2019年9月11日水曜日

忘却を喰らう忘却の暴君


 忘れ去ることを忘れる、忘却を喰らう亡者。そんな『忘却の暴君』に出会った。
 そして、別の方角から違う影。
 あの影こそ……『雀のジャック船長』。



 



肯定
 ああ、忘れてしまいたい、どうでもいいこと。
 だけど、それに囚われ、そこに留まり、何かを重ねていく。

 そんな忘却を喰らう、『忘却の暴君』と出会ってしまったみたい。
 忘れ去ることを忘れてしまった亡者かな。

 忘れようと必死にもがき続ける。
 もがけば、もがくほど、忘れたいこと。

 その深淵に吸い込まれる。
 そんな魔法を操る、忘却の暴君。

 こんな時は、どうすればいいのかな?
 キャプテン・テツガクちゃん。


テツガクちゃん
 そうですね……。
 今、やりたいことをやってみてはどうでしょうか?

 いつもみたいに、『やりたい』と思えることに夢中になってみる。
 そうすれば、その速度は光速を超えて、無中な気持ちの速度に変わるかもしれません。
 
 気がつけば、忘れ去りたい霧の中から、夢の中の夢中な無宙の中だったり。
 

肯定
 そうだよね……。
 普段ならそれで乗り越えられるけど。
 この忘却の沼の引力は、無中な気持ちの速度よりも速くて強いみたい。

 いつもなら簡単に行ける、夢の中の無宙が全然見えないんだ。
 ずっと、忘れ去りたい、どうでもいいことが一歩先で待っている。

 手強い相手だよ。
 トタン屋根もぬけてしまいそうな重さも持っているし。
 

テツガクちゃん
 それは困ります!
 トタン屋根がぬけ落ちてしまったら、美味しいステーキも焼けません。

 トタン屋根でも溶けない、どうでもいいアイスクリーム。
 その謎も同じように解けず、忘却の暴君も説けない。
 
 だとすれば……彼の出番ですね。
 彼こそが海賊、『雀のジャック船長』ですよ!

 溶けず、解けずに、説けない事柄。
 その全てを引き連れて、どこか遠くへ運んでくれる。
 羅針盤がクルクルと回り続けるのなら。
 そのまま、気ままに、風が吹くままに。


 全ての瞬間を繋ぐ、一つの瞬間を静かに見つめている。

 彼こそが海の賊。
 人生という時空の海の中で、様々な時間と気持ちを騙し盗む、そんな賊です。
 そして、騙し盗んだもので、最高の物語を描く。
 
 その結末へ繋がる一つの瞬間、その一点の星だけを見つめる。
 それがキャプテンの役割です。
 
 『忘却の暴君』と向き合いながら、全てを繋ぐ一等星を忘れない。
 その気持ちがあれば、『雀のジャック船長』とも出会えるはずです。

 
肯定
 『雀のジャック船長』か。
 もし、彼と出会えたら最高だね!

 そう考えると、この『忘却の暴君』との出会いも悪くないのかも。
 この出会いの先に、『雀のジャック船長』との出会いがあるのかもしれない。
 そんな結末の一点、その一等星を忘れない姿勢が大切。

 羅針盤も回り続けるし、『忘却の暴君』から逃げる方法もわからない。
 だけど、わからないことがわかっているし、一等星も幽かに見えている。

 彼がただの雀なのか、それとも朱雀なのか。
 それを確かめてみたい、と思う気持ち。
 勝南の方角にある夏を象徴する不死鳥、朱雀。

 悪霊も追い払い、汚名挽回、起死回生。

 その力で、諦めずに何度も挑戦する力を持つ朱雀。

 彼もただの雀ではなく、朱色の雀、朱雀だったから、不死身の『雀のジャック船長』なのかもしれない。

 そんな海賊、『雀のジャック船長』のようにやってみるよ。
 一発の弾丸、それを決定的な瞬間に撃ちこめるように。
 中間色の僕達なら、それもできそうだし。

 『忘却の暴君』。
 けっきょく、それを倒す方法はわからない『Mr.ジョーンズ』だけど。
 どうでもいいことを忘れられずに、引きずっていく。

 そんな無駄の行進が、大切なのかもしれない。
 その途中で出会ってしまう、無駄ではない何か。
 重要ではない、と思っていた、その鎖が繋ぐ何か。
 
 忘れたいけど、忘れられなかった、忘却の暴君が守っていた『たからもの』。
 それを開ける日が、いつかくるのかもしれません。
 
 もし、あなたも『忘却の暴君』に出会ってしまったのなら。
 『雀のジャック船長』のことを思い出してみてください。








それでは、また次の機会にお会いしましょう。




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グリフィン理論

  いつだって10月だし11月だし3月なんだ。  このグリフィンさんの教えは贈り物。  誰だってジェイソン・ボーンだしジェームズ・エドワーズ。  ロバート・アンジャーでローン・レンジャー。  そして、ネオでもある……忘れているだけで。