面白い話が聞きたいって?
落ちのある話が聞きたいって?
話し上手な人の話が聞きたいって?
それなら、お金を払って落語を聞くんだな。
寄席の外まで出張り参上仕りなさんな。
会話の醍醐味を落語でぶち壊さないでくれ。
否定
生意気さが消えて。
無粋な時代になったね。
活力の欠片もない。
腐った口が文句をたらたら垂らす。
魅垂らし団子。
面白い話が聞きたいって?
落ちのある話しが聞きたいって?
話し上手な人の話が聞きたいって?
それなら、お金を払って落語を聞くんだな。
フィロソフィー
そうですね、お金を払えば。
話し上手な人の落ちのある面白い話。
落語が聞けますね。
私達に落語を求められても。
困ってしまいますよね。
だって……私達にとって会話。
それは、ミステリーのようなものですから。
否定
そう、私達にとって会話。
それは、ミステリーなのさ。
お金も払わず。
ただの凡人に、落ちや面白さを求めるなんて。
随分と無粋な野暮を歪めた、不可思議さだ。
いったい、その心情の理由。
それは、何なのか?
それについて考える方が、私には面白い。
フィロソフィー
それは、とても面白そうですね。
どうですか? 否定さん。
何かそれらしい理由は見えましたか?
否定
いや、全く。
今は、その理由の欠片も見えないよ。
だけど、これでいいのさ。
面白さの欠片もなく。
落ちもない。
何が言いたいのか、それも全くわからない。
それは、深い霧の難事件のよう。
その事件を理解しようと。
様々なものを積み重ね。
自分の解釈で歪め。
ほんの少しずつ解いていく。
そんなミステリーの醍醐味を。
落語でぶち壊さないでくれよ。
そういう気持ち。
ソフィーなら、わかるでしょ?
フィロソフィー
もちろんです。
その気持ちをわかろうと。
私も考えてみます。
積み重ね、私の解釈で歪め。
トタン屋根から垂れる。
溶けたアイスクリームの蜜の雫のような速度で。
否定
さすが、ソフィー、粋だね。
あとは、ほんの少しの生意気さが必要だね。
節操もなく。
寄席の外まで出張り参上仕りなさんな。
高級寿司店が。
デリバリーまで始めたら。
風格も崩れて無粋ではありませんか。
能あるトンビは爪を隠す。
鳴かない花は虫を捕る。
笑わない人は……なんだろうか?
どうでもいいか。
そんなことはどうでも。
人の会話に落ちなんて必要ない。
なぜなら、相手のことを理解しようとする。
そのひとつが会話なのだから。
作られた落ちなんかいらないよ。
そんなもの、寄席の外では。
何の役にも立たない、『動詞になれない形容詞』さ。
あなたも気づいているのだろう?
それでは、また次の機会にお会いしましょう。
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