2017年8月7日月曜日

世界は簡単には変わらない


肯定
 テツガクちゃん、『最近のアニメの話がゲーム化してる』というニュース見た?
 主人公が美少女を手に入れ、それから名声やビッグマネーも手に入れ、世界まで変えてしまう。そんな感じの話が多い、と指摘されてるやつ。


テツガクちゃん
 見ましたよ。

 でも私、最近の作品はあまり観てなくて……あまり実感が湧きません。

 肯定さん、実際どうなんでしょうか?

 世界を変えちゃう凄い主人公の物語が多いんですか?


肯定
 実は、僕も最近は……特定の作品しか観てないもので、わかりません。
 ただ、面白いと思ったので、2つの考えに注目するね。
 
 1つ
 世界は変えられる。主人公は美少女も名声もビッグマネーも手にし、神になる。
 2つ
 世界は変えられない。主人公は様々なモノを失い。その中でどうしても失いたくないモノを必死に守る。
 ボロボロで傷だらけになりながら、やっとの思いでそれを守る。
 そう生きるとは厳しいのだ。

 この2つ考え方の世界。どちらが真実だと思う?


テツガクちゃん
 決まっているじゃないですか。1の全てを手に入れる。
 
 ロックンローラとは?
 人々が欲しがるのは、ビッグマネーか名誉。
 だが、ロックンローラは――全部欲しい!!

 ということで、私は1の全て手に入れる方が真実だと思います。
 肯定さんは、いつものそれは『存在と同時に存在しない』という解釈ですか?


肯定
 正解!!
 僕は、1の世界も2の世界も『存在と同時に存在しない』と考えるね。


 これを分かりやすく説明すると、どちらの世界も存在している。
 でも、同時に両方の世界は覗けない。
 だから、どちらかを選ばないといけない。

 1の世界か、2の世界か?
 
 選択の問題なんだよ。
『金のなる木』の話と同様にね。


テツガクちゃん
 なるほど、どちらの世界が見たいか? その意志の選択が大切ということですね。


 では、私が1の世界を見たいと思えば、やはり私には1の世界が見える、と言うことなので、間違っていないですよね?


肯定
 もちろん。全く間違ってない。

 その逆を選んでも全く間違いじゃないよ。

 そうだな。こんな話はどうだろうか? 『神との対話』という本のニールと神様の話なんだけど。(それを和訳しているサイトで読みました)
 
 あなたは今、広い書斎にいます。この書斎には全ての情報があります。どんな情報もです。
 ただ、本があまりに多く。欲しい情報が書かれた本がなかなか見つかりません。
 しかし、その情報は最初からそこにあります。

 それをあなたが探し出すことができるか、どうかの話です。


テツガクちゃん
 どんな情報もある書斎ですか? 凄い書斎ですね……。
 では、例えなんですが、『宇宙人は既に地球にいる』という情報を探して、それが見つかった場合。
 『宇宙人など存在しない』という説は消え去ってしまう、ということですか?


肯定
 いえいえ、今度は『宇宙人など存在しない』という情報を知りたい人が必死に書斎を探せば、それが見つかりその説が復活するでしょう。


 だから、『宇宙人』の存在は常に『存在と同時に存在しない』という状態で、後はあなたが『そのどちらの情報を知りたい』と思い行動するか? という部分が重要になってくるんですよ。
 
 そうだ。昔、『地球は平らだ』と信じられていたの知ってる?
 西の海の先は、大きな滝になっていて、西に行くと滝に落ちてしまう、という話が信じられていたんだよ。
 
 でも、今この説を信じる人はいないでしょう。
 しかし、本当はやっぱり平らなのかも知れない。
 ただ、今度は地球ではなく、世界そのものが平らという話だよ。
 
 それは、ここは『二次元の世界かもしれない』という説が今あってね。
 三次元の世界は錯覚で、二次元の世界こそが本物。

 我々は錯覚の中にいるから気づかないだけ、という説ね。
 この説を考えると、昔の人が信じていた『地球は平ら説』は間違いではない可能性がある。
 
 こんな感じで、一度定着した常識も誰かが別の常識を必死に探せばひっくり返ることはあるし、これまでも何度もそれを繰り返してきた。
 運動中は水を飲むな、傷口はすぐ消毒液で消毒しろ、様々な常識が今ではひっくり返っている。


 その中で地動説などの常識がひっくり返ることはない、と考えるのは軽率ではないだろうか?


テツガクちゃん
 なるほど、どんな常識もそれとは別の常識を信じる人が書斎を必死に探せば、その情報を見つけ出し常識をひっくり返せる可能性がある、ということですか。


 それで世界の話も『夢のような世界』と『辛く厳しい世界』のどちらを探すか? と言うのが大事になってくる、ということですね。


肯定
 その通り。あなたが探したい本を探せばいいだけなんですよ。
 ただ、その本を探すのには、もの凄く時間がかかるかもしれない。それでも探したい本はちゃんと書斎にある。
 
 そして、この話の大事なところは
『マクロな視点、ミクロな視点』であげたように、『世界は人の数だけある』可能性がある、ということなんだよ。
 
 誰かが言った「世界は辛く厳しく、そこを生きるということは何かを失い。それでも耐えて進むことだ」という世界観をあなたの世界観にしなくていい。
 
 それは、その人が語った、その人の世界観。
 あなたには、あなたの世界観がある。
 そして、その世界の内容はあなたが決める。
 そこに真実は必要ない。なにせ真実はイデアの『影』に過ぎないのだから。

 1つ
 世界は変えられる。主人公は美少女も名声もビッグマネーも手にし、神になる。
 2つ
 世界は変えられない。主人公は様々なモノを失い。その中でどうしても失いたくないモノを必死に守る。
 ボロボロで傷だらけになりながら、やっとの思いでそれを守る。
 そう生きるとは厳しいのだ。

 さあ、あなたはどちらを選ぶ?
 それとも別の世界観を新たに作り出す?
 
 僕? 僕は既にテツガクちゃんという美女を手に入れたから、後は彼女と『世界の果て』を探すだけですよ。





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それでは、また次の機会にお会いしましょう。

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グリフィン理論

  いつだって10月だし11月だし3月なんだ。  このグリフィンさんの教えは贈り物。  誰だってジェイソン・ボーンだしジェームズ・エドワーズ。  ロバート・アンジャーでローン・レンジャー。  そして、ネオでもある……忘れているだけで。