2020年9月2日水曜日

伝わらない勉学の言葉なんて


 詐欺師の諭吉がなんか言ったよ。
 だけど、僕達にはその意味がわからなくて。
 すゝめた学問は、時代という独裁者が粛清して。
 残ったのは、最果てから聞こえた本音だけ。






否定
 詐欺師の諭吉は言ったよ。
 
 天は人の上に人をつくらず、人の下に人をつくらず。
 
 だけど、君たちにその意味はわからないだろう。
 だから、そんな君たちに『学問のすゝめ』を勧めようってさ。

 たしかに、諭吉の言葉はわからない。
 勉学の言葉なんて、時代には届かない。
 そんな、さめた温度は伝わらない。


フィロソフィー
 否定さんに伝わらないのであれば。
 私にも伝わりそうにない温度ですね。

 ですが、西の果てから。
 何か、とんでもない音が響いているような。
 そんな気がしませんか?

 これは、私の錯覚でしょうか?


否定 
 いや、ソフィーの錯覚じゃないよ。
 私にも確かに響いているよ。

 諭吉の言葉よりも意味がわからない。
 だけど、確かに響く音……。
 きっと、これは英語だ。

 まるで理解できないし、意味もわからない。
 何かの歌のようだけど。
 何を歌っているのか、それすらわからない。

 ただ――。


フィロソフィー
 冬を夏に変えてしまいそうな、確かな温度。
 その熱は、届いて伝わりましたね。
 西の果てから響いた、音の中から。
 
 時代という独裁者に粛清されることもなく。
 響く、この本音。
 それ以外には、何も聞こえなくなる。
 もう、他の音は何も。

 ほんの一瞬ですが。
 そんな未来が見えたような気がします。

 西から響いた、あの歌は。
 ノーフューチャーと歌っているようですが。


否定
 ソフィーにも見えた?
 私にも見えたよ、そんな未来が一瞬。

 諭吉の申し子達が演説台から説く。

 もっと、学問を理解しろ。
 勉強が足りない。

 もっと、社会を理解しろ。
 勉強が足りない。 

 もっと、ルールを理解しろ。
 勉強が足りない。

 もっと、法律を理解しろ。
 勉強が足りない。

 そう説き続けても。
 時代という独裁者には届かない。 
 時代遅れで役立たずな勉学。
 そんなまやかしは問答無用。
 待ったなしで粛清される。

 聖徳太子は馬小屋の王子になり。
 それが明日には、ロバ小屋の王子になり。
 明後日には、豚小屋の王子だ。

 もう、聖徳太子なんて、古臭い幻想は粛清された。
 独裁者、時代様万歳だ。


フィロソフィー
 時代様万歳ですね。
 
 そもそも、日の本の国なんてあったのでしょうか?
 それすらも、ありはしない幻想かもしれません。

 どう足掻いても。
 どんな嘘を連ねても。
 それをどう説いて、どう学ばせても。

 それを理解できる人がいなくなった。
 その瞬間に、全ては粛清です。

 時代という独裁者には敵いません。


否定
 敵わないね。

 そんな独裁者相手に。
 勉が強くないと理解できないことなんて。
 何の役にも立たない。

 英語が理解できなくても。
 なんとなく、曖昧に伝わってくる。
 そんな本音じゃないと。
 
 頼りなくても、ぎこちなくても。
 本心から響いた、本音じゃないと。

 そう、西から響いた音に教わった気がする。
 ノーフューチャーだね。


フィロソフィー
 ノーフューチャーですね。

 過去にも
未来にも行けません。
 行けないのですから、本当だったのか。
 それを確かめることもできません。

 ノーフューチャーです。
 今さえあれば、それでいいです。
 
 言葉とか勉学とか。
 様々な壁を越えて、今、伝わってくる。
 幽かな何か、それだけでいいです。

 他のもの。
 それらは、時代という独裁者が粛清してしまいますから。
 全て、強攻裁決、強行採決です。

 今、あなたには何かの本音が聞こえますか?
 あらゆる壁を突き抜けて、時代にも粛清されず。
 心底の奥の方まで響き、伝わる。
 そんな温度が確かにある、あの音です。

 まるで、歌う不死蝶さんの歌のように。
 無限大な夢のあとでは。
 ほんの少し想いも負けそうになりますが。
 常識を外れた、論外も悪くない。
 そう、本心が歌い出しそうな本音です。









それでは、また次の機会にお会いしましょう。









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グリフィン理論

  いつだって10月だし11月だし3月なんだ。  このグリフィンさんの教えは贈り物。  誰だってジェイソン・ボーンだしジェームズ・エドワーズ。  ロバート・アンジャーでローン・レンジャー。  そして、ネオでもある……忘れているだけで。