2023年6月20日火曜日

裏庭より遠いところに


 家の裏庭より遠いところに。
 欲しいモノがあるとは限らない。
 オズの魔法使いの教訓。
 誰もがあのドロシー嬢なのかもしれない。
 ココがカンザスだと思っていたけど、本当は……。





テツガクちゃん
 家の裏庭より遠いところに。
 探しモノがあるとは限らない。

 そんなオズの魔法使いの教訓が。
 もの凄く近くに感じます。


肯定
 凄く近く、強い伝染力をもったホラーだ。

 カンザスにある家。
 そこにある、目には見えない小さな裏庭。
 もし、そこに探しモノがないのなら。

 きっと、憧れのニューヨークにだってない。

 外に出れば何かに出会える。
 そう誰かは言い続けるけど。

 欲しいモノに出逢えるとは。
 誰も言っていない。

 そして、これも言わない。
 不思議とその外の広い世界の方が。
 狭い家よりも閉鎖的な空間だと。

 どちらが僕にとって。
 開放的な世界なのか。

 それは、明らかだ。
 らいおんが隣にいる、今が。
 一番開放的なワンダーランド。


テツガクちゃん
 さすが、私のホームズさんです。
 そして、その肯定さんが。
 私をらいおんのようなワトソンさんだと仰るのなら。

 今まさに、見えない裏庭が。
 そういう今へ繋がっていく。
 『つうといえばかあ』です。


肯定
 そう、つうといえばかあ。
 共感できる今が一番開放的。

 人は言うよ、僕を消極的な人だと。
 積極的に外へ出ないといけないと。

 それを真に受け、外へ出て気づいた。
 僕が消極的に見えるほど。
 外の広い世界は、より消極的で閉鎖的だった。

 こう言っている気がした。
 私に関わるな、と。

 わかった、わかったよ。
 僕が欲しい、共感の今はココにはない。
 そう気づいた、僕のITは――。


テツガクちゃん
 『帰るための切符』です。

 人は生まれ墜ちたココが。
 自分にとってのカンザスだと。
 教え説かれて、そう思い始めます。

 ですが、本当は……。
 ココが憧れのニューヨークで。
 故郷もカンザスではなくて。

 オレゴン州、キャッスルロック。
 あるいは……。
 メイン州、デリー。

 いえ、そういう場所では、ないのかもしれません。
 墜落現場へ向かう途中に吹っ飛ばされた。
 救助隊のレンジャーの物語の今。

 グライムズさん、グライムズさん。
 鐘の音が聞こえますか?
 そろそろ、キックの刻です。

 ココは私達にはもう狭過ぎて。
 あなたが目覚めるのは、まだ少し速い?

 そんな六つ目の行政区、第六区。
 その向こう側の第七区は。
 目には見えない、インベタのさらにインの裏庭。

 その裏庭がなければ。
 その先の世界などありません。

 ないモノはない。
 そう気づけたから、思い出せた新しい何か。

 黒光宇宙より大きくはありませんが。
 もっと速く、思い通りに歪む、白影夢中。

 外側をつくるのが内側なら。
 わざわざ、外側のさらに外へ行かずとも。
 内側をノックすれば……欲しかったITはその底に。




0 件のコメント:

コメントを投稿

穏やかな青さに身を任せるな

  穏やかな青さに身を任せるな。  諦めた夢を燃やせ。  のさばる星屑に怒りをたぎらせろ。  いかれ、いかれ、奪い取る星に。  飛べ、飛べ、白い影に。