2017年5月27日土曜日

寿命が延びたのか、時間が速く流れているのか?


テツガクちゃん
 肯定さん、よく『1年があっという間に過ぎていく』って聞きますけど、あれはどういうことなんですか?
 
 1年は変わらず、1年ではないのですか?
 今も昔もそれは変わりませんよね?


肯定
 そうだね。
 きっと今も昔も同じ1年だとは思うけど、僕も1年があっという間に感じる、というのは共感できるな。
 
 そうね、この現象を説明するとしたら、驚きというか、知らないことに出会う機会が減るからじゃないかな?

 
 子供の時よりも知ってることが多くなって、殆どが知ってることの繰り返し、この生活が時間の進みを速く感じさせるのかもしれないね。


テツガクちゃん
 では、知らないことをたくさん経験すれば、昔と変わらない1年を過ごせる、ということですか?

 
 例えば、常に知らない世界へ冒険しに行く、とか。


肯定
 うーん、確かにそれなら、あっという間ではない時間を過ごせると思うけど、きっと『冒険』の繰り返し、ってこと気づくんじゃないかな?

 
 世界は常に新しいけど、冒険に出かけることには慣れてしまう。
 だから、『最初の冒険の感覚はない』となって、やっぱり『あっという間だな』と思うんじゃないかな?

 
 冒険の始まりから終わり。そしてまた次の冒険へ……という流れがあっという間だな、ってね。


テツガクちゃん
 そうですか……。
 そうなると『時間が年々速く進んでいくように感じる』のは正しい、ということですか?

 
 こうすれば、時間の進みを速く感じないかもしれない、という方法はないのでしょうか?


肯定

 それは、僕にもわからないけど、こういうのはどうだろうか?
 『時間が年々速く進んでいくように感じる』という部分を受け止めてみる。


テツガクちゃん
 それはどういうことですか?


肯定
 本当に時間が速く進んでいるんですよ。
 そう『昔と比べて時間が速くなる』と捉えてみるんです。 

 
 いつの時代でも過去と比較すれば、今は時間の流れが速い。
 だから、今と未来を比較すれば、未来の時間は今より圧倒的に速いかもしれない。


テツガクちゃん
 昔は時間の進みがゆっくりだったということですか?
 それはまた奇妙な……。


肯定
 テツガクちゃん、戦国時代の人の寿命は『人間五十年』と言われていたらしいんだよ。
 そして、今は医学とか食べ物のお蔭で寿命が延びた、と言われているよね?

 
 でも、本当は寿命が延びていないとしたら?


テツガクちゃん
 今度は寿命ですか? 時間はどこへ?
 ですが、寿命は延びていません?
 『人間五十年』という時代ではないと思います。
 

肯定
 ごめん、ごめん。
 でも、寿命と時間は関係あるんだよ。

 
 例えば、戦国時代の1年が今の2年だったとしたら? もし、そうなら戦国時代の50歳は今の100歳だよね?


テツガクちゃん
 ああ、そういうことですか!
 でも、ちょっと待ってください!! 今も昔も同じ1年ではないのですか?

 
 戦国時代の1年が今の2年というのは、びっくりな考えです!


肯定
 そうだよね。びっくりだよね。
 でも、戦国時代の1日がちゃんと24時間でした、と計ってないよね?

 
 もしかしたら、戦国時代は1日が48時間だったかもしれない。
 1年は365日じゃなくて、730日だったかもしれない。

 
 更に、そういう数値じゃなくて、体感的な時間が明らかに違ったかもしれない。

 
 もし、戦国時代に行けたとして、そこで「あれ、僕たちの時代と時間の進みが体感的に違うぞ」と感じた場合、戦国時代の方が体感的な時間の進みが遅いかもしれない。

 もちろん、これらは確認できないから、ただの仮説なんだけどね。


テツガクちゃん
 なるほど、そういう仮説ですか。

 
 確かに、体感的な認識はどう頑張っても知りえないですね。
 その時代に行って体験しない限り。
 
 それから、1日が48時間説や1年が730日説も0ではないですよね。
 そう考えると、『本当は寿命は延びていなくて、時間の進み方や捉え方が違うからそう感じる錯覚』とすることもできますね。


肯定
 そうでしょ!? 流石、テツガクちゃん、よくわかってる!!

 
 そう考えた場合、寿命は今も昔もそんなに変わっていなくて、変わったのは時間の進み方。
 
 もし、そうなら時間があっという間に過ぎていく、と感じるのは実に正しい認識かもしれない。

 
 今後はもっと速くなって、未来の1年は戦国時代の3~5年になっているかも。
 だけど、人間の寿命というモノサシで見たら、それはずっと変わってはいないのかもしれない。


テツガクちゃん
 なるほど、『人の時間は、年々速く進んでいくように感じる』というのを受け止めると、こういう考えもできるんですね。

 
 人間の寿命は本当は延びていなくて、変わったのは時間の進み。
 時間の流れが速くなったから、寿命が長くなったように感じるって考えは面白いですね。


肯定
 まぁ、どっちでもいいんだよね。『寿命が延びたのか、時間が速く流れているのか?』というのは。
 
 ただ、『時間が速く流れている』と認めることができたら、年々時間が速く進んでいく感覚に落胆しなくていいよね。

 
 寿命は変わらないけど、時間は速く流れていく。
 今の時代では50年の時を生き50歳かもしれないけど、人間の寿命では25歳かもしれない。


 そう信じた方が楽しいじゃないですか?






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それでは、また次の機会にお会いしましょう。

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無関心は希望

 好きの反対は無関心。  そんなたわ言、誰が言ったのか知らないが。   今の私からすれば無関心は希望。  今まで気づけなかった、その未知は。  愛しの故郷、待ちきれない今は夢の今。