2020年1月15日水曜日

つうといえばかあ


 『つうといえばかあ』。
 その間柄は、YES人間とは限らず、NO人間でもない。
 阿吽の呼吸……いえ、『つうかあ』な呼吸です。





テツガクちゃん
 『つうといえばかあ』。
 それは、私と肯定さんの関係。

 それに、似たようなものでしょうか?


肯定 
 そうかもしれないね。
 ガクちゃんが『つうことだよ』と言えば。
 僕は『そうかあ』と答える。

 こういう仲を『つうかあ』な関係と言ったり、言わなかったり。 
 
 あっ、別に『つうといえばかあ』ってさ。
 YES人間に徹しろ、というわけではないのが、面白いところでさ。


テツガクちゃん
 そうですね。
 
 つうことだよ。
 そうかあ、でも不思議な話だな。

 と返すこともできますよね。
 一旦、相手の言い分を受け取りました、という意思表示。
 それが、『つうといえばかあ』の『そうかあ』ですよね。

 
肯定
 そうだね。
 なんてことのない返事に見える、この『そうかあ』ってとても大切でさ。

 つうことだよ。
 それは違う、お前はおかしい、お前は間違っている。

 なんて、いきなり言おうもんなら、宣戦布告と同じだよ。
 別にYES人間を求めていないけど、NOしか言わない人間も同じように求めていないのだから。

 
テツガクちゃん
 肯定さん、言葉がほんの少し鋭いですよ。

 『つうといえばかあ』。
 そうかあ、と一旦受け止めた後に、自分の意見を語る。
 

 長次:
 太陽は東から昇る、つうことだよ。
 文平:
 そうかあ、そうだよな。ここの太陽は東から昇るし、隣は西から昇るもんな。

 長次:
 そうだな、隣で東に沈んだ太陽がここの太陽だからな。
 
 という具合です。
 『太陽は東から昇る』、それに異議を唱えたい時。
 そうかあ、と答え、さらに『でも』を使わなくても。

 『西から昇る太陽』を伝えることはできます。
  
 自分の伝えたいことを伝えるのに。
 NOが必要か、と言えば。

 そこまで必要ではない、と思います。


肯定
 さすが、ガクちゃん。
 その通りだよ、自分の意見は別にNOがなくても伝わる。
 そうかあ、と言ったら最後ではない。

 むしろ、それが会話の始まりの一歩。
 それをただ壊していく。
 その軌道は、自分の考えを伝えたいのか。

 それとも、ただNOが言いたいだけなのか。

 YESだけの世界が会話ではない。

 それと同じように。
 NOだけの世界も会話ではない。

 東から昇る太陽、それは隣で東に沈んだ太陽。
 ガクちゃんが見た景色の世界では。

 会話はYESとNOだけのリズムとは限らない。
 それを上手く隠してしまう、『つうといえばかあ』なリズムも大切だね。


テツガクちゃん
 ステーキなリズムですよね。
 『つうといえばかあ』な呼吸。
 とても大切で面白く、奥が深く深ーい、深淵の呼吸です。
 
 相手と違う意見を持っていても。

 その棘が見えなくなるような。
 それくらいの深さです。

 その深さと、
最初の『そうかあ』の一歩から始まる軌跡。
 それが、どんなミステリーよりも面白いのは、間違いありません。

 大切な会話を楽しむリズム。
 『つうといえばかあ』な呼吸。
 
 あなたは誰とそれを刻み。

 どんな会話というメロディを奏でますか?




それでは、また次の機会にお会いしましょう。







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 多くの人は砂漠でオアシスを探している。  平和ってオアシスを信じて、求めて彷徨う。   隣にアマゾンがあっても、砂漠の中で探す。  今、本当に欲しいもの、ITを忘れかけながら。  砂漠のオアシスなのか、豊かな水源があるアマゾンなのか。