肯定
今回は映画『メン・イン・ブラック2』からの話題で、ローラという人物のこの台詞。
「子供の頃……いわゆる世の中の常識に染まる前、『何かがいる』って心の中でわかってた」
Jとの会話でこう言うんだけど、僕はこれが胸に刺さってね。
幽霊などの目に見えない者の存在や、凄くビックリするような出来事が起きる可能性など、それらを信じる心を、僕達は成長と共にどこかに忘れてきていないかな?
テツガクちゃん
えっ、そういうものですか?
私は、今でもそれを持っているつもりですが。
いつハリウッドからオファーがあってもいいように、準備しています。
メールのチェック、アクセス解析も怠っていませんよ?
肯定
テ、テツガクちゃん、ハリウッドを狙っているの!?
まあ、テツガクちゃんは例外で……忘れてしまった人もいるんじゃないかな?
例えば、あなたに絶体絶命のピンチが訪れます。そうだな……上空から強大な鮫が降ってきます。
ここであなたは目を閉じ、もう駄目だ、と思う。
きっと心の中でも駄目だ、と思っているでしょうが、映画ではここでヒーローが登場します。そうチェーンソーを持った英雄フィンとかね。
絶体絶命のピンチは、映画ではヒーローが登場するシーンとしてよく使われますが、そのヒーローが『現実でも現れる』と信じられる人はどれだけいるでしょうか?
テツガクちゃん
えっ、信じないのですか?
世界の危機に、高らかと笑いながらあの男が登場!
「Why so serious? HAHAHA!」
世界の終わりを救ってくれるヒーローは、ジョーカーか、キャプテン・バルボッサか、ベイダー卿しかいない、と私は信じています!
一方、彼らが登場しないのは、まだ世界の終わりではないから、と思い、安心して日々を送っています。
この日々が末永く続けばいいな、と願っています。
肯定
な、なるほど……。
でも、テツガクちゃんが信じているのって、全て敵役な気もするけど、それは見る視点によりますか。
とにかく、みんながみんな、ヒーローや宇宙人、幽霊など、今、自分の目に見えない者を信じてはいないと思うんだよ。
何かの研究結果で、人は『社会の圧力』に屈してしまう、という結果を見たよ。
例えば、映画を観てもらって、その内容を答えてもらう。
そこで、その人は『正しい答え』を言うけど、周りの人がわざと違うよ、と言い、全く違う内容を教える。
その後、またその人に映画の内容を訊くと、最初に答えた自分の答え(正しい内容)ではなく、修正された誤りの内容を答えてしまうらしいよ。
みんながみんな、そうではない、と思うけど、人は『社会の圧力』に屈してしまう面も持っているみたい。
テツガクちゃん
そういう方々もいるんですね……。
第三者なんて、仮想現実の中のプログラムで、本当は存在しないのかもしれないに、それに屈してしまうのですか?
そんな不確かな第三者の集合体の社会より、存在を観測できる自分を信じるべきだと思いますが……。
残念ですけど、屈してしまう方もいるのですね。
肯定
そう、屈してしまう方もいるんだよね。
僕もどちらかと言えば、屈してしまう側だから。
そこであの台詞ね。
「常識や社会の色に染まる前の『自分の色』を、いつまで守っていられるか?」
これが大切だと思う。
『自分の色』を主張し続けると、この世界では上手く行かないだろうけど、それでも常識や社会に染まりきってしまうのは、非常に危険だよね。
テツガクちゃん
たしかに危ないですね。
本当は、自分が正しいのかもしれないのに、それを誤った方向へ修正されるなんて恐ろしいです。
ところで肯定さん、ヒーローの話で思い出したのですが、子供の時に目を閉じれば、何か世界が変わる気がしませんでした?
『退屈な状況でも目を閉じて、次に目を開いたら、何か楽しいことが起こりそうな』そんな感じです。
肯定
そうだな……。
おもちゃを壊してしまった時、『目を閉じて、次に目を開いた時には直っているかも?』と考えていたかな。
別に、誰かに教わったわけではないけど、勝手にそんなことを考え、それを何度もやっていた。
もちろん、直らなかったけどね。
ただ、これって、子供心に量子力学の性質を理解していたのかな? と最近考えたり。
観測するまでは、量子の場所は決まっていない。
それを観測して、初めて場所が決まる。
それなら、壊れたおもちゃを観測した時、一旦その観測をやめて、また観測し直したら違う結果が観測できるかも? ということなんだろうね。
テツガクちゃん
それで肯定さんは、『この世界でも量子力学は働いている』と考えるわけですね。
目を閉じた後、また目を開けば状況が変わっている、と信じる心は、量子力学の性質を信じるのと近い気がしますね。
そのことを、誰かに教わったわけでもないのに信じている。
ですが、成長と共にそれを失っていく方々もいる。
ヒーローを信じる心、宇宙人や幽霊などの目に見えない存在を信じる心、状況は次に目を開いた瞬間に変わる、と信じる心。
もしそれらを、誰かに教わらずに信じていたのなら、どれも上手く守っていたいですよね。
肯定
そうだね。
もちろん、上手くこの世界に合わせながら進み、それでも自分が信じていた心も捨てずに持っている。そういうスタンスが理想だよね。
それはとても難しいことだけど、それを捨ててしまったら、僕達は空っぽになってしまう。
人生の航海で大切な事は、誰かに教わる前に自分が信じている心を守り、その声を聞きながら世界という海を進むこと。
常識や社会という海図も大事だけど、目的地へ導くのは『自分の羅針盤』ということを忘れずにいたいよね。
もの凄く小さな確率かもしれないけど、量子力学はこのマクロな世界でもちゃんと働いている。
1極分の1かも知れないけど、いつか観測したい結果があなたの前に現れるかもしれない。そう信じ続ける心があれば。
だから、その心は大切なもので、失ってはいけない。
もし、その心を失い、誤った海図(社会の常識)に従い進めば、きっと抜け出す事が難しい虚無の海に迷い込んでしまう。
だから、その羅針盤(心)は手放してはならない。
既に迷ってしまった場合、手放したと思っている羅針盤を思い出してほしい。
それは自分が生きている限り、本当は失ってはいないはずだから。
いつだって、また手にすることができる。何度でも。
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それでは、また次の機会にお会いしましょう。
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