2017年7月28日金曜日

お勧め映画 第16回目『パニッシャー (2004年)』(※ネタバレあり)


 個人的お勧め映画。
 今回は『パニッシャー (2004年)』(※ネタバレあり)です。



 この映画はアメコミが原作の作品です。
 正義のヒーローというよりは、ダークーヒーローという感じのキャラクターで、犯罪者達を容赦なく殺していくのが彼の流儀のようです。

 ここで、映画『パニッシャー (2004年)』の簡単な内容を紹介させていただきます。

 息子をFBIに殺されたハワード・セイントが、関与していた主人公のフランク・キャッスルの家族を殺す。なんとか生き残ったフランクはハワード・セイントに復讐……いえ、制裁することを決意する、という内容です。
 ダークヒーロー、パニッシャー誕生がメインの復讐劇です。
 ちなみに、パニッシャーという言葉の意味は『処罰する者』という感じらしいです。それを考えて観るとより楽しめと思います。



 フランクの父役で出演してたロイ・シャイダーさんの遺作、とウィキペディアにあります。
 ただ、2007年に『タンネンベルク1939 独ソ侵略戦争』という作品にも出演しているようですが……ロイ・シャイダーさんのキャリア後半の仕事、ということは間違いありません。


個人的お勧めポイント

1、フランク・キャッスル、という人物の魅力。
2、ただの復讐ではない、これは制裁だ。(ほぼネタバレ)
3、ハワード・セイント一族


1、フランク・キャッスル、という人物の魅力。
 彼は、復讐に燃える男になってもユーモアを忘れません。
 ハワード一族のミッキーに拷問するシーン。

「バーナーでお前の肉を焼く、すると肉が焦げる臭いと冷たさを感じる」と言い。
 アイスキャンディーでミッキーの身体を突き、皿に載せた肉をバーナーで焼く、と言う方法でミッキーを拷問します。
 ダークーヒーロー、パニッシャーにしては随分やさしい拷問ですよね。

 
 ミッキーを演じるのは、エディ・ジェイミソンさん。オーシャンズ11などでリビングストン・デルというキャラクターを演じています。

 その他にも、ハワード家の長男に「この地雷を腕を伸ばして持ってろ、鍛えられるぞ」と言う彼が魅力的ですね。これはかなり鬼畜です。
 

 でも本当は、そんなユーモアを言ってる心境じゃないのに、そうやってなんとか自分を保っているのかもしれません。
 家族を失い、特に親しい仲間もいない。唯一あるのは制裁という罰を与える、という目的にだけ。それに駆られた彼の一人ぼっちな感じが観れます。

 ただ、完全な一人ぼっちという訳ではなく、隠れ家の近くに住む住人とは多少は関わりがあります。住人を助けた縁で、彼が住人に助けられたりもします。
 しかし、それでも深く関わる事はしない、というところに彼の『もうフランクには戻らない』という決意を感じます。


2、ただの復讐ではない、これは制裁だ。(ほぼネタバレ) 

 普通の復讐劇より念入りな復讐……いえ、制裁という罰です。
 ただ、彼がハワード一族を殺すわけではありません。彼は、ハワードにそれをさせます。
 ハワードに信頼できる仲間や家族を自分の手で奪わせる。
 彼自身は手を汚さず、ハワードに仲間や家族から裏切られる悲しさと、彼に騙された絶望、そして最終的には自分が仲間や家族を裏切った、という罰を与える。


 これは単なる復讐ではありませんね。制裁という罰を与えています。それがパニッシャー(処罰する者)ということなんでしょうね。


3、ハワード・セイント一族

 ハワード一家は、フランクの敵として登場しますが、なかなか魅力的なメンバーです。
 ハワード・セイントは、ボスの中のボスと言う感じで、普段は冷静に考え行動しますが、何か起きると狂気に満ちた行動をとります。
 

 そのハワードには二人の息子がいて、次男の方は冒頭でFBIに殺されます。長男の方は本編で活躍します。マッチョなイケメンです。
 妻は若干サディストと言いますか、彼女がフランクの家族を「皆殺しにしてほしい」と部下に頼みます。ハワードは「フランクだけでいい」と言ったのですが……息子を失ったとはいえ、そこまでしますか?
 

 そして、ハワード家を支え、頼りになる男がクエンティンという人物です。しかし、彼の好みタイプは……それは本編でご確認ください。

 こんな感じで、普段は冷静だけど、いざと言う時に暴走してしまうハワード。イケメンマッチョなお兄さん。家族を皆殺しにして、と頼むサディストな妻。そして、頼りになる男クエンティン。
 この個性的で魅力あるメンバーに、制裁という罰を与えるのは見応えがあります。
 復讐系の映画では、敵サイドのキャラクターに魅力がないと、復讐が盛り上がらないんですよね。


最後に

 ただ主人公が復讐して終わる、という映画ではなく、復讐と言うより制裁という罰を加えるパニッシャーとしての流儀がしっかり描かれた物語です。
 私は、この作品で『パニッシャー』というダークーヒーローを知ったのでとても楽しめました。
 

 しかし、原作の『パニッシャー』を知っていると、原作の彼とは違う、と思うことがあるかもしれません。
 これは原作を映画化した作品の宿命ですね。原作通りやるのは難しく、映画に合わせた結果、原作ファンからは不評。
 ただ、これを機に『パニッシャー』に関心が持てれば、この映画の役割は十分果たせていると思います。

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ダークサイドもライトサイド

  ダークサイドもライトサイド。  問題は誰にとってのサイドか。  地球ってデス・スターにとってはダークサイドでも。  自分だけにライトサイドなら……。  迷うことはない、シスの暗黒卿になろう。