2019年5月18日土曜日

2章 とにかく、走ってみる


肯定
 完成というエンジンができたら、それを動かして走ってみる。
 これが大切だね。

 ガクちゃんも言っていたけど、物語は設定や世界観で動くのではなくて、基本的に人物が動かすもの。
 だから、人物にそのエンジンを動かしてもらいましょう。


テツガクちゃん
 そうですね!
 では、たい焼きさんともみじ(饅頭)さんにお願いしましょう。


 たい焼きさん:
 これから映画館に行かない?
 枕がよく飛びそうな映画があるんだよ。

 もみじ(饅頭)さん:
 いいわね。
 あっ、たい焼きは枕を持っている?
 私は今ちょうどいい枕がないから、枕を買いに行きたいんだけど。

 たい焼きさん:
 わかったよ。じゃあ、まずお店に行こうか。
 私も枕がなくて。ついでに、トタン屋根も買いにいきますか。

 もみじ(饅頭)さん:
 そうね。じゃあ、行きましょうか。

 二人は映画を楽しむために街へ向かった。


 こんな感じでしょうか。


肯定 

 そうそう。そんな感じ。
 もうね、名前なんて何でもいいんだよ。
 羊羹でも饅頭でも金つばでもさ。

 食べ物が人の姿をしていても不思議に思われない時代だし。
 いい意味でその寛容さに甘えましょう。

 僕達もいい加減な名前だし、性格とか話し方も曖昧だし。

 それでもエンジンをかければ、どこまでも進める。
 進むことが大切で。
 トルクとか馬力はまだまだ先の彼方。


テツガクちゃん
 そうですね。
 それはトタン屋根に投げておきましょう。

 走る時に気をつけることはありますか?


肯定
 基本的にはないよ。
 永遠に走り続けるのもいいと思うし。

 ただ、強いて言うのなら、基本の終わりを考えておくことかな。
 完成という終わりね。

 ほら、ガクちゃんも。
 街へ向かった、という終わりを決めたじゃない。
 映画を楽しむために二人は街へ向かう、という終わりがあるから、一応完成している。

 終わりって、何か特別なことが必要な気がするけど。
 そんなものなくても大丈夫なんだよ。
 ただ、お終い、と言えるような感じのことで。

 それが言えたら、完成というエンジンがしっかり動いているということだから。
 エンジンがちゃんと回れば、永久機関として回り続けることができる。

 そのためにも、終わりへ向かえるエンジンが大切だね。
 最初は終わらせ方がわからなくて、完成のイメージが見えないかもしれない。

 でも、たくさん走れば、それはきっと見えるよ。
 自分のエンジンが完成をつくれるか。
 それを確かめるために走り続けましょう。
 様々な人物を乗せて。




それでは、また次の機会にお会いしましょう。




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グリフィン理論

  いつだって10月だし11月だし3月なんだ。  このグリフィンさんの教えは贈り物。  誰だってジェイソン・ボーンだしジェームズ・エドワーズ。  ロバート・アンジャーでローン・レンジャー。  そして、ネオでもある……忘れているだけで。