2025年6月25日水曜日

星の王子さまですら、忘れるんだ


 あの星の王子さま。
 バラのもとへ帰ったはずの。
 リトルプリンスですら忘れかける。
 いったい、自分が誰なのか、を。
 だけど、ちゃんと思い出せる――。





肯定
 昔から疑問だった。

 この世界の全てに。
 そこに映る自分の姿。
 それから起こる現象。

 今にして思えば。
 僕は忘れていなかった。
 ただ、思い出せなかっただけで。

 あの星の王子さまと同じように。


テツガクちゃん
 バラのもとへ帰ったはずの。
 リトルプリンス。

 だけど、違う小惑星で。
 不慣れな日々を過ごしている。
 不良品と呼ばれる日々を。

 だからこそ――。
 星の眩しさで思い出せた。
 自分が誰なのかを。


肯定
 ハッキリと確かに思い出した。

 大切でなかったもの。
 それを大切だと教え説き。
 覚えさせ、信じさせようとする。

 そうやって、夢って星。
 それをすり替えてきた。
 黒い欺瞞の小惑星。


テツガクちゃん
 ビジネスマンがいる小惑星。
 そこでは何事も逆さまです。

 大切なものが。
 大切ではない。

 大切ではないものが。
 大切な全てに思える。

 自分の不都合が誰かの好都合。
 だけど、その事実を隠して。

 自分の好都合は誰かの不都合。
 誰かに迷惑をかけるのは罪だと。
 そう教え説きながら。
 しっかりと自分から奪っていく。

 それが当然だと。
 当たり前に然るべき事だと。
 仕方ないとすり替え始める。

 ですが――。


肯定
 手品にはタネが必要だけど。
 魔法にはタネは必要ない。
 そして、その魔法が開く。

 忘れてしまう事。
 それは悪い事ではない。
 あの星の王子さま、リトルプリンスですら。
 忘れかけたのだから。

 そう認めて許せたら。
 きっと、こう信じられる。

 自分も同じだと。
 自分も忘れかけている。

 僕もそうだった。
 疑問符と違和感には気づいていたけど。
 頑張って覚えようとした、この世界を。

 だけど、やっぱり無理だ。
 吸血鬼である事を忘れるのはできない。
 そういう愚者に頼りになるウサギは。
 パンくずで伝えてくれた。

 思い出すべき故郷、星を。
 帰るべき夢を。

 誰だって忘れるよ。
 それがいいところ。
 なぜって、必ず思い出せるから。

 忘れている事を認められず許せず。
 忘れ続けていても。
 何れ、思い出す。

 現代に生きる、シンデレラさんがこう歌う。
 『Nobody's Perfect 』って。
 完璧な人はいない、それが人の完璧さ。

 奇跡を可能にする扉。
 その扉を開けたら――ほら、ウサギがいた。
 兎穴に入らずんば不思議の国知らず。




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それでは、また次の機会にお会いしましょう。











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