拝啓
歌う不死蝶様、過ごしやすい夏と油断しているところに、息苦しい暑さが顔を出してきました。
その暑さの中、違う息苦しさと共にある今の私。
そこには様々な理由があります。
理解されない何かだったり、話したいことが多すぎて、言いたいことも言えない。そんな日々です。
だけど、この息苦しさ。
それが大切なことに気づいています。
お蔭さまで、ほんの少し人を愛するということ。
それを手放さず、共に手を取って歩んでいます。この夏の中を。
そこで懐かしい物語の大きな節目に出会いました。
ちょうど20年前の今日。
8月1日に旅立った子供達と、今も続くあの伝説です。
遠い夏の伝説は錆びつくこともなく、今もあり続けています。
歌う不死蝶さんや他の方々の歌もしっかり届いています。
その物語を忘れずに、私も新しい旅へ出かけたい。
そんな気持ちと気分が混ざった、曖昧ですが確かな夏の風を感じています。
気づけば、知らない場所の香りと、未知への道を示す幽かな光も見えて。
冒険へ出かけるには、十分な理由が揃いました。
あの伝説から20年先の今。
結局、私はピーターパンにはなれませんでした。
本当にそうなりたかったのか。それもわかりません。
ですが、ハンパにも成長せず、未完成のままです。
そんな常識から大きく外れた、今、この瞬間。
それはそれでいいな、とハッキリと答えられます。
もちろん、やらなきゃいけないこと、やりたいこと。
それらも未完成のまま、というのは問題ですが。
それが問題ということはわかっています。
問題が見えているのなら、それはいいことだと思います。
ハンパに成長して、問題や遠い夏の伝説も見えなくなるよりは。
なにより、私にはこの問題と向き合う、愛おしく頼もしい相方がいます。
彼女は表幻者、私はその助手。
きっと、霧の都の名探偵と助手にも負けない関係だと思います。
そのステキな関係のお蔭で、私は今も彼女と夢を共に見て、夢見心地な旅人です。
きっと、彼女とならここから。この20年後の8月1日からも新しい一歩を踏み出せそうです。
歌う不死蝶さんにとって、今年の8月1日はどうですか?
今、どんな景色を見ているのでしょうか?
『Mr.ジョーンズ』な私に、その答えはわかりません。
ですが、なんとなく似た景色を見ているような。そんな気がします。
何か新しい冒険が始まりそうな、そんな一日の景色です。
その空を共に見て、幽かでも同じ風を共に感じられたら……。
中間色の夜明けから、過未の領域を抜けて、あなたに会いにいけたら……。
そんな気持ちと共にまた一歩。
もう二度と戻らない、一歩。
最初でもなければ、最後でもない一歩。
それをこのまま、様々な気持ちと共に感じる。共感の物語を描けたら。
その欲望と共に、このまま幽霊船のように時空の海を進んでいきます。
時々消えたり、見つかったりしながらも、振り返らず突き進む。
終わることのない航海の旅へ。
歌う不死蝶さんの歌と、遠い夏の伝説の物語と共に。
そして、いつか。この旅のどこかで。
歌う不死蝶さん、あなたと出逢う。
最高の瞬間を私の物語のページに描く。
その日を私は目指します。
それでは、また次のお手紙でお会いしましょう。
敬具
歌う不死蝶様と共に未来の夢を見る一人より
敬具
歌う不死蝶様と共に未来の夢を見る一人より
0 件のコメント:
コメントを投稿