2021年2月9日火曜日

アメリカ娘


 憧れのアメリカ娘さん。
 それは、誰かの印象がつくった、幻だと気づいている。
 だけど、私はその姿に恋をして、落ちてしまった。
 永遠に、本当のアメリカ娘さんを知れなくても。
 それでいい、と思えるほどに。





肯定
 洋画などに出てくる、アメリカ娘さん。
 
 明るく気さくな性格。
 積極的で大胆な行動。
 開放的でステキな衣装。

 そんなアメリカ娘さんが、僕は好きだけど。
 その姿が、本当のアメリカ娘さんではない。
 そんな当たり前に気づいている。


テツガクちゃん
 そんな!
 アメリカ娘さんは、存在しない幻なんですか!?
 私も大好きなのですが!


肯定
 ごめんごめん。
 伝えたい気持ちが、伝わり難い言い方だったね。

 たしかに、海外ドラマや洋画。
 それらは、アメリカの人によって、作られているのだから。
 きっと、幻ではなく実在すると思うよ。

 だけど、それを僕達が見てしまった瞬間。
 受け取る印象は。
 アメリカ娘さんに恋をしてしまった、ヤマト人になってしまう。
 
 これが大問題で。
 恋に落ちてしまった僕の印象には。
 本当のアメリカ娘さんとは、違う要素が入ってしまう。

 それが、ほんの少しだけ。
 悩ましい問題だなって。


テツガクちゃん
 そういうことですか。
 
 つまり、アメリカ娘さんの自然な印象。
 それは、アメリカの人にしかわからない。
 私達にわかるのは、ヤマト人の視点で見た、アメリカ娘さん。

 ヤマト人の自然な印象が、ヤマトの人にしかわからないように。
 違う国の人には、自然な印象はわからない。

 それが、ほんの少し形の違う。
 印象という幻を作ってしまうから。
 自然なアメリカ娘さんの姿。
 それを見ることが叶わない。

 儚さが香る問題ということですね。


肯定
 そうなんだよ。
 
 もちろん。
 そもそも、本当のアメリカって何?
 そもそも、本当のヤマトって何?
 もっと言うと、自然ってなんだよ。

 そう掘り下げてしまえば。
 消えてしまう問題だけどさ。

 そもそも、という掘り下げに頼らず。
 ヤマト人として、アメリカ娘さんの印象。
 それを覗けないのは悩ましいよ。

 それは、寝ている自分の姿を。
 観察することなく、確認するようなものだから。


テツガクちゃん
 たしかに、私達にアメリカ娘さんの印象。
 それが、本当の意味でわかる日は。
 永遠に来ないのかもしれませんね。

 ですが、それはそれでステキですね。
 例え、アメリカの人と違う印象のアメリカ娘さんだとしても。
 もう、関係のないことです。

 なぜなら、私達はヤマト人から見た、アメリカ娘さん。
 その印象の虜で、その幻に恋して、落ちてしまったのですから。

 あなたはどうですか?
 事実とは違う、何かの印象が作ってしまった。
 その幻に恋したことがありますか?

 それは、とてもステキなものです。
 幻に恋をするなんて。
 とても貴重で、大切な経験ですから!




それでは、また次の機会にお会いしましょう。












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穏やかな青さに身を任せるな

  穏やかな青さに身を任せるな。  諦めた夢を燃やせ。  のさばる星屑に怒りをたぎらせろ。  いかれ、いかれ、奪い取る星に。  飛べ、飛べ、白い影に。