2017年9月1日金曜日
お勧め映画 第24回目『ダーク・シャドウ』
個人的お勧め映画。
今回は『ダーク・シャドウ』です。
この映画は、1966年から1971年に放送された『Dark Shadows』を原作にした映画です。監督はティム・バートン監督。主役のバーナバス・コリンズを演じるのはジョニー・デップさんです。
ティム・バートン監督の世界観が全開の映画です。
映画の簡単な内容です。
1760年、バーナバスは両親共にイギリスからアメリカへ移住し、そこでコリンズ家は水産業を成功させ富を築いた。
しかし、バーナバスは使用人のアンジェリークを失恋させてしまい、そこから状況は一変。両親の事故死、バーナバスが本当に愛していたジョゼットまで死んでしまう。
それらは全てアンジェリークの仕業。彼女はなんと魔女だったのだ。
ジョゼットを失ったバーナバスは自分も死のうとするが、アンジェリークに呪をかけられヴァンパイアにされてしまう。更に、アンジェリークは街の人を騙し、彼を棺桶に入れ埋めたのだった。
そして、それから時が過ぎ、1972年。彼は目覚める。
という感じの内容です。
個人的お勧めポイント
1、バーナバス・コリンズというヴァンパイア
2、アンジェリークの美しさ
3、独特な世界観
1、バーナバス・コリンズというヴァンパイア
バーナバスは、私がイメージしていたヴァンパイアとは違うヴァンパイアで、それが魅力的です。
他のヴァンパイアと違いとして、彼は生きるために人の血を吸う事に罪悪感を感じている部分です。元々、彼は普通の人間なので、人間らしい面も持っています。
それから意外と社交的です。ヴァンパイアといえば、夜にしか行動できないため、あまり人と関わらないような気がしますが、バーナバスは街の人を屋敷に招き、パーティーを開きますし、日焼け対策をしっかりして街へも出かけます。けっこう気さくなヴァンパイアです。
次にヴァンパイとしてではなく、バーナバスという人物についてです。
彼は、少し陰があり傷つきやすく、凄く真面目で品があり、ユーモアも持っています。そして、何より家族をもの凄く大事にしている。とてもいい人物です。
そんな彼が約2世紀後の世界に目覚め、現代の状況がよくわからず困惑している所はちょっと面白いです。
しかし、バーナバスはいい人なので、現代でも人の心を掴みコリンズ家の復興のために頑張ります。そのやり方はちょっと独特ですが。
基本的に彼は、いい人なんですが、時には冷酷な一面を見せます。自分を騙そうとする人には容赦しません。
真面目で品があって、優しくユーモアがある彼ですが、怒らせると本当に怖いです。
でも、内面はとても傷つきやすく、常に孤独なため陰を持っている。いろんな面があって、魅力的な人物がバーナバスです。
そんなバーナバスをしっかり演じきるジョニー・デップさんは凄いですね。
キャプテン・ジャック・スパロウ、ウィリー・ウォンカなど様々な役を演じてますが、どのキャラクターも別人に見えます。
2、アンジェリークの美しさ
とにかく、アンジェリークが美しい。悪魔というキャラクターにふさわしいくらい美しいです。
アンジェリークを演じるエヴァ・グリーンさん、本当に最高です。
アンジェリークは昔、バーナバスに罪を着せ街を乗っ取りました。そのため、現代では街の人気者です。
港町を赤い車で走るシーンがそれを物語っていて、そのシーンのアンジェリークは凄く可憐です。
それからバーナバスの復活の噂を聞いて、彼の屋敷に乗り込み誘惑するシーンはもの凄くセクシーです。もう本当に最高です。これではバーナバスも負けちゃいますね……。
しかし、どんなにバーナバスを誘惑しても、最後の最後ではNOと言われる。真面目で意志の強い彼は、絶対に心は渡さない。だからこそ、その心がどうしても欲しい、という支配欲に悪魔っぽさを感じます。
一方で、凄く綺麗なアンジェリークがバーナバスに振り向いて貰うため、必死になる姿は悪魔なのにまるで人間みたいです。
どうも悪魔にも愛があるようです。ただ、その愛が強すぎて、そこが人間とは違いますが。
この映画は、バーナバスとアンジェリークが大きな柱になっていると思います。
アンジェリークはバーナバスの弱点を全て理解し、追い詰め彼の心を奪おうとします。時に、太陽の光を浴びさせたりしますが……それでもバーナバスと言う魅力的な人の心はどうしても奪えない。この2人の関係が映画の軸だと思いますね。
3、独特な世界観
ティム・バートン監督は自分の世界観をしっかり映像がさせることができる監督さんだと思います。
『チャーリーとチョコレート工場』でもそうですが、凄く不思議な世界観をこの映画でも映像にしています。
屋敷の作りこみや、漁港の雰囲気なども素晴らしく、BGMにもセンスを感じます。
屋敷の掃除をするシーンでは『Top Of The World』という音楽が流れ、これが凄くおしゃれです。
アンジェリークが車で漁港を移動するシーンでは『Theme from a summer place』という音楽が流れ、これもシーンにとても合っています。
他にもたくさんいい音楽が流れ、映像を豊かにしています。このセンスは本当に素晴らしいです。
人物にも工夫があって、バーナバスが日中外へ出るときは日傘とサングラス、という格好で外へ出ます。
これを映像で観ると、とてもヴァンパイアという感じがしなくて、クスッと笑えます。それが狙いなら、完璧です。
そういうちょっとクスッと笑える仕掛けがいっぱいで、この世界観を作れるのは本当に凄いです。
最後に
ちょっとだけ、マイナスポイントなんですが。
あまりにもバーナバスとアンジェリークのキャラが強すぎて、ジョゼットの生まれ変わりのヴィクトリアの印象がもの凄く薄まっているように感じます。
それと悪魔であるアンジェリークとの戦いは……。
ただ、この映画はアクションがメインではなく、世界観重視の映画なので、戦いが甘いのは仕方ないかな……と思いますが。
この二つが気になる人もいると思います。昔の私はやはりこの二つが気になりました。
ただ、上で言ったように、今の私ならこの映画はバーナバスとアンジェリークの話と思っています。
そう考えて観ると、この映画はもの凄く楽しいです。
悪魔なのに人間のような執着心に支配欲。
もの凄く綺麗で美しいアンジェリークなら、他の男性の心を奪っては消える、ということを繰り返すことも可能なのに、どうしてもバーナバスに拘ってしまう。
そんな人間のような悪魔のアンジェリークが最高に愛しいです。
そして、そのアンジェリークの想いは、バーナバスには支配だと言われますが、精神科医が呪いは愛からくる、という台詞から察するにやはりアンジェリークの気持ちは愛なんでしょう。
ただ、人間の愛より圧倒的に強いため、支配に見えてしまう部分がある。
そんなアンジェリークがとても愛おしく、そして魅力たっぷりなバーナバス。この二人のやりとりが最高の映画です。
ついでに、私の耳が気づいたのですが、ヴィクトリアの少女時代の吹き替え担当の声優さんは『アイカツ!』で星宮いちごを演じている諸星すみれさんだと思います。
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