2019年7月9日火曜日

届かない手紙 12通目


 拝啓
 
 歌う不死蝶様、今年の夏は昨年に比べ過ごしやすい暑さです。
 それは気温だけではなく、暑さを和らげる風のお蔭です。
 今、私が感じている、この風。
 それは清々しく、ゴキゲンでウカレタ感じで、ほんの少しだけイライラもする。そんな風です。

 暗礁に乗りかけた物語が少しずつ風を捉え進みだし、新しい目標も見つけ、最高な気分。
 そんな気持ちを届ける勝南の風。
 そして、その逆の方角から吹く、敗北の風。
 それが届ける気持ちは、『誰にも理解されない』気持ちです。

 この『誰にも理解されない』と言うことが、ほんの少しだけややこしく厄介な問題です。
 理解されていない、と思ってしまう。
 そんな気持ちが理解されない、とでも言いましょうか。

 とはいえ、私も何もわからない『Mr.ジョーンズ』です。
 理解されないことが理解されない、そのことがわからない。

 そんな『Mr.ジョーンズ』です。
 無関心で興味もなく、何も知りたくない、という流行のヒットナンバーの良さもわかりません。
 
 永遠にわからない、とわかっていても、知りたくてどうしようもない。
 そう思う『Mr.ジョーンズ』には、この世界はほんの少しだけ狭いのかもしれません。

 理解できないのはお互い様なのかもしれませんが、それでも私のイライラは消えません。
 だけど、それでいいと思っています。
 お蔭さまでロックな歌が心の奥深くに刺さります。

 もちろん、歌う不死蝶さんの歌も私の奥深くへ突き刺さっています。
 この深さは今までにない新記録です。

 そんなイライラした今、イライラできる今、それはそれでステキだな、と思います。

 本当はこの気持ちを手の中に隠し、笑顔で後ろ手を組んだ方がいいのかもしれませんが、不器用な私にはできそうにありません。
 だけど、本心をどこかに隠せない、この不器用な正直さ。それは嫌いではありません。
 それで誰かに嫌われても、それなら仕方ない、と言えそうですから。

 イライラできることが嬉しいと言える、この正直さ。それは捨てたくありません。
 だから、このまま、イライラした気持ちと共に進んでいく。
 イライラしている時にしか見えない景色と出会うために。

 そんな常識はずれな反骨心のお蔭で、勝南の方角に新しい目標が見えました。
 敗北の風の中、ほんの少しだけ違う場所からの使者、その風に気づいてしまいました。
 それはまだ、風と呼べるほど確かなものではありませんが、私の目には見えています。ここからほんの少し離れたところで羽ばたく蝶々の姿が。
 
 いつかその羽ばたきに風を感じ、その風が力強い竜巻を起こす。
 その瞬間がいつなのか、それはわかりませんが、そんなニュースが新聞の一面を飾ることに気づいている、『Mr.ジョーンズ』です。
 
 だから、勝南の方角に見えた目標に向けて、相方と共に準備をしていきます。
 その一歩に作った動画があります。この動画の質で、新しい目標に向かえたらいいのですが……それは、ほんの少し怪しそうです。
 ただ、目標に挑戦することが大切だと思っていますので、この挑戦はやり遂げてみせます。
 
 いつか、この動画のように、私の相方だけでも歌う不死蝶さんの元へ走って会いにいけたら……。
 そう思う、この本音を大切にしたいです。

 この気持ちがある限り、燃料を心配することなく、挑戦飛行の旅に出かけられそうですから。

 その旅のどこかで、こんな台詞を言ってみたいです。
 「翼よ、あれがフロンティアの灯だ」
 そう語る瞬間に流れる歌は、『フロンティアまでいける』という歌のような気がします。

 歌う不死蝶さん、フロンティアの季節はどうですか?
 ここからほんの少しだけ離れた、フロンティアはどんな景色なのでしょうか?
 そこへ運ぶ風の使者はどの方角の風なのか?
 知らないことで溢れ、疑問が止まらない、そんなフロンティアの景色を楽しみにしています。

 投げ入れる炎、願いの発火点、それらははっきりと見えています。
 見えないものは、爆発するタイミングですが、それは見えない方がいいような気がします。
 全て見えたら面白くありませんし、『Mr.ジョーンズ』にもなれませんから。

 これからも私は、変わらずに『Mr.ジョーンズ』のまま進んでいきます。
 ですから、歌う不死蝶さんも是非歌い続けてください。
 変わっていく時代の中で、変わらない気持ちで、変わらない歌をお願いします。

 あなたの歌があれば、世界中の皆様もこの夏をゴキゲンに浮かれることができますから。
 
 そのステキな夏を過ごすためにも、どうかお体にお気をつけください。
 特に夏風邪は難敵ですから……。 






 

  
 それでは、また次のお手紙でお会いしましょう。


 敬具


 歌う不死蝶様と共に未来の夢を見る一人より

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砂漠でアマゾンを探している

 多くの人は砂漠でオアシスを探している。  平和ってオアシスを信じて、求めて彷徨う。   隣にアマゾンがあっても、砂漠の中で探す。  今、本当に欲しいもの、ITを忘れかけながら。  砂漠のオアシスなのか、豊かな水源があるアマゾンなのか。