2019年3月13日水曜日

とうの昔に


 とうの昔に。それは唐の昔の物語です。
 こんな感じで物語の枕詞に使えたら、平らの昔や西の昔という新しい枕詞がつくれそうです。
 言葉で遊んでみると、面白い世界が見れますね。
 例えば、『福水盆に留まらず』とか。








テツガクちゃん
 とうの昔に気づいてしまいました! 私!
 そうです。唐の時代よりも前に気づいていたんです!


肯定
 唐の時代より前に?
 ガクちゃんのことだから、そういうこともあると思うけど、今回は何に気づいたの?


テツガクちゃん
 『昔々』という物語の枕詞。
 それと『とうの昔』という言葉が似ていると思いません?


肯定
 唐の昔の物語、と語りだす感じかな?
 
 あっ、それで唐より昔ね!
 唐の時代よりも前の物語を描く時の新しい枕詞になりそう。
 物語は唐の昔より始まる……こんな感じかな?


テツガクちゃん 

 そうです!
 それを応用すれば、こんな枕詞もできます。
 平らより昔の物語や西より昔の物語など。
 
 この平らは平家の時代でもいいですし、平成でもいいですよね。
 西は西部開拓時代のつもりですが、西洋文明という意味でもいいですね。

 物語を読み進めれば、どの時代なのかはわかるので、枕詞が曖昧でも活用できると思います!
 むしろ、曖昧にすることで惑わす手法が使えますよね!
 ここは平家の時代か、それとも平成の時代なのか? と。


肯定
 なるほど、それいいね!

 言語って面白いよね!
 僕もよく言葉を勝手に創ることがあるよ。

 特に物語の世界では、そういう遊びを大切にしたいな。


テツガクちゃん
 言葉の意味を知って、新しい意味を考えることは大切ですよね!


肯定
 そうだね。
 例えば、『福水(ふくすい)盆に留まらず』とか。


テツガクちゃん  

 『覆水盆に返らず』という言葉のアレンジですか?


肯定
 そうだよ。
 『覆水』はこぼれた水、という意味で、一度盆からこぼれた水は元には返らない、という日常にある光景を表した言葉だよね。
 
 そして、この『福水』は幸福な水という意味で、幸福は一つのところには留まらないよ、という意味。
 だから、福という幸せが逃げても気にしないで。また新しい幸せがくるよ。それが幸福の在り方だよ、という気持ちで考えた言葉だよ。

 あなたも自分だけの言い回しや言葉を創ってみませんか?
 きっと、私達より面白いことを見つけるでしょう。

 時には、言語の定めから抜け出す遊びも大切です。 


   







それでは、また次の機会にお会いしましょう。
 

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無関心は希望

 好きの反対は無関心。  そんなたわ言、誰が言ったのか知らないが。   今の私からすれば無関心は希望。  今まで気づけなかった、その未知は。  愛しの故郷、待ちきれない今は夢の今。