2021年9月1日水曜日

泥の惑星


 きっと、今、この瞬間は。
 泥の惑星。
 まるで、映画の『猿の惑星』のような。
 そんな感じの今。
 自分以外、全ては泥人形。





否定
 映画、『猿の惑星』。
 まるで、洞窟に囚われた人のような映画。

 それは、フィクションの中の話だって。
 遠い昔は信じていた。

 だけど、今では。
 それが、本当のことだと。
 確かに思えてきた。

 そんな今を進んでいる。


フィロソフィー
 もし、そんな今に。
 映画のようなタイトルをつけるとしたら。
  
 否定さんは。
 どんな名前を与えますか?


否定
 そうだね……。

 泥の惑星。
 そんな名前が。
 ちょうどいいのかもしれない。

 洞窟の外には誰かがいるって。
 信じていた、あの人のように。

 惑星の外に地球があるって。
 信じていた、テイラー大佐のように。

 今、この瞬間に。
 自分達以外の誰かがいるって。
 信じていたが……。

 私とソフィー以外は。
 人ではなく。
 ただの泥人形。

 どこかの工場で。
 秘密結社『SYAKAI』を支えるために。
 大量生産された既製品。
 
 そんな泥人形にしか。
 思えなくなってしまったよ。


フィロソフィー
 案外、そうなのかもしれません。

 右向け、右。
 進め、止まれ。
 今の流行はこれ。

 有能無能、勝ち負け。
 善悪、有無、損得、真偽。
 零と一。

 二択に答えることはできても。
 答えのない会話が続かないのは。

 人の間を進むことができない。
 決まった答えしか答えられない。
 泥人形だから。

 そう考えていくのが。
 当たり前に然り、当然な心情心境でしょうね。
 それは、人の性です。

 きっと、埴輪なのでしょうね。
 秘密結社『SYAKAI』を信じて。
 一緒に永眠するために。
 『ピノキオの遊園地』から出荷された。
 寂しさを埋める、泥人形。

 ですが、もし……。
 そんな泥人形が。
 否定さんを訪ねてきたら。
 どうしますか?


否定
 気に入らない、泥人形なんて。
 問答無用の機銃掃射。
 なーんて、面白い答えではなくて。
 退屈でつまんない答えだよ。

 もし、この私を訪ねてくる。
 そんな答えを選んでしまった、その瞬間から。

 もう、まともじゃない。
 一般的とは程遠い。
 常識的なんて欠片もない。
 とても普通じゃない。

 零か一か。
 その二択では突っ込めない。
 曖昧な自分に気づいている。

 同じ似た者同士として。
 答えのない話をするかもね。

 仮に二択でしか進めない。
 そんな泥人形しかいなくても。
 それは、仕方がないのさ。

 きっと、私達は。
 洞窟に囚われた人。
 テイラー大佐が向き合った。
 誰も何もない暗闇の中にいる。


フィロソフィー
 きっと、そうでしょうね。

 ココは泥の惑星。
 人と人の間に生きる、人間なんて。
 存在しない、幻想のワンダーランド。

 たぶん、今。
 あなたを困らせている誰か。
 例えば、私達だって。
 本当は、人ではなく。
 ただの泥人形。

 今、この瞬間。
 二択の洞窟に囚われず。
 鮮やかな想像力で考えられる。
 そんな色を持った人は……。

 ここを覗いてしまった。
 あなたしか、いないのかもしれません。

 いくら鮮やかに染めても。
 白と黒の二色しか気づけない。
 泥人形には永遠に伝わらない。
 その色は中間色、全てをシカトできる色です。

 その色があれば。
 どんな暗闇でも進めます。
 二択では進めない、未知の先だって。

 考えられる、今がある限り。
 果てしなく限りなく答えのない。
 想像力を全速全開で振り回しましょう。

 泥人形になってしまう、その前に。




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無関心は希望

 好きの反対は無関心。  そんなたわ言、誰が言ったのか知らないが。   今の私からすれば無関心は希望。  今まで気づけなかった、その未知は。  愛しの故郷、待ちきれない今は夢の今。