタリアで。
 その情報を全く知らなかった僕。当時はそうだった、世界情勢を知る機会も少なくて、誰かの一言で懐かしい向こう側の英雄と再会したり、新しい向こう側の英雄と出会っていた。
 余計なお世話焼きの知らない誰かが、頼んでもいないのに勝手に世界を広げてくれた。時々、うざったく、ムカつくこともあったかもしれないが。過ぎ去ってから振り返れば、とんでもないたからの地図が何も言わずに残っていた。
 全てが自己完結できる未来。それこそが最高の楽園だと信じていたけど。そんな未来の世界は、どんどん狭くなって息が詰まる。
 耐え難い虚しさを埋めるために、都合のいい泥人形を並べて、マジになれない速度でちんたら進んでいる。あつくならない、さめた自分がかっこいいと思っていたけど。その温度は死体と何が違うのだろうか?
 そう気づいていた僕は、自分が犯したとんでもない罪に気づいてしまった。
 今日、僕が明かしてしまった秘密。それが彼女にとって好きか嫌いかといえば。限りなく好きではなく、不愉快な気分行きの切符だったのではないか、と。
 彼女の好奇心は鋭いから、なんなく捌いてしまったが。本当は……。
「ガクちゃん、今日はごめんね……」
 ずっと、めちゃ速だった彼女も、きょとんして出遅れた。
「何がごめんね、なんですか?」
「もっと、楽しい気分になれる話をさ……」
 そう真面目な心配をすれば、あっという間の加速で笑われた。
「もう、そんなことはトタン屋根の上ですよ。私は肯定さんと話がしたかったんです。話ができれば、どんな話題でも関係ないんです。そんな私のワガママは満たされました。これ以上、幸せなことが他にありますか?」
「だけど、もう少しさ……」
「だけど、けれど、されど、デモもヘチマも夢もありません。そんな台詞もありましたよね? そうです、いろいろあるんです、きっと。泥人形じゃないんです、人は。ヤマトの冬はロックンロールです」
「ガクちゃんを巻き込んだ気がして……」
「いいえ、私が嫌われ者のワンダーランドへ肯定さんを連れてってしまったんですよ。まるで、時代のように、あの西のヒトラーさんと同じように。つまり、私が主犯ですよ」
 自白するように答えた彼女は気づいていたのだろう。
 もし、西のヒトラーが存在しなかったとしても。同じ時代に育てば、西のオリバーという名前が同じことをしていたことに。たまたま、今、この瞬間、歴史の上には西のヒトラーという名前が踊る。
 その名前は、当時の時代に流行っていた考えがつくりだしたが。肝心の時代の流行は罰せられることなく。涼しい顔で、今、この瞬間も新しい名前を育てている。永遠永久に裁かれることのないZ級戦犯は、あと何人の名前を教科書の上で躍らせれば気が済むのだろうか?
 ムカつく時代に責任を押し付けられる前に、背負ってしまえ、ホトトギス。そんな彼女の心情の呟きが聞こえた気がした。どこまでも余裕と空白が広がる、ワガママ・クイーンの深淵を覗ける、僕の深縁は時代遅れの旧式ワンダーランド。隙間だらけ、穴だらけ、底なしだ。
 そのありもしない底を抜けるように、僕の前へ出て、くるっと振り返った主は告げた。
「さて、私は今夜に備えて、こちらへ向かいます。肯定さん、1時頃ですよ。頼りになる参謀のメール、その決行の合図が私たちの命綱です。私がこの計画の主犯であれるようにお力を貸してください、それでは今夜」
 返事する隙間も残さず、めちゃ速でこちらへ駆けて行く彼女の後ろ姿。
 ちょっと前まで信じていた、無残と惨忍が混ざった終わり。
 だけど、もう……そんなことはどうでもいいのだ、と。思えるほどに、高く高く飛んでいった感傷はトタン屋根の上。
 僕もココで何かに浸っている暇はない。今すぐ、帰宅して、作戦決行に備えないと。頼りない僕を頼ってくれた、頼もしい相方が合図を待っている。
 そんな事実があちらへ進む僕を加速させる。それは、不可思議な速度。ほんの少しの重さ。ただ、それがあるだけで。同じいつもの終わりが、全く違う印象に染まっていった。


 帰宅後、明日までの宿題を済ませた。
 妙に今日は宿題を捌く心情が軽やかだった。
 もし、それに理由があるとしたら、彼女が与えてくれた任務にあるのかもしれない。
 僕に懐かしの英雄との再会の機会。それをくれた彼女のためにも、なんとしても気持ちの余裕をつくりたかった。そんな気分次第で何かを捌く心情の重さは変わっていた。
 現在、僕の携帯の待ち受けは23時前半を示している。十分過ぎる余裕だ。ただ、気をつけなければならないのは、そろそろ、やってくる睡魔だ。
 それをごまかす為に僕は玄い第二本心を起こして、今日の六時間目のように忌まわしい思案の上に解き放った。
 
 ゴミとクズしかいない、腐ったこの世界、廃棄城。
 好き嫌いの違いで態度が変わる瞬間の中では、自分の居場所なんてありはしない幻想だ。
 どんなに偉く大きく立派な国籍も。自分のことを気に入らない、そんな誰かの前では何の意味も持たない。そのまま、当たり前に然り、当然のように変わってしまう。そんな国籍は風車に化けた巨人だ。
 もし、どんな瞬間でも、全ての人に好かれる何かが自分の中にあればいいが。そんなものいくら探しても僕の中には存在しない。
 だったら、誰もが認めるマジになれない糞人形より。誰かにはわからないマジになれる異世界人と歩いていく。
 居場所なんてない、あって堪るか。こんな腐ったこの世界、廃棄城に。
 つまんない退屈を抜け出す速度。未知との遭遇はスタートラインの一速だぜ。
 
 随分、くだらない第二本心の台詞が聞こえてきた。玄い第二本心は夜も調子がいい。
 眠気覚ましに、帰りにコンビニで買ったカプチーノを飲んだ。
 坂本バリスタの赤いカプチーノはめちゃ上手だ。
 そのまま、玄い第二本心の暴走は続く。

 黄色が気に入らない、秘密結社Fのフーバーと愉快な仲間達。
 そんな彼らの気分で、ある日、二つの街に原爆が落ちる。
 刀や銃に核兵器、それらが最も危ないものだと思っていたけど。
 気に入らない、という誰もが持っている、その心情を表す方法と力加減。
 それに勝る兵器はないのかもしれない。

 最終兵器SIK。
 きっと、今、この瞬間も。
 それが誰かを攻撃している。
 だけど、仕方がない。
 だって、万能な免罪符だもの。だって、流行のSIKだもの。だって、東のヒデキの末裔だもの。
 何事も許されないのだから。

 そんな僕らは、本当にいたのかもわからない。
 織田信長、西のヒトラー、Fのフーバー、その他大勢。
 そんな彼らの気に入らないの形。
 それを、あーだーこーだーと裁いている。
 だけど、それを裁くのも、彼らと同じ気に入らないの形。
 気に入らない、そんな心情が何かを裁くなんて。
 ちゃんちゃらおかしく、千万の笑止だが。
 仕方ないって万能な免罪符に押し付けた。

 随分と愉快で不可思議な儚さ。
 それを必死に守っている。
 これがゲンジツなんだって。

 そのゲンジツはあまりにも脆い。
 存在しないと信じていた、誰かがいると認めてしまったら。
 一瞬で、壊れて崩れてしまうほどに脆い。たったそれだけのことで。

 そんな硝子細工のゲンジツを粉々に壊してしまいそうな異物は。
 一般的、まとも、普通、という得体の知れない幻によって。
 徹底的に排除拒絶の機銃掃射。

 ゲンジツが指定した愛読書。
 そこからはみ出した、本を手にして信じたアイツは異世界人。
 だけど、何がどう違ったのかは明かせない。
 なぜなら、違いに突っ込んでいける好奇心がなかったから。
 無関心を決め込むしかない、余裕のない狭いワンダーランドは。自分の無力さを、お前がおかしいから、と判決を下すことで。満足して、ごまかしている、その姿は一般的な独裁者と寸分の違いもない。
 ただ、立っている場所が違った。
 全てが許される、北のターリンの末裔は敗北や過去に歴史、あらゆる全てを粛清できる。
 その一等地に住んでいるのは、永遠に裁かれないZ級戦犯、時代の流行。
 きっと、これからも、いい意味でも悪い意味でも教科書に踊る誰かを育てていく。

 そんな退屈でつまんない何かに気づいてしまった、僕の玄い第二本心は。
 ココから抜け出す、秘密の速度を知っている第一本心を起こした。
 現在、時刻は0時55分。

 もし、退屈でつまんない。そんな何かに気づいてしまったのなら。
 何かにマジになって、仕出かしてしまおう。
 僕らマジにわかりあおうとしてた、と思えるように。
 いびきをかきながら、アロンソさんに会いに行こう。
 大丈夫、ハックルベリーさんには会えたのだから。
 たぶん、アロンソさんにも会えるはず。
 そしたら、一緒にあの巨人に突っ込んでしまおう。
 つまんないゲンジツも一緒に消えて。
 きっと、美しく綺麗な風車が見れる。
 都合のいい何かを信じている僕らは、同じ似た者同士だから。
 
 マジになってしまった、めちゃ速な速度の前では。
 勝利や敗北、好きと嫌い、楽しいか楽しくない。
 そんな形容詞は誰の同志にもなれないほど、置き去りだ。
 くだらない幻は、ちんたら進んでいる時にだけ見える、幻想だから。

 そう僕に教えてくれたのはワガママ・クイーン。
 WAGAMAMA、四つ揃ったAは、不戦神話のA。
 余裕と空白だらけの彼女のワンダーランドは。
 マジに貫ける我がままがないと、あっという間に感覚の外。
 恐れ怖れる、恐怖を感じる前に突っ込めば気づく。
 赤い太陽が何かを照らしていると思っていたけど。
 本当は、黒い空間に照らされていた、そんな未知の可能性にも。

 現在、時刻は1時2分。
 忌まわしい思案から抜け出し、僕は彼女にメールした。
 わりと早く返事が返ってきた。
 きっと、本当は、僕の合図がなくても彼女なら見逃さなかったのだろうけど。
 それでも、僕を頼ってくれた、その事実が嬉しかった。
 そして、何よりも嬉しかったのが、彼女が明かしてくれたこの秘密、1時29分。
 
 お久しぶりです、ルパンさん。
 お変わりなくお忙しくご活躍しているようで感激です。
 あちらを進む、私の外側は変わってしまいましたが、内側だけは相変わらずで。
 いつの間にか、私も国籍不明の変な人になってしまいました。
 せっかく、しがらみから抜け出せたので、私も頼りになる相方と風車に突っ込むように、憧れのルパンさんのように、このまま進んでみようと思います。
 頁も積もればチョモランマ。いえ、頁も積もればとりあえず物語。そんな担任の先生の口癖を大切にしながら。ルパンさんのように何かを盗めるようにマジになってみます。
 それでは、イタリアでの大活躍、とても楽しみにしております。





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グリフィン理論

  いつだって10月だし11月だし3月なんだ。  このグリフィンさんの教えは贈り物。  誰だってジェイソン・ボーンだしジェームズ・エドワーズ。  ロバート・アンジャーでローン・レンジャー。  そして、ネオでもある……忘れているだけで。