亡者にもいろいろあるらしい。
成仏できずに彷徨っている者。
執念にとり憑かれている者。
それならば、後者の亡者の方角へ。
執念の力を全速全開、最大船速で突き進め。
テツガクちゃん
亡者にも二つの景色があるようです。
1、死者。死んでしまい、成仏できずに彷徨っている者。
2、あるものの執念にとり憑かれている者。
彷徨いながら、執念を力にして進む。
何かの使者。
そんな亡者もステキだと気づけたら。
様々な亡者になれそうですね。
肯定
なれそうだね。
ガクちゃんはステーキの亡者。
そして、僕は……ガクちゃんの亡者かな？
ガクちゃんがいないと。
僕はどうにもならないし。
だから、僕の執念の針は。
ガクちゃんを示しているのかも。
テツガクちゃん
本当ですか！？
それは、とても嬉しく最幸です！
私もステーキよりも肯定さんと何かをする。
この時空の亡者ですよ！
一人で食べる時には。
気づけなかったステキさ。
それに気づける、ステキなステーキを食べる。
そのためにも、この時空が必要なんです！
肯定
けっきょく、それって……。
ステーキの亡者じゃない？
テツガクちゃん
相変わらず肯定さんは……。
面白い錯覚を見ていますね。
もちろん、私がステーキの亡者に見えてしまう。
それは、詮無きこと、仕方がないことです。
ですが、その奥の方には。
肯定さんと同じ執念があって。
同じ何かを示している。
同じ亡者なのに。
形が違うように見えて。
錯覚の中を彷徨ってしまう。
そもそも、本当に肯定さんは。
そういう錯覚を見ているのでしょうか？
本当の本当に、私がステーキの亡者に見えますか？
3、2、1、GOです、GO！
本心本音を素直に正直に。
今、この瞬間に滑らせてください！
肯定
ごめんごめん。
ちょっとした冗談のつもりで。
慣れない冗談は、使うものじゃないね。
ただ、本心本音を答えると。
その答えは『存在と同時に存在しない』だよ。
ステーキの亡者に見えている面もあり。
一方で、きっと同じ形の亡者なんだろう、と。
信じる面もあって。
後者を強く信じるのは。
ちょっと照れ臭かったんだよ。
だって、ガクちゃんも。
僕と同じものを示している、なんてさ……。
って、本当はガクちゃんこそ。
僕の隠していた気持ちに。
気づいていたんじゃない？
いつもみたいにさ。
テツガクちゃん
そうかもしれませんね。
その先は、肯定さん流の『存在と同時に存在しない』という答えで。
お好きな答えを選びましょう！
こうやって、執念に取り憑かれた者同士が共に彷徨う。
フラフラとした歩みで、スッキリとしない軌道。
それが、どこか面白くて。
むしろ、彷徨うこともできず。
簡単に辿り着いて。
何かの執念も亡くしてしまう。
そちらの方が。
本当の意味で、死者の国の住人なのかもしれません。
迷うことのない楽園。
そこで執念を失った生活。
それに飽きてしまったら。
迷い彷徨い続ける海へ、『DIVE IN!』です。
執念の力を全速全開で最大船速で突き進む。
同じ亡者の景色。
私は執念にとり憑かれた。
後者の方角に、面白さの光を見ました。
あなたがなりたい亡者はなんですか？
きっと、おそらく、たぶん。
あなたの想像力なら。
新しい亡者にも気づけるはずです。
それでは、また次の機会にお会いしましょう。
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