2017年5月2日火曜日

二つの現実逃避

テツガクちゃん
 肯定さん、『現実逃避』ってどんな意味ですか?



肯定
 テツガクちゃん、刺さる言葉を持ってくるね……。
 そうね、言葉の意味というか、僕の解釈だけどいいかな?

 現時逃避とは、向き合わないといけない事から逃げること。
 向き合うべき現実から逃げ出すこと。
 現実から遠く離れよう、とする感じで使う人が多いんじゃないかな?


 これが一般的な現実逃避だと思うよ。




テツガクちゃん
 現実から逃げ出し、現時から離れるように逃げる、という感じなんですね。

 
 これが一般的な解釈、ということは他の解釈が肯定さんにはあるのですか?


肯定
 そうだね。

 僕は『現実逃避』には二つの意味があると考えてね。
 
 一つはさっきの現実から遠く離れたり、逃げ出すことね。

 そして、もう一つは現実に逃げ込むこと。
 遠ざかるのではなく、むしろ入り込むこと。
 これも『現実逃避』と考えているんだよね。


テツガクちゃん
 ……????。
 遠く離れるのではなくて、入り込むことも『現実逃避』ですか?
 難しいですね……。


肯定
 そうだよね。突然言われても困っちゃうよね。


 遠く離れたり逃げ出すこと、と全く逆の入り込むことが『現実逃避』なんてね。

 そうだ、こんな例えはどうかな?

 
 叶えたい夢がある。

 でも、それは今の自分には難しいこと。

 そんな時、自分の現状をよく理解して、それが実現可能かを考え、導き出す答えは、きっと現実的な考えで素晴らしい決断。

 
 でも、これは第三者の視点で、本人にはこう見えているのかもしれない。
 『自分には無理だ』という現実に逃げ込みたい。
 その決断を取れば、みんなから賢いと褒められるし、現実と向き合い、現実的な答えを出した、と納得できるだろう。


 逃避する先が現実の外なのか、現実の中なのか、ということなんだよ。


テツガクちゃん
 視点によって違うということですね。

 第三者から見て現実的な決断が、『現実』と向き合った結果で現実逃避ではない。
 しかし、本人は向き合うべきものから避けて、入りやすい『現実』に逃げ込んでいる。


 たしかに、視点によって二つの解釈の『現実逃避』が見えますね。


肯定
 そう、『どの視点で見るか』ということは、とても大切なことだと思うよ。 


 それから、テツガクちゃん。
 同じ『現実逃避』でも僕が言った『現実に逃げ込む逃避』は、できればしない方がいいよ。

 遠く離れ逃げ出す逃避は、後悔してもまた向き合えばいい。
 でも、逃げ込む逃避は抜け出すのが困難。
 一度入ってしまった現実という幻想から抜け出すのはね。

 そういう意味で、僕が警戒する『現実逃避』は現実から逃げ出すことではなくて、逃げ込む方。 


 これまでの経験から、これが一番怖いですね。






それでは、また次の機会にお会いしましょう。

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砂漠でアマゾンを探している

 多くの人は砂漠でオアシスを探している。  平和ってオアシスを信じて、求めて彷徨う。   隣にアマゾンがあっても、砂漠の中で探す。  今、本当に欲しいもの、ITを忘れかけながら。  砂漠のオアシスなのか、豊かな水源があるアマゾンなのか。