2020年2月4日火曜日

フィクション?(前編)


 『フィクションと現実は違う』。
 そう語りかけるのは、詐欺師のささやき。 
 違うと言い切れるほど、この現実について何も知らないのですから。
 そう気づいてしまった私も同業者で……。 





テツガクちゃん
 気づいてしまいました! 私!

 『フィクションと現実は違う』
 そう語りかけるのは、詐欺師のささやきということに!
 
 詐欺師がフィクションの世界で、違うフィクションを見せようとしているんです。
 現実というフィクションを。


肯定
 ガクちゃんも詐欺師に負けない、詐欺の力を操りますね。
 詐欺師の技を見抜けるのは、同じ詐欺師。

 これから、どんな技を見せてくれるのかな?
 詳しく、新しいフィクションを見せてくださいな。


テツガクちゃん
 それでは、新しいフィクションの世界へご案内します。

 その前に、肯定さんは自分が住んでいる世界。
 今生きている、この瞬間が、『フィクションとは違う』と言い切れるほど、この世界について知っていますか?

 世界の果ての色や、熱いトタン屋根に投げてしまった過去とか、届かない手紙の中の未来など。
 

肯定
 いえ、全く知りません。

 お恥ずかしいですが。

 ただ、この瞬間は本物、と答えられる人はいるのかも。
 だけど、それも疑問だよね。
 自分自身の事ですら詳しく知るのは難しいのに、その自分の感覚が『本物』だと言い切ってしまうのはね。


 もちろん、自分を信じたい気持ちは大切で。
 自分がこの瞬間が本物、というのなら、それを信じてあげたい。

 だけど、バランスは大切だよね。
 自分の感覚を信じながら、それが全てではない、と曖昧に留めておける。
 そんなバランスがね。


テツガクちゃん
 私もそう思います。

 『フィクションと現実は違う』という感覚を信じたい。
 だけど、そう言い切れるほど、現実を知らない、と気づけたら、もっと面白いことができるような気がします。

 事実は小説より奇なり、と言います。
 この瞬間には、様々な奇跡に似た偶然と出会います。
 それは当たり前のことです。

 それが当たり前なのは、もしかしたら私達が物語の登場人物だから、そういう当たり前が起きるのかもしれません。


 本当は、既にフィクションの中にいるのに、自分達は違う場所にいる、と言い張る。
 そんな人物の物語です。その人の姿は実に……。

 あっ、次の頁はまだ白紙でした。
 あなたなら、ここからどんな面白い現実というフィクションを描きますか?
 文章を並べるのではなく、物語という幻を描く。

 富士山ほどの消しゴムと東京タワーほどのペン。

 それらで、退屈な詐欺師を驚かせてしまいましょう!




それでは、また次の機会にお会いしましょう。






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太極拳を練習して

  太極拳を練習して……。  スノーボードチャンピオンになってしまった。  車のタイヤも直せちゃう、Rock Starがいれば。  同じように太極拳を練習して、シスの暗黒卿になった。  重力だって外せちゃう、ワガママ・クイーンもいる。