『つうといえばかあ』。
その間柄は、YES人間とは限らず、NO人間でもない。
阿吽の呼吸……いえ、『つうかあ』な呼吸です。
テツガクちゃん
『つうといえばかあ』。
それは、私と肯定さんの関係。
それに、似たようなものでしょうか?
肯定
そうかもしれないね。
ガクちゃんが『つうことだよ』と言えば。
僕は『そうかあ』と答える。
こういう仲を『つうかあ』な関係と言ったり、言わなかったり。
あっ、別に『つうといえばかあ』ってさ。
YES人間に徹しろ、というわけではないのが、面白いところでさ。
テツガクちゃん
そうですね。
つうことだよ。
そうかあ、でも不思議な話だな。
と返すこともできますよね。
一旦、相手の言い分を受け取りました、という意思表示。
それが、『つうといえばかあ』の『そうかあ』ですよね。
肯定
そうだね。
なんてことのない返事に見える、この『そうかあ』ってとても大切でさ。
つうことだよ。
それは違う、お前はおかしい、お前は間違っている。
なんて、いきなり言おうもんなら、宣戦布告と同じだよ。
別にYES人間を求めていないけど、NOしか言わない人間も同じように求めていないのだから。
テツガクちゃん
肯定さん、言葉がほんの少し鋭いですよ。
『つうといえばかあ』。
そうかあ、と一旦受け止めた後に、自分の意見を語る。
長次:
太陽は東から昇る、つうことだよ。
文平:
そうかあ、そうだよな。ここの太陽は東から昇るし、隣は西から昇るもんな。
長次:
そうだな、隣で東に沈んだ太陽がここの太陽だからな。
という具合です。
『太陽は東から昇る』、それに異議を唱えたい時。
そうかあ、と答え、さらに『でも』を使わなくても。
『西から昇る太陽』を伝えることはできます。
自分の伝えたいことを伝えるのに。
NOが必要か、と言えば。
そこまで必要ではない、と思います。
肯定
さすが、ガクちゃん。
その通りだよ、自分の意見は別にNOがなくても伝わる。
そうかあ、と言ったら最後ではない。
むしろ、それが会話の始まりの一歩。
それをただ壊していく。
その軌道は、自分の考えを伝えたいのか。
それとも、ただNOが言いたいだけなのか。
YESだけの世界が会話ではない。
それと同じように。
NOだけの世界も会話ではない。
東から昇る太陽、それは隣で東に沈んだ太陽。
ガクちゃんが見た景色の世界では。
会話はYESとNOだけのリズムとは限らない。
それを上手く隠してしまう、『つうといえばかあ』なリズムも大切だね。
テツガクちゃん
ステーキなリズムですよね。
『つうといえばかあ』な呼吸。
とても大切で面白く、奥が深く深ーい、深淵の呼吸です。
相手と違う意見を持っていても。
その棘が見えなくなるような。
それくらいの深さです。
その深さと、最初の『そうかあ』の一歩から始まる軌跡。
それが、どんなミステリーよりも面白いのは、間違いありません。
大切な会話を楽しむリズム。
『つうといえばかあ』な呼吸。
あなたは誰とそれを刻み。
どんな会話というメロディを奏でますか?
それでは、また次の機会にお会いしましょう。
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